⑯高校野球の裏側

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

広陵高校野球部イジメ問題

参考動画

【広陵暴力事案・朝日新聞の大問題】広陵とジャニーズ問題との類似性|加害者擁

    護する保護者・OBの心理|一戦必勝・トーナメント制の是非|教育の場でのビール

    販売を考える【中野慧】  文藝春秋PLUS 公式チャンネル 2025/08/24  29:16

 確かに高体連と独立して高野連が存在している事の問題は極めて大きいだろう。とりわけ朝日や毎日、NHK(甲子園大会のテレビ放映)といった大手メディアとの密接な関係を持ち、莫大な金銭が動く高校野球の在り方を根本的に見直すべきであると考えるが、いかがか。

    世間の注目を浴びることの多い高校野球の裏側ではびこる部内での陰湿な暴力、イジメ…人権感覚の鈍い高校野球界全体の体質改善が急がれるだろう。

【広陵野球部の炎上を徹底分析】広陵だけの問題ではない|体罰をネタにする”

    ロ野球選手|問題は高野連の独立|野球を特別にしたのは何か|連帯責任からの

    緩和が悪い方向に|体育会系の問題とは【中野慧】

    文藝春秋PLUS 公式チャンネル 2025/08/24  24:59

    野球に限らずスポーツ強豪校が経営や金銭の絡む勝利至上主義のもとで抱えてきた構造的問題に注目しないと、特定の加害者や監督、学校の問題に矮小化してしまうのでは…という指摘は高校スポーツ界に留まらず、極めて重要な認識だろう。

参考記事

企業が体育会系の学生を欲しがる「本当の理由」… 広陵高校問題を機に浮上した

    「ハラスメント耐性がある」説に専門家の見解は

    集英社オンライン 2025.8.20

 ハラスメント耐性がある、ということはハラスメント体質がある、ということと完全に無関係ではいられないはずである。もちろん、ハラスメント耐性のある人物がすべてハラスメント体質というわけではない。しかしそうした体育会系教師たちは、少なからずの割合で年功序列型であり、管理主義的であり、同調圧力が強く、保守的であることはほぼ間違いない。

    そしてこうした体育会系が学校社会においては生徒指導部に数多く集まることも明白な事実である。だからこそブラック校則はなくならないのだ。そして残念なことに、千葉県ではそうした教師ほど学校の管理職となってきた経緯がある。

 つまり「教育委員会が体育会系の教師を欲しがる」本当の理由は明快である。各教育委員会にとっては、文科省の方針に常に忠実であり、変革を好まず、体制の保守管理にばかり精を出す人物が出来る限り多いにこしたことはないのだ。したがって文科省抜きで、教育委員会主導により学校の何かが良い方向に新しく変わっていくことを、学校現場は決して期待してはなるまい。

 すなわち仮にある程度のスピード感を持って学校教育を変える必要があるのならば、まずは体育会系の教師を出来る限り学校現場と教育委員会から、社会教育など、別の場所に異動していただく必要がある、ということだ。「改革を求める学校現場が体育会系の教師を欲しがらない」本当の理由はそこにあるだろう。

「まるで戦時下の報道だ」広陵高校の暴力問題→甲子園主催の朝日新聞は沈黙…見

    て見ぬふりをした新聞社の責任とは    文春オンライン プチ鹿島 2025.8.19

体罰はなぜなくならない? 「閉鎖空間と甲子園至上主義」が生む負の連鎖 元球児の

    教授が指摘 弁護士ドットコムニュース 2025.8.19

    甲子園大会について「たとえば、テレビ中継をやめてみたらどうでしょう。そうすれば、世間の関心は落ち着き、勝利至上主義も和らぐ可能性がある。結果として、選手の野球を楽しむ権利も、他の部活動と同程度に守られるのでは」と説明する…という渋倉教授の指摘には納得させられるだろう。裏を返せばこれまで甲子園大会を主催して野球熱を過剰なまでに煽ってきた朝日、毎日の罪深さを思わずにはいられない。

 

