その45.市内の石段塔
古い石段の一番下、あるいは一番上の両脇に高さ30~50㎝ほどの小さな石柱が建てられていることがあります。そこには石段の造られた年号や石工名等が刻まれていることがあり、資料として極めて貴重であるため、見逃せない石造物の一つです。カッパが確認できているのは総数28基、市内最古の石段塔は今のところ中高根の常住寺のもので享保12年(1727)です。
重要だとはいえ、目立たない角柱塔でかなり小さいのでついつい見逃しがち。カッパも今まで呆れるほど何度も繰り返し見逃してしまいました。どうしても石段の上が気になってしまうものですが、石段を上る際は急がず、慌てず、何か文字が刻まれていないか、じっくりと用心深く確認したいものです。
村上の上下諏訪神社の石段には何と下の段から順に根本甚太郎、上総屋治助、丹波屋六兵衛と3人の石工の名が刻まれております。しかも石段塔自体が市内では最も立派な造りで、特に五井の丹波屋六兵衛がかかわった上の方の石段は市内でトップレベルの丁寧さを誇り、かつ頑丈な造りです。