その1.画一的、管理主義的教育の弊害
※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。
参考記事
◎米アカデミー賞ノミネート 日本の公立小学校を追った作品に欧米が驚き 監督が教育
法を取り上げた理由 AERA dot. 中村千晶 2025.3.16
集団の和や協調性を重視する日本の学校教育が、日本社会の規律正しさ、礼儀正しさ、相手への敬意、おもてなしの精神…など、様々な社会的美徳を生み出している点は確かにあるだろう。しかし、他方で個性の抑圧、自己主張の少なさや集団的なイジメなどの問題を生み出してしまう負の面も、日本の学校文化にはあるに違いない。いたずらに自己批判や自己卑下を繰り返すことは非生産的であるが、同時に自己満足や自己賛美に走ることも決して建設的ではないだろう。当然のことだが、社会的事象は多面的に評価する必要がある。
日本の公教育の良さは認めつつも、同時に多くの問題を抱えている点を見過ごすことは、日本のマスコミ報道として明らかに軽率の誹りを免れるものではないと考えるが、いかがか。
何事も一面的な観察だけでは社会事象への理解を深めることはできないはずだ。この映像作品を取り上げるマスコミ側の、薄っぺらで偏ったな日本の公教育への評価、理解が、このような片手落ちの安易な記事を書かせてしまっているようである。まさにこれこそが典型的なマスゴミ的記事なのではあるまいか。
個人を重視するあまり、公衆道徳が行き渡らず、他者への敬意を欠きがちなアメリカ社会からすれば日本の小学校教育を一面的に讃嘆する傾向になるのは理解できる側面がないわけではない。しかし日本のマスコミが欧米の称賛に軽々と乗せられてしまうとは実に恥ずかしく、「みっともない」の一言。
〇京都ノートルダム女子大、26年度以降の学生募集停止…29年3月で閉学見通し
読売新聞 2025.4.25
少子高齢化の進展に伴い、かなり以前から予測されていた事態ではあるが、令和5年度から定員割れを起こす大学が全体の過半数を超え、令和6年度にはその数がたちまち6割近くに達するという。この大学再編の驚異的なスピードには恐怖感すら覚えるかもしれない。しかもこの現象は大学の淘汰に留まるわけがない。当然、高校の淘汰も今後、一気に加速してくるだろう。
こうしたタイミングでの高校教育での無償化政策はとりわけ公立高校の淘汰をより一層、加速させるに違いあるまい。昨日、地方の知事たちが文科大臣に公立高校への助成を嘆願したそうだが、時すでに遅し…何を今さら、である。早くから予測できたはずのこの事態に、なぜこれまでしっかりと対応してこれなかったのか、その不明と怠慢をこそ行政側はきちんと反省すべきである。
今はむしろ高校における公教育の部分的衰退、撤退を前提とした施策が急がれるだろう。公教育を軸としてきた日本の初等教育、中等教育はとうとう「古くて貧しい」まま、ドン詰まりの状態で瀕死の時を迎えつつある。すなわち少子高齢化の副産物という他力本願的な側面を抱えつつ、日本社会の頑迷固陋の象徴であった公教育はようやく激動と再編の時代を迎えようとしているのだ。
これを絶好の好機と捉え、画一的管理主義の悪しき伝統に決然と別れを告げる覚悟が行政側には強く求められてくるだろう。
参考動画
◎【教育無償化は正しいのか?】教員の一番の悩みは「不幸せ」/無償化は私立に追
い風/AI時代の教育/受験は知的好奇心を奪う/主体性と自主性は違う/経済界と
金太郎飴/受験システムが崩壊する日/大学の統廃合
PIVOT 公式チャンネル 2025/02/22 36:41
◎【偏差値という幻想】「仕事ができる」と学歴は無関係/都市と地方の教育格差/
学力=考える力/テストスコアに意味はあるか?/部活動の意義/教員に求めすぎ
る/教育の働き方改革【日本再興ラストチャンス】
PIVOT 公式チャンネル 2025/03/01 23:55
高校の「無償化」の恩恵はさほど大きくはないだろう。ただし確実に言えることは今後、全国的に公立高校離れが加速し、公立高校の淘汰再編も加速するということ。これ自体は決して悪い事ではないが、私学の躍進が必ずしも教育の質の向上を約束しないという点には留意したい。
工藤氏が再三、強調しているように、私学が主体性と当事者性を育む教育を推進していけるのかどうかに注意したい。また高校教育の担い手が公立から私学に移ることが教育の質を高めていくことにつながるためには、とりあえず教育の画一的管理主義が緩和され、通信制を含む多様な教育手段を教育行政側が積極的に推進していくことが先決となると考えるが、いかがか。
◎【なぜ日本人は上司の言いなりになってしまう?】イノベーションと宗教の深い関
係 /反抗する国民ほど一人当たりGDPが高い/日本企業が成功するために必要な事
とは?【Business Skill Set】PIVOT 公式チャンネル 2024/07/17 27:01
同調圧力が高く、権威に弱い残念な日本人の現状を再生産している学校教育の悪しき役割についても考える良いきっかけになる動画。今、問題視されている日本企業の競争力や労働生産性の低下、低迷の原因として日本社会において本来は貴重な特性であるべき同調圧力に屈しない尖った個性を抑圧し、平準化してしまうことですっかり台無しにしてしまうような学校文化や企業文化が存在しているのでは…といった山口氏の指摘は相変わらず刺激的。
○【落合陽一】「なんでやねん!」と日本社会にツッコミまくるウスビ・サコ元大学
学長「日本は監視社会」「自由がない」日本の教育システムの問題点、欠けている
力を指摘!若者が自分の時代が一番大変と思う理由とは?