教職員の過労死、2015~23年度に38人 公立小中学校で    朝日新聞社 2025.6.28

 なぜ高校のデータが無いのか、高校のデータを除く事にどんな合理的理由があるのか、まずは朝日新聞に問いたい。教員の過労死問題を扱うにあたって小中学校のデータだけで語ろうとするのはあまりにも片手落ちではあるまいか。部活動の盛んな高校では他の職業からすれば常識ではあり得ないほどのサービス残業が特定の顧問に生じていたはずである。

 30年近く前に一年間365日、ただの一度も部活動を休まない高校の部活動(富山のハンドボール部)がテレビで紹介されたことがある。当時は野球部の多くがほとんど休み無しの指導で有名だった。個人的には学年の遠足を部員だけ早めに切り上げさせて強制的に学校に帰らせ、夜まで練習に費やしているバレーボール部顧問を見たことがある。どの高校であろうとも若い教師にとってこの時代、月に120~140時間程度の残業は通常のノルマですらあった。

 自分自身の記憶では20年ほど前も、部活指導で月に100時間近くの残業(休日での指導を含む)を続けていた時期があった。そうした経験からすれば…文部科学省が月ごとの時間外勤務に「45時間」という上限を設けた…と規定にあったとしても、この規定、本当に守られてきたのだろうか、怪しい限りである。おそらく管理職にバレないよう、学校外で密かに練習している部活が今も存在しているのではあるまいか。「部活命」は決して生徒だけではない。

 今や、部活好きな顧問には好きなだけやらせておけばよい、というわけにはいかないだろう。コンプライアンスが厳しく問われる現在、部活中の事件、事故は管理職の地位を脅かしかねないほどに大きな懸念材料となっており、管理職としては自己保身の面でも部活動による残業をそうやすやすと見逃すわけにはいくまい。

 残業問題の多くは保護者、生徒を巻き込んだ部活動の度を越えた過熱ぶりにあると考えるが、いかがか。保護者も含めて今の50代まではスポ根アニメや熱血教師のドラマの影響を多少、引き摺っている世代であろう。その世代ではもっぱら部活動の指導をしたいがために教師となった者すら、決して少なくはあるまい。

 しかし高校の場合、教師の本務はあくまで授業であるべきだろう。高校教師にとって部活動の過熱は本務を疎かにしかねない点で決して好ましくはない。他方で中学校では部活動の地域移管が進められつつあるが、なぜか高校では部活動問題があまり議論の俎上にのせられてこなかった。そしてこの記事の様に、教員の過労死統計からなぜか高校教師が除外されて報道されてしまっている。高校では野球部の顧問の過労死が疑われるケースはけっして少なくないはずなのに、これは一体、どういうことなのだろうか?地球温暖化によって開催時期に関しても問題の多い夏の甲子園大会を主催してきた朝日新聞の責任…この件でもきわめて重大であろう。

・「大谷のグラブ」対応から見える学校教育と日本の野球界の問題点

参考記事

大谷グローブ、それぞれの「今」を追った 校内野球大会のきっかけに、「キャッチ

 ボール禁止」の学校では… 東京新聞 2024.9.20

 案の定、大谷グローブを持て余している学校は少なからず存在している。ドジャースに移籍後の今年度はさらに大きな注目を集めている大谷選手だが、グローブの方は本人程の活躍が見られない。

 授業での論点は効果的な寄付のあり方に関するポイントと日本の野球界及び学校の抱える問題点の二つに分けて考えられるだろうか。生徒たちの興味をひきやすい話題であるが、論点を整理するのはかなり難しい。教師としては事前にそれなりの予備知識を蓄えてから議論に持ち込みたい。