NewsPicks /ニューズピックス 2024/07/11 17:38
◎日直や掃除に給食当番…世界中で日本式教育が導入される理由「TOKKATSU」の意
義とは?イスラム教とも相性がいい?【クロ現】| NHK 2023/12/18 10:18
日本の学校教育の良さをまず外国との比較から簡単にピックアップしておきたい。そのためにはこの動画が役立つだろう。長所を列挙したら、次はそれぞれの長所がはらむ日本の学校教育の短所を掴ませたい。長所と短所はコインの表と裏の関係と同じく、表裏一体の関係にある。日本の学校の良さがそれぞれどんな短所と裏表の関係にあるのか、あらかじめ理解しておくと今後、議論を進めやすくなるだろう。
◎【改革】日本は先進国じゃない?資本市場が変わる?なぜ根回し主義?挑戦する起
業家どう育てる?夏野剛と考える|アベプラ
ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/11/23 17:09
日本の「失われた30年」を招いた本質的原因はズバリ、公教育の遅れだとする夏野氏の明快な指摘に共感する。公教育の使命を「保守」に絞り込んできたヒズミが日本社会の行き詰まり、低迷を招いている元凶なのだという共通理解が広く成立しなければ、この閉塞状態を打破することは難しいだろう。
参考記事
◎教員と学生が互いに首を絞め合う…「過剰管理」する日本の教育に決定的に足りな
いこと 現代ビジネス 谷頭 和希 2025.3.13
社会科の授業がどうあるべきなのか、考える上で非常に示唆に富む記事。高校でも3月中に、次年度の授業計画を教務に提出することになっている。それも学習指導要領準拠、教科書準拠であることを強いられる。年度末、年度当初の忙しさの中で結局、多くの教師は前年度の授業計画(他人が作成している場合も)を踏襲し、その内容は教科書の目次に少し色を付けただけのものとなる。しかも楽しい授業をする上では何の役にも立たない、こうした授業計画が、「順調」に消化できているかどうかを学期末に逐一、教務や教頭がチェックすることになっている。
学習指導要領が忠実に守られているのかどうか…実際には授業への監視を行う道具に過ぎない学習計画には、当然、教師たちの創意工夫がほとんど反映されていない。したがって授業の工夫に力を入れる教師たちの実際の授業では、計画とはかなり異なる展開となる事も少なくあるまい。まさに「面従腹背」が一部の現場では横行しているといって良いだろう。しかも「面従腹背」できる学校現場の方がむしろ生徒たちにとっては人気のある授業が出来ているのかもしれない。かつては教科書を面白く教えられる教師が評価されていたが、今や面白い授業を教科書と関連付けて教えられる教師の方が高く評価されるべき時代になっているのではあるまいか。
かつてアメリカでトランプとバイデンとが争う大統領選が行われていた際に、「現代社会」を教えていた新人の教師に選挙結果を予想させることも含めて大統領選を授業のネタとして取り上げることを提案したことがある。新人教師は私の指導を受けて早速、アメリカ大統領選の授業を始めたのだが、たちうまち体育科教師の方からそんな授業は生徒たちによろしくない…とのクレームが来てしまった。一体、何の資格、根拠があって他教科の教師がそうした介入をしてくるのか…まったく訳が分からない出来事だった(かつての村社会ではありがちなことだが…)。まさに今の学校は「監視社会」そのものなのだ。
体育科の老害教師が授業に介入してきた背景には、もしかすると社会科はただの暗記科目、との決めつけがあったのかもしれない。仮にただの暗記科目ならば確かにどちらが当選したのか、大統領選の結果だけ暗記すれば事は済む…そして今は大統領選の渦中であり、この授業は成立しない…という思考が働いたのではあるまいか。もしも、そうだとしたなら実に失礼な話である。社会科には知っての通り「考える力」も養う義務があるのだ。
たとえ「現代社会」と銘打っていても教科書が生徒たちの手に届くころには教科書のトピックス欄ですら過去の遺物に過ぎない。ネットで情報を手に入れている今時の高校生は最新の情報を扱おうとすらしない「現代社会」という科目の授業に大きな違和感があったに違いあるまい。ただでさえ「VUCA」と呼ばれる紆余曲折の激しい世界に、物事の結果だけ暗記する社会科の授業が一体、何の役に立つのか、教師自身がまず考えるべきなのだ。
大統領選の最中から授業は始まっていたので、当時は誰もが選挙の結末を知らない。当然、年間の授業計画にもアメリカ大統領選は挙げにくい。何がどうなって選挙結果がどう左右されるのかも不明…ベテラン教師だって不断の授業準備が必要となる非常に面倒なテーマなのだ。しかし「現代社会」という科目のテーマにはしっかりと沿う授業となるはずだった。18歳で選挙権が与えられた現在、高校生であっても決して最新の政治の動きに無関心であってはなるまい。
もちろんこうした授業には、下手をすると偏った、特定の価値観を生徒たちに押し付けてしまう危険性が少なからずある。なのでトランプ、バイデンの双方に一方的な肩入れをせずに、等間隔の距離をとってできるだけ公平に眺めることが心がけとして必要となるのは言うまでもあるまい。また、今なぜトランプが優勢(あるいは劣勢)なのか、原因について考えさせ、様々な意見を表明させたとしても、殊更に特定の意見をえこひいきするのはご法度である。つまり、こうした授業では生徒たちを一定の結論に誘導することだけは絶対的に避けるべきなのだ。むしろ多様な意見が自分たちの中にも存在する様をありありと実感させることこそ最優先すべきであろう。
以上のような作法が守られるのであるならば、教科書に載っていなくとも現時点で大きな話題となっている事柄を授業で扱うことは、むしろ極めて大切な取り組みであると考えるが、いかがか。
文科省も「働き方改革」をスローガンに掲げるのであるならば、学校の仕事が集中する最悪の時期に、わざわざ下らないだけで労力と時間ばかりを奪う授業計画や目標申告などを教師たちに強要すべきではあるまい。
〇生徒に開かれた校則作り求めた中学生の請願、市議会委「不採択に」
朝日新聞社 2025.1.22
この記事の奇妙な点は、中学生側に請願した理由を聞いておきながら、議会側が不採択とした理由をまったく説明していないという片手落ちの報道となっていること。なぜ、不採択としたのか、記者は幾人かの関係する市会議員に確認して回るべきだろう。こうした手抜きの取材は、生意気な中学生の出しゃばった行動…と見下すような老害議員を今後も蔓延らせかねないと考えるが、いかがか。
〇「学習指導要領」改定審議 初めてこどもの意見反映へ
日テレNEWS NNN 2024.12.24
様々な学校教育の課題が山積する中で、こんなことすら本来、責任官庁であるべき文科省ではこれまでただの一度も試みてこなかった情けなさ、あまりの不甲斐なさに泣けてくる。口先ばかり児童生徒の意見を尊重して「教育改革、学校改革、教師改革」を唱えてきた文科省の体たらくぶりに呆れ果てるしかあるまい。このことこそが現今の日本の停滞ぶりを示す大問題ではあるまいか。
学習者主権への関心の欠片すら持たない老害政治家、老害官僚、老害教師らが大手を振って跋扈してきた日本社会の致命的な老朽化こそ、真っ先に問われるべき国家的課題であることが、この問題でも鮮明となったと私は思うのだが、いかがであろう。
ぜひ、このニュースに関する生徒たちの反応を知りたい。
◎なぜ日本の学校から「いじめ」がなくならないのか「納得の理由」
現代ビジネス 現代新書編集部 2024.12.24
かつて「学校社会の当たり前、常識を疑え」といったようなキャッチフレーズで日本の学校教育への批判が盛んに叫ばれていた時代があった。そこには時折、無政府主義的な観点がやや感じられ、1990年前後の社会主義国崩壊とともに今や、日本の学校文化を全体主義的として批判する思潮はいったん記憶の遥かかなたに押しやられたように私には感じられる。とは言え、現代新書編集部が指摘する視点には決して「目からウロコ」的新奇さを感じられない。
現状ではイリイチらの脱学校論の影響力はほぼ消えつつあるように見受けられる。確かにイリイチを日本に紹介していた山本哲士氏らに難解な言葉遣いや左派特有の硬直した論調が多少、鼻につく面はあったに違いない。とは言え、戦後公教育が掲げてきた数々の美名の裏に潜む、ある種の全体主義的な洗脳教育、国家主義、管理主義の危険性を指摘していた点はそれなりの意義があったと思うが、いかがか。
私はこの問題の主な源流を、日本の教育予算の少なさと日本社会の同質性の高さの二つにもっぱら由来する、集団的な同調圧力、忖度圧力の強さに求められるように感じている。教育予算の少なさは敗戦後の混乱期にはある程度やむを得ない側面があっただろうが、1980年代後半のバブル期になっても日本の場合、先進国内では相変わらず予算が低く抑えられてきた。その結果、一クラスの児童生徒の定員数が先進国では突出して多い、という低劣な教育環境を経済大国でありながらいつまでも長く放置したままであった。教師への待遇も、トップクラスの先進国の割には十分に改善出来てこなかったと言えるだろう。当時、戦後日本の驚異的経済成長はこれまでの公教育が上手く機能している証拠であり、学校教育に対して現時点で特に予算措置を講ずるほどの問題点、改善点は見当たらない…といったような保守的思考が長らく教育関係者のみならず、政財界の主流だったのかもしれない。
常識的に見ても、40人以上の児童生徒を相手に一人の教師が、基本的にさほど面白くもない教科書的勉強を一方的に強いている日本の学校教育の構造は、不可避的にその現実的な対応、効率的手法として教師たちによる画一的、管理主義的一斉指導を招き寄せるに違いない。
また、記事で使われている同質性の高い日本社会を覆う全体主義的な「膜」の正体は、おそらく日本人の伝統的な心性として個々人の多様性や個性、人権を、無意識のうちに非効率で余分な要素として邪魔者扱い(多くのイジメはそこから生まれてくるだろう)する傾向がある反面、集団的な効率性、斉一性、統一性、画一性を偏重しがちな傾向の中に潜んでいると私は考える。日本の学校社会も例外ではなく、むしろ突出して全体主義的で、かつ極めて強固な「膜」に覆われているに違いない。
結果的に日本の学校教育がイジメ問題にうまく対応できないまま、いつまでも画一的発想、管理主義的一斉指導に偏ってしまうのも、ある意味で必然的と言えるのではあるまいか。
◎10年後「生き残る仕事」「なくなる仕事」の境界線 今後においてもAIにできないこと
は何か? 東洋経済オンライン 川村 秀憲 の意見 2024.4.13
…仕事は「意思決定」と「作業」に分解され、このうち「作業」に関しては、相当部分がAIに取って代わられる…「自分で何をするか決める仕事」は残り、「人から言われてやる仕事」はAIに取って代わられる…という時代の流れに沿った学校教育とは一体、どういうものだろう。ぜひ生徒たちに考えさせたい。