「早くウチの子供に使わせろ!」“大谷グローブ”を巡って教育現場が頭を悩ませる

 ワケ 日刊SPA! の意見 2024.5.13

大谷選手の寄贈グラブの活用は難しい?「キャッチボールもしていません」 校庭で

 野球禁止の学校も AERA dot. 米倉昭仁 によるストーリー 2024.2.3

大谷翔平の小学校寄贈グローブが「10万円転売騒動」「屋外使用厳禁」剥き出しに

 なるオトナたちの醜態 アサ芸プラス によるストーリー  2024.1.23

大谷翔平の『寄贈グローブ』で全国の小学校に広がる混乱 使用ルール”決まらない

 なか、保護者からの要求がエスカレートすることも

 NEWSポストセブン の意見 2024.1.25

 こうした醜い状況が生まれてしまった原因はどこにあるのだろう。グローブを受け取った学校側の対応にはもちろん大きな問題が少しずつ露見してきている。相当程度ブラック化している小学校にとって12月から順次寄贈されるグローブへの対応は頭を抱えるレベルの難問であるはず。「10万円転売」問題は早くから予想できたことであり、そうならないためにはどうしたらよいのか…まさか校長室に飾るだけでは大谷選手の意向を無視することになりかねない。

 おそらく有効な活用方法は簡単には見いだせないだろう。寄贈されたグローブをどのように扱うのが理想的なのか、生徒たちに提案してもらうと議論がはずむかもしれないが、じつは学校長以下、ベテランの教師たちであっもこれはかなり難易度の高い課題。今は学校の繁忙期。こんな時に奇妙な難題を吹っ掛けられてしまった小学校の方こそ困惑するばかりで、学校によってはまさに「有難迷惑」そのものに違いない。

 当然、グローブを寄贈した大谷選手側にもかなり問題がありそうだ。日本での野球人気を少年野球の段階から盛り上げることが大谷選手の狙いのようだが、このやり方で本当に良かったのかどうかは疑念が残る。ただでさえ、大型の寄付は難しい。マイクロソフトの創設者ビル・ゲイツは寄付をするためだけの財団を立ち上げて大勢の検討のもとに寄付を行っている。大谷選手側にそうした熟慮があったとは思えない。

 大谷選手側のどこに問題があり、野球人気回復の方途はどうあるべきなのか、についても生徒から意見を募りたい。もちろん、野球人気の回復など学校側が特にする必要は無い、との意見が出るかもしれず、その場合はぜひ賛否を問いたい。

 

・野球離れの持つ意味

参考動画

【ゆっくり解説】ブラックすぎる…過酷な昭和の運動部の実態についてゆっくり解

 説! ゆっくり昭和の記憶  2021/10/31  11:14

 PL学園の野球部廃部に象徴されるブラック部活の問題は特に野球部の問題として注目された。部活動中の熱中症による死亡例の4分の1が野球部であることに示されるように、不合理な「しごき」が特訓とされてしまう風土がとりわけ野球界に蔓延していたのは間違いない。「ゆっくり解説」のシリーズは多少、うけ狙いの危うさが感じられるが、この動画は比較的バランス良く、偏りがあまり見られない点でオススメ。

 生徒たちには取っ付きやすい動画なので授業の導入として利用できるだろう。

【野球離れ】甲子園は高校生にとってベストなのか?20年で部員半減の厳しさも?

   スポーツ業界における野球の役割|《アベマで放送中》2022/05/14 12:43

【指導】「チームを強化するために」パワハラ解任の横浜高校元監督の失敗とは?

 安藤美姫が明かすコーチとの信頼関係と罵声?スポーツと体罰|2021/11/12 

 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 29:36

 安藤氏や夏野氏の意見に注目したい。頂点を目指すトップアスリートの世界では厳しい指導と暴言や体罰は紙一重であり、その場の状況や指導者と選手との信頼関係が問われてくる。必ずしも一律に外部から体罰や暴言が適用されるとなれば指導者側だけでなく選手側まで困惑しかねないだろう。しかし学校の部活動においては生徒達に退部の自由があるとは限らず、もはや指導者による暴言や体罰が許される余地はコンプライアンス重視の現在、ほぼなくなってきていると見て良いだろう。

参考記事

「どうか生徒たちへの誹謗中傷はお控え頂き」高校野球強豪校の監督が訴え、コー

 ルド敗退を受け投稿 まいどなニュース の意見 2024.9.17

 高校での討論型授業においては絶好の素材であろう。もちろんネット上での誹謗中傷の是非については今更生徒たちに訊くまでもあるまい。討論の議題とすべき課題はなぜ、今、甲子園球児への激しい誹謗中傷が起きてしまったのか、その原因追及の方であろう。