…「その人」だから価値があると感じているものは、AIには入り込めない領域…であるならば個性、多様性を尊重する教育がもっと必要となるだろう。
…AI時代の到来が本当に問うているのは、「あなたならどうするのか」ということだ…ならば自主的、自発的な言動がもっと尊重されなければなるまい。
…問題は、大企業や組織力の高い会社に入ったことで、仕組化の歯車のひとつとなって、属人化を排除する組織の文化や風土に慣れて…しまう事だとするならば、徹底的な校則の見直しだけでなく、学習自体をもっと個別最適化させ、自由化すべきだろう。押しつけがましい「授業」のあり方は否定されるべきであろう。
…これまで善とされてきた「標準化」「マニュアル化」はAIが担い、悪とされてきた「属人化」こそが私たちが生き残っていく術…であるならば、これまでの文科省の教育行政のあり方とは真逆に近い体制が再構築されなければなるまい。たとえば学習指導要領の大幅な見直し、画一的で管理主義的な教育の徹底的な刷新が求められるであろう。
◎小学校にもこんな「謎ルール」が 生活・服装・持ち物 先輩ママたちが驚いたリアル
な経験談 コクリコ編集部 の意見 2024.4.13
いきなり高校の校則問題に入るよりも、過去を検証する方が校則問題を検討するポイントがつかみやすく、生々しくないので意見も出やすいだろう。
◎小学校の「登校班」廃止か継続か 保護者を悩ませる、かつて好まれた「全員一律の
扱い」AERA dot. 大塚玲子 によるストーリー 2024.4.11
集団主義的行動を身につけさせる上でもそれなりの役割を果たしてきた集団登下校のあり方がコロナ禍を契機に見直されてきているらしい。生徒たちにとっては身近でとっつきやすいテーマであり、議論させるのに最適の記事だろう。集団登校のメリットとデメリットを挙げさせていきながら、登校班廃止の是非を問いたい。ただし都会と田舎の違いなどを個別に考慮しないと粗雑な議論となってしまうので当該学校の所在地の具体的な状況を踏まえた議論にしていきたい。
◎Nスペ「不登校」が大反響 教育現場・不登校経験者たちの〔徹底討論〕で分かった
学校に足りないもの・必要なもの コクリコ編集部 によるストーリー 2024.1.27
総論的な捉え方をさせたいときには役立つだろう。討論後のまとめ、として読ませてみても良いと思う。
〇「学びの多様化学校」が子どもの成長をそっと支えていた…記者が見た「東京・高
尾山学園」の取り組み 東京新聞 2024.1.28
こうした取り組みがはらむ危険性は「学びの多様化」をあくまで例外的な特例として狭く位置づけてしまうことで、他の圧倒的多数派に属する学校へは多様性を尊重する精神が十分には行き渡らなくなってしまう可能性が出てきてしまうことではあるまいか。学習指導要領や教科書検定制の持つ画一的で管理主義的性格を見直すことは今や教育行政機関だけではなく、すべての公立学校の急務となっている重要課題だと考えるが、いかがだろう。
○「よい教育が、押しつけられてできるのか」…自由でのびのびした小学校は、外部
通報を機に管理教育へ舵を切った 学習指導要領に少しでも沿わない独自授業は「不
適切」なのか 47NEWS によるストーリー 2024.5.20
教科書を読み、解説するだけの授業にはたして児童生徒たちはトキメキを感じてくれるだろうか。教師がときおり発するギャグの面白さだけが、授業の面白さだろうか。生徒たちにどんな授業を面白いと感じるのか、授業のどの部分に面白さを感じるのか、ぜひアンケートをとって確認してみたい。
〇ZEN大学に出願者1000人超、「N高校」「S高校」生徒が全体の半分…来年
4月に開学 読売新聞 2024.12.13
N高校以降の角川ドワンゴ学園の快進撃がついに大学教育にも及んできた。個別最適化学習を実現する上で最も有効だと思われるのが通信制というシステムであると考える。加えて学費の安さも大きな魅力であり、次年度はもっと多くの出願者を獲得するに違いあるまい。この躍進ぶりには日本の閉塞気味な学校のあり方を劇的に変えていく突破力と牽引力を感じる。今後の活躍と新しい展開に注目したい。
学校教育の問題点に関しては動画や記事も含めて膨大な資料が存在する。ここではYouTubeのオススメ動画やネット記事を紹介することをメインにした。教師によっては授業で扱いたくない、扱うべきではない、と考える方もおられるだろう。しかし日本社会の閉塞状況を生み出した張本人の一人、いや主犯格こそ、日本の学校教育であるとカッパは考えている。
不登校や非行問題に数多く直面してきた身ならば猶更、学校そのものを政治的、経済的、社会的テーマとして授業で扱うべきであろう。教育困難校の生徒が授業に真剣に取り組むきっかけを作る上でも避けては通れないテーマの一つである。
1.大川小学校の悲劇
日本の学校教育の不具合を考える授業の導入としてうってつけの事件であろう。生徒たちの積極的な発言を待ちたい。
参考動画
◎【なぜ子どもたちは避難できなかったのか】津波に襲われた大川小学校が“遺したも
の”【東日本大震災から12年】 ABCテレビニュース 2023/02/24 16:24
◎大川小事故説明会「言うなよ」というサインを送る教育課長
kl cc 2017/01/06 1:37
教育委員会による悪質な隠蔽、責任逃れの決定的瞬間が映像で明確に捉えられている。山に逃げるべきだといった小学6年生の意見を無視して最も危険な川に向かうルートを選んだ教頭以下、教職員の判断ミスは致命的。亡くなった教職員を責め立てることはもはや無意味としても、現場の判断ミスを招いた指導責任、管理責任は校長や教育委員会に問えるはず。この教育課長が体を張って保護者・遺族の追求から部下を庇った…と教育村の住人は思うかもしれないが、最優先されるべきは部下の立場などではなく、児童・生徒の命であり、教育課長の行動は卑劣というほかあるまい。
〇VOICES:東日本大震災8年 「あの日」に向き合い続ける元教諭
毎日新聞 2019/03/08 5:46
◎【東日本大震災】防災センターの悲劇を知っていますか?まさかの原因
人が死なない防災 2022/03/11 8:45
「なぜ子どもたちは避難できなかったのか」と合わせて視聴させたい。何か問題が生じたときには殊更、隠蔽と責任逃れが目立つ学校を含めた行政。その防災に関する指導・措置への信頼度はできるだけ低くしておいた方が今は無難だと考えておくべきだろう。学校はもはや信じるに足らぬ「伏魔殿」程度に思っておいた方が賢明だとすら思えてくるのが大川小学校の悲劇。
緊急時においてもただ唯々諾々と学校や教師たちの指導に従うのではなく、三陸海岸での「津波、てんでんこ」の言い伝え通り、生徒各自があくまで自分の身は自分で守る他に無い、という痛切な認識を持つよう、少なくとも保護者、児童生徒たちには周知徹底させておきたい。現在の学校はもはや、その程度でしかないのだ。
〇小学生136人を救った“父の教え”【#あれから私は】
TBS NEWS DIG Powered by JNN 2021/03/08 3:59
この小学校児童を津波から守ったのはここでも教師ではなかった。この一点に、マニュアルに縛られた教師たちの悲劇を感じる。教師養成教育を含め、日本はこのままで良いのか、厳しく問い直すべきだろう。さらなる大地震が予想される現在、学校の防災体制、危機管理の在り方、教師の意識…検討すべき課題は極めて多い。
〇「壮絶な体験をした子どもたち」~経験を未来につなぐ
TBS NEWS DIG Powered by JNN 2021/03/12 14:17
すっかり美談として定着していた「釜石の奇跡」の裏側に恐ろしい事実が隠されていた。実は小学生は最初、避難していなかったが、逃げる中学生の後を追うようにして小学生たちが勝手に逃げ始めたらしい。つまり仮に中学生が逃げなければ小学生はまともな指示すらできない教師たちとともに校内にとどまり、石巻の大川小学校と同じ悲劇を迎えていた可能性があるのだ。
自分でしっかりと判断できない児童が多い小学生を唯一守れる立場にあったのは教師たちであったはず。しかしここでも小学校の教師たちは管理職を含めて自らの判断で逃げることをしていなかったという事実が判明したわけだ。結局は釜石の件も石巻の件も、二つの小学校では判断すべき立場の教師たちがまともな判断をできなかったという点で共通していたのだ。これは大川小学校の悲劇が全国どこの小学校でも生じうる可能性を示しているということだ。果たして私たちはこんな状態の小学校にかけがえのないわが子の命を託すことができるのだろうか…今、国民すべてがそれぞれ自問自答を迫られているはずである。
〇【なぜ息子は命を失ったのか】津波に流され亡くなる・・・命を守る大切さを伝え続け
る両親の思い東日本大震災から12年【newsおかえり特集】
ABCテレビニュース 2023/03/10 16:34
これも自分で考え、判断する練習を蔑ろにしてきた日本の学校教育が招いた悲劇で
はないのか。その弊害は今の教師たちの指示待ち姿勢にも表れてしまっていると考えるべきだろう。罪深い教育である。
参考記事
◎大川小・津波訴訟、2人だけの弁護団でも勝てた理由 吉岡和弘弁護士インタビュー
弁護士ドットコムニュース 2023年05月25日
◎大川小・津波訴訟、行政の「組織的過失」にたどり着いた意義 吉岡和弘弁護士イン
タビュー 弁護士ドットコムニュース 2023.5.25
防災の在り方だけではなく、日本の教育行政の隠蔽体質や事なかれ主義、上意下達の弊害など、様々なテーマがこの事件には横たわっている。とはいえ「行政の組織的過失」がようやくにして最高裁で認められた事は画期的であり、今後、教育行政側に対しても様々な局面において「組織的過失」を厳しく問う動きが加速してくるかもしれない。
2.ブラック校則
◎「学生が髪を染めてはいけない訳」フェルミ研究所 2020.7.3 5:09
ブラック校則問題の導入として最適の動画。この動画は高校生の多くが知っているので親しみが持てるだろう。以下、授業で扱う際のポイントを整理してみた。
地毛登録証明書:都立高校のおよそ6割が利用 ←40年前は制服すら存在せず
つまり近年、学校では校則が人権侵害を疑われるほどに強化されてきた。
⇒「ブラック校則」問題表面化(ツーブロ、下着の色指定・・・)
・りんと先生の言い分を整理
りん 先生
人は見た目で判断してはいけない vs. 人は見た目で判断される
(倫理的判断) (現実的判断)
髪の毛を染めてはいけない理由が 校則に書いてあるからダメ
校則規定以外に見当たらない 社会通念上、仕方ないこと
=思考停止 大人と子どもでは適用される
斉一性を強制するのは間違い ルールが違う・・・年齢差別?