 おそらく甲子園という大舞台でテレビ放送され、都道府県の期待を一身に集めて行われるこの大会の意義、あるいは野球人気の低落の原因、部活動の意義、応援する側の過熱しがちな心理、マスコミによる煽り気味の報道のあり方、スポーツを含む日本の学校の勝利至上主義のあり方、プロ野球と高校野球との癒着構造…議論のテーマは広く拡散してしまうに違いない。

 しかし、今回はむしろ積極的に広く課題、問題発生の原因を探らせていくべきテーマとして取り上げても可。つまり一つの社会問題の背景に潜む、様々な課題を広い視野から逐次拾い上げていく練習を積むことの意義は決して小さくあるまい。これを授業目標のメインに据える時間があっても良いのではあるまいか。

 とすればここでそれぞれの課題を逐一深堀りする必要は必ずしも無く、後日、他のテーマの際にも同様の課題が指摘されたときにはあらためて深堀りする…といった展開でも良いと思うが、いかがか。

私立高校の野球部で監督らが暴言や暴行か…保護者会で謝罪 バドミントン部でも

 長崎市 日テレNEWS 2022.12.16

 スポーツ強豪校ではありがちな事件。1970年代に全盛期を迎えたスポ根アニメ、青春ドラマ、ホームドラマなどにつきものの体罰やしごきは今の60歳代の教師、さらにはその教え子の世代である50歳代、40歳代にも連綿として受け継がれている。結果を出さなければならないスポーツ強豪校にとっては極めて克服が難しい問題であろう。中学だけではなく高校でも運動部指導の民間委託を徹底させる方がこの問題をスピード解決するには最適なような気がするが、いかがだろう。

甲子園で長髪旋風! 非丸刈りチームの決勝進出が確定 「高校生らしくない」に著

 名人が反論「時代は常に変化」 ENCOUNT によるストーリー 2023.8.19

 この話題から入ると高野連や運動部の抱えてきた問題点を浮き彫りにしやすいだろ

う。まずは高校野球での「丸刈り」に対して賛否を問い、それぞれの理由を挙げさ

せてみたい。

高校生3人に1人、部活の大会で髪形注意された経験 「前髪上げろ」

 毎日新聞 によるストーリー 2023.12.15

 部活動の隠れた役割にも注目したい。

高校野球で「そんなの認めない」 ペッパーミルだけじゃない、審判の怒りを買っ

 た球児の行為  AERA dot. 2023.4.5

 討論のテーマとして格好の素材になるだろう。

球児よりヤバいのは審判・チアガール・吹奏楽・観客…夏の甲子園でバタバタ倒れ「熱

 中症死」が出る日 プレジデントオンライン 酒井 政人  2023.8.8

【甲子園】6回に土浦日大、上田西の両チームの選手が動けなくなりベンチに運ば

 れる 今大会から暑熱対策を実施 報知新聞社 によるストーリー 2023.8.6

もう夏の甲子園はやめませんか?高校野球を巡る諸問題はやめれば解決する

 Bpress 関 瑶子 によるストーリー 2023.8.5

 児童、生徒の野球離れに危機感を持つ野球関係者は多い。大リーグでの大谷翔平選

手の活躍はあるものの、ひと頃に比べれば日本の野球への関心は確かに低下しつつあるだろう。野球部員の人数がそろわずに他校との合同チームを組むことを余儀なくされ、ついには廃部に追い込まれる、などといった残念なケースが少子化の進展も手伝って徐々に数を増しているという。

 しかし高校教育における野球の問題点はそうした野球人気の陰りとは別の観点からもこれまで数多く指摘されてきた。高校にはスポーツ指導者の団体として体育科の教師を中核とする「高体連」があるが、なぜか野球だけは別格扱いで「高野連」という野球部顧問中心の教科枠を超えた組織が高校野球を仕切ってきた。