多様性や個性を尊重せよ 立場上、指導するほか無い
化粧禁止は年齢差別 ・・・学校のブラック化
(教師間のイジメ、過労など)
論点
・人は見た目をなぜ重視してしまうのか?・・・ルッキズムとの絡み
人はとりあえず、見た目で相手を評価してしまいがち。これは「ヒューリスティック」とよばれる手早く判断する際の手抜き思考に基づく。この手抜き思考は無意識的に働き、実践的で役立つこともあるため、人々の思考や判断に大きく作用する(⇒心理学1.錯視現象)。このため、偏見や差別の原因にもなりうる。また就職面接や合コンの際でも「見た目」は無視できない要素であるため、学校教育上でも「見た目」を軽視できない現実がある。
むしろ「人は他人を見た目でまずは判断している」という自覚が問題解決の出発点となるだろう。差別、偏見の分野で学んだように、人は差別や偏見を完全に無くすことはできない。ただし改善していくために人の認知、認識についてできるだけ自覚的であるよう、努力はすべきである。
ただし袋小路に入ってしまったかのような日本の学校教育を日本人の立場のままで客観的な視点から俯瞰して冷静に評価するのは極めて難しいだろう。これは欧米との比較がどうしても必要となるテーマである。
下記の「子どもの権利を考える…」動画も視聴させて、さらに意見を募りたい。
◎毛染めや化粧OKで風紀は乱れたのか…校則を試験的に廃止した県立高校 影響を検
証した生徒たちに“考える力” 東海テレビ NEWS ONE 2024/02/22 4:17
こちらも授業で使えそうな動画。ぜひ、討論の題材にしたい。なお番組の途中で校長が校則の自由化で学習が疎かになったり、学力が低下したりすることを懸念するような発言があったが、これはいかがだろう?児童生徒の学力低下等の原因は家庭環境を除くともっぱら教師の指導力、授業技術の問題であり、生徒たちの服装頭髪のあり方に起因する部分は限りなく小さいと思われるが、いかがか?
自分たちの指導力を不問にして生徒側にばかり、結果責任を押し付けようとするような校長の責任逃れのこざかしいズルサが垣間見えて実に恥ずかしい限りであり、教師として大人としてあまりにも情けない発言だろう。あたかも学力の維持と校則の見直しを交換条件とするかのような期間限定の校則の廃止なぞ百害あって一利なし。
まずはブラック校則がもたらすであろう生徒や学校、社会への害悪を様々な観点から直視し、深く理解していくことから校則見直しの議論をスタートすべきであると思うが、いかがか。
ただ時流に乗って深く考えもせずにブラック校則の見直しをしてしまうと、拙速のそしりを受けてしまうだろう。そんなことでは生徒も教師もブラック校則問題からほとんど何も学ぶことが出来なくなるに違いない。なぜ、日本はブラック校則を創り出してしまったのか、なぜ今、ブラック校則の見直しが急がれるのか、日本ではこれまでほとんど無視されてきたために学校文化になじんでこなかった子どもの権利条約をしっかりとにらみつつ、今こそ教師と生徒がこれらの問題の討議を通じて十分な時間をかけ、お互いに深く学んでいくべき時ではないのか。
※参考記事
○「ツーブロック禁止」校則減少、3年間で38校→1校に 千葉市教委 朝日新聞社 2024.9.26
どうせ千葉市の事である。多くの学校では生徒たちとの話し合いや意見表明の場を設けることも
なく、一方的に上から目線でツーブロを許可したのだろう。時流に乗っただけの取り組みは学校
に良い変化をもたらすことはあるまい。
◎生徒指導の手引き改訂 生徒が主導する「校則の見直し」【アサデス。】
福岡・佐賀 KBC NEWS 2022/09/15 8:20
ブラック校則を巡る議論にはいつも重大な視点の欠落を感じてしまう。これまでの短くは無かった期間、児童生徒たちだけがブラックな規則で縛られてきたのではあるまい。教師たちも極めてブラックな、多種多様な規則や慣習によって不自由な思いを味わってきたはずである。実際、教育公務員特例法、学習指導要領、検定教科書制度など、教師を縛り付けてきた様々な法制度が今も存在している。生徒との話し合いで校則を考える際、この視点が欠けていると校則の撤廃が一方的な上からの、ただの恩恵に過ぎなくなってしまうおそれがありはしまいか。
ブラック校則を生徒たちと話し合う上で教師たちもまた極めてブラックな法制度によって縛られてきた経緯をしっかりと生徒たちと共有すべきであると考えるが、いかがか。さすれば学校に関わるブラックな規則を変えていく事は決して生徒たちだけではなく、実は教師たち自身にも課せられている大きな課題、責務であることがお互いに理解できるだろう。
規則見直しの努力を生徒たちだけに丸投げしておいて教師たちだけが高みの見物を決め込んでいて良いはずがない。教師たちもまた生徒と同様にブラックな環境にいるのであり、お互いに部外者的立場にはいられないこと、それだけは、この際、はっきりさせておきたい。でなければいつまでたっても児童生徒および教師たちが学校教育の問題に対しての、主権者としての当事者意識を持つことは不可能なままであろう。
◎【進撃/鬼滅】この作品たちがいつまでも愛される理由を解説します 山田玲司の原
作が10倍おもしろくなる解説【山田玲司 切り抜き】 2023/04/21
制服の持つ現代的な意味について山田氏が説く解釈は非常に興味深く、面白い。ブラック校則的な観点から制服を批判するだけではなく、制服を身にまとったアニメキャラが今も人気を集めている背景に目を向ける必要を感じた。新鮮な観点から制服論争に一石を投ずる意義のある動画だろう。
◎子どもの権利を考える| 🇸🇪と🇯🇵の現場の違いや具体例 | 専門家へのインタビューも | 北欧在住ゆるトーク Nord-Labo 北欧研究室 2022/11/19 19:27
◎海外の人が驚く日本の学校が特別だと思う理由が衝撃的だったwww
MrFuji from Japan《目指せトリリンガル》 2023/06/24 30:05
特に部活動における違いは非常に参考となる。生徒による掃除など、日本の学校の良さにも注目できる。
○【アニメ】日本教育の闇!個性を伸ばさない義務教育に未来はない!?
テイコウペンギン 2019/11/10
◎歴史的偉人が現代人を論破するアニメ【第2弾】「規制は破滅を生む 老子」
ピヨピーヨ速報 2019/01/31 3:39
規制の現実的必要性と規制を強化することの弊害との関係性をどう考えるのか、討論の材料にうってつけの動画。特に中国の習近平政権やロシアのプーチン政権が持つ危険性を踏まえるとこの話題は学校教育の枠外にまで広げられるだろう。まずはこの動画を切り口にして日本の学校教育が抱えている負の要素を抉り出していきたい。
◎【番外編①】いまなぜ、教育現場でルールメイキングが必要なのか
みんなのルールメイキング 2022/04/01 1:02:08
多数決やアンケート結果で意見の集約を図る安易さ、危険性についてはあらかじめしっかりと理解しておくべきだろう。
◎【番外編②】ルールメイキングQ&A 先生のお悩み相談室
みんなのルールメイキング 2022/04/01 26:23
校則の見直しに関する疑問や不安にどう向き合っていくのか、大きなヒントになるだろう。特に姉崎高校の山村先生による取り組みが興味深い。まず手始めに世界史授業で学校教育の歴史や校則についての内容を取り込んだ事は校則見直しを進めていく上で極めて有効で重要なポイントだったと考える。
※参考記事
◎「どうせ無理」とつぶやく生徒たちを変えたブラック校則改正プロセス
Forbes JAPAN 太田美由紀 2022/11/04 08:30
これも姉崎高校の取り組みを紹介したもの。同校はかつて県内でもトップクラスの荒れた状況が
続き、退学者が毎年100人以上出ていた。そんな学校を立て直すために20年近く前、ある校長
が先頭に立って「ゼロトレランス」方針を打ち出し、妥協無しの厳しい生徒指導を行う事で一躍
有名になっていた。確かにこれ以後、暴力的な事件は少なくなり、おいおい就職指導にも力を入
れたことで生徒の荒れはほぼ収まり、同校は地域からの信頼を取り戻しつつあった。しかし学園
に平和を取り戻すことは出来たものの、学校から心なしか活気が消えてしまった感は否めなかっ
た。おそらくさらなる取り組みが必要な段階に至っていたのだろう。若い山村先生を中心とした
校則改正の取り組みは再び学校に活気をもたらし、生徒達を活性化させていくに違いあるまい。
ブラック校則を見直していくための一つの方策を具体的に示している点でも貴重な資料である。
◎日本人の「ダサさ」に影響を与えたのは「学校」だった…アメリカの教育との決定的な違い
現代ビジネス 中川 淳一郎 によるストーリー 2024.1.13
日本の学校教育の欠点が欧米の学校との比較で分かりやすく記されている。日本の校則・横並び
教育が「他人の目恐怖症」を作る…といった指摘は強い同調圧力を発揮する忖度社会を学校教育
が作り出している側面に注目させてくれる。
最も能力が低い者に合わせる「全員平等」のいびつ…もまた足並みをそろえることへの日本人
の異常なこだわりが生み出したものだろう。日本の経済的低迷を横目に、いろいろな問題を抱え
ながらもアメリカの経済的競争力は世界トップクラスを今も維持している。まさにイーロン・マ
スクのような「変人を認め、レールを外れても後ろ指をさされない社会」アメリカならではの実
績なのだろう。日本の学校教育の罪深さに思いを深く致さなければなるまい。