 そして野球部員たちにかつて丸刈りを事実上、強制してきた厳格な高野連ルールはこれまでも幾度か物議をかもしてきている。いわゆるブラック校則を側面から支えてきた高野連の体質には昔から多くの根深い問題があったとみられるのだ。

 実は高校教師の異動に際して高野連が介入する「高野連人事」がかつて普通に見られた。もちろん「高体連人事」もあるにはあったし、種目によってかなり事情は異なるだろうが、多くの場合、高野連ほど露骨ではなかったという個人的印象がある。皆さんの場合、いかがだろう。そこそこ有名な野球監督であるならば自ら望まない限り、野球部の存在しない女子高や定時制、通信制に異動することは私の記憶では一度も無かった。

 他方で私生活を犠牲にして野球指導に専心する顧問の負担は極めて過酷であり、自身の家庭生活や心身の破綻を招くことも少なからず見られた。すなわちブラック校則のみならず、職場としての学校のブラック化を側面から支えてきたのも実は高野連であったといえよう。

 ただの「野球バカ」が礼賛される時代はとっくの昔に終わっているのだ。野球人もまた「献身性の沼」にはまり続ける事の罪深さについて、少しは思いを巡らす時期に来ている。

 部活動過熱化の核として甲子園を頂点とする高校野球の勝利至上主義的あり方があったことは否めない。テレビ放映が地方大会レベルから行われ、高校野球の熱狂的なファンは全国に大勢ひしめいていた。

 野球人気が過熱する陰で根性論、鍛錬主義に基づく体罰や暴言、先輩による後輩へのしごきなどが当たり前のように繰り返されてきたのも間違いなく野球を始めとしたスポーツの世界である。50年以上前のアニメ「巨人の星」を見て育ったカッパたちはとりわけ、今となってはあまりにも行き過ぎた、アノ熱血指導をどうしても賛美しがちな世代であったと思われるが、皆さんはいかがだろう。

 夏の甲子園、春の選抜はそれぞれ朝日新聞と毎日新聞が高野連と共催し、ほとんどの試合は予選の地方大会も含めてNHKによってテレビ放映されている。予選を含めた試合での全校応援もまた多くの高校で見られた。まして甲子園出場ともなれば学校側は大規模な応援団を編成する必要に迫られる。当然、勝ち続ければ一千万単位の予算が必要となり、関係者は卒業生などに寄付を募るなど、甲子園大会は周囲の人々に様々な労力と金銭面での大きな負担をも強いてきた。

 他のスポーツではサッカーを除くと全国大会ですら学校が組織的に応援団を送ることは稀であり、テレビ放映もかなり限定的。高体連の各専門部の資金力も多くの種目では高野連とは比較にならないほど貧弱である。様々な面でのスポーツにおける種目間格差が、特に野球と比べた際の格差の大きさが教育における公平さを欠くのでは…などとかねてから学校現場では指摘されてきていた。近年は多少の改善が見られるものの、いまだに格差解消には程遠いのが実情である。

 マスコミ各社にはぜひこうした問題にも言及していただきたい。

53日間で休み1日だけ中学教諭の「過労死」 訴え認め約8300万円の支払い命

   じる 遺族の思いは 日テレNEWS によるストーリー 2023.7.6

日本の部活動は「滅私奉公」サラリーマンを育てる隠れカリキュラム

   ニューズウィーク日本版 によるストーリー 2024.5.30

 

 ふと気づくとそういえば一か月間、一日も休んでいなかった…若いころは疲れ気味の自分自身に対する思いやりなど持てず、有給休暇を一年間で一度もとっていないことを武勇伝であるかのように自慢する傾向が自分にもあったことは否めない。文化祭の準備でさえ午前様になることは珍しくなかった時代があったのだ。

   こうした先輩教師たちの武勇伝は美談化されることでおそらく後輩たちを相当追い詰めていただろう。無謀なまでの精神主義的根性論を柱とする心性は子供時代、「スポ根アニメ」の洗礼を浴び続けて育った、今や60代となっている元教師に多く見られたように思う。

   私などは間接的にではあるが、こうした過労死事件に心ならずも加担してしまった一員として深く反省しなければなるまい。