◎なぜ感想文がうまく書けないのか?正解に悩まされる日本人たち【ディスカバリー
レイジチャンネル】山田玲司のヤングサンデー 2023.4.17 10:31
読書感想文という国語科の課題がはらむ深刻な問題点として「自分を消されていく」危険性が挙げられている。この指摘に日本の学校教育の画一性がもたらす本質的欠陥が集約されているようで、とても説得力を感じる分析だと思うがいかがだろう。校則問題と普段の授業のあり方とは深いところでつながっているのかもしれない。
◎【学校給食】クラス全員で「いただきます。」のリスクを考える
ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 2022.10.19 15:35
比較的、生徒達から意見が出てきやすいテーマ。画一的で同調圧力の強い日本の学校が抱える個人の事情を無視しがちな傾向を最もよく反映するのが学校給食であろう。学校が集団生活を学び社会性を身につける場であるから給食も全員同じメニューであるべきだとする意見には当然、反論もある。食べ残しの問題や多様な食物アレルギーを持つ児童生徒が増えてきた現在の状況などをしっかりと踏まえさせて議論に持ち込みたい。
◎歴史的偉人が現代人を論破するアニメ【第19弾】「常識」とか言ってくる奴がなぜ
クソか、教えてやるよ デカルト ピヨピーヨ速報 2021/02/27 7:31
これも討論の題材に使える動画。教師が一方的に押しつけてくる大人社会の「常識」を疑ってみることこそが学問そのもの。学問を学ぶ学校であるにもかかわらず学問的な姿勢を失った学校文化やその担い手たちである教師に対しても疑問をぶつけたい。
参考記事
〇多様性への理解は重要だけれど・・・ 性自認の強要や適性の無視へと暴走する一部
の人たちも NEWSポストセブン によるストーリー 2024.1.7
「多様性の尊重」という美辞麗句だけが独り歩きし、暴走してしまうのは当然好ましくはない。ここで大切なのは個々人の選択を尊重する姿勢であり、特定の価値観を強要することではあるまい。こうした暴走が学校を舞台に生じてしまう背景に特定の価値観を押し付けてきた日本の学校の悪しき伝統がきちんと見直されることなく、今も健在である点を考えておく必要があるだろう。そもそも人権にかかわる内容を相変わらず「上意下達」で強制的に教え込んでいこうとする政治家や官僚たちの、人権を踏みにじるような姿勢自体がまさに老害問題そのものなのである。
◎教員の3割が「子どもの権利」の内容知らず、誤って理解している回答も 教員調査、約
半数が「子どもの権利教育」せず 2022/7/22 東洋経済education × ICT編集部
子どもの権利に対する教師の認知度の低さがブラック校則やイジメの隠蔽、体罰を日本の学校にはびこらせている背景にありそうだ。また画一的で管理主義的な教育行政に起因する学校社会の強い同調圧力、根強い一斉講義形式の授業の残存もまたブラック校則等を生み出す土壌となっているように思える。つまり教師や生徒の個性を軽視して多様性を圧殺する日本の伝統的学校体質がその根幹から見直されていかなければなるまい。そもそも教師の人権が十分な保障を受けられていない状況で生徒の人権だけが尊重される事など期待する方もおかしい。日本の教師の労働者としての人権保障がこれまであまりにも不十分であり、そのことに教師自体が鈍感になってきている…そしてこの時代遅れな教師たちの労働環境が子供たちの人権保障に対する鈍感な教育風土を醸成してきたと思えるが、いかがか。
◎「『中学生らしさ』なんて後出しで何とでも言える」元中学生教師がTwitterで“校
則へのモヤモヤ”を代弁する理由 文春オンライン
渋井 哲也 によるストーリー 2023.4.18
◎「男女交際を禁止する校則は違法」自主退学した元生徒の訴え 東京地裁、
「堀越学園」に97万円の賠償命令 ABEMA TIMES 2022.11.30
ここでは校則違反に退学処分を下した学校側の非を問うのではなく、むしろ「男女交際を禁じた校則は合理生の範囲内」と認定した東京地裁の判断の是非の方を問いたい。そもそも学校は生徒の学校外における行動をも制約できるのか、見直すべきではあるまいか。学校側はどこまで生徒達のプライバシー領域に立ち入ることが許されるのか、ぜひ討論させてみたい。
◎日本はなぜ幸福度が低いのか? キーワードは「寛容さ」
世界経済フォーラム ForbesJAPAN 2022/10/20 09:30
人生における選択の自由度の低さと他者への寛容性の低さが日本人の主観的幸福度を先進国最低のレベルとしている原因・・・だとすればその原因に大きく関わってしまっているのが多様な価値観を認めようとしない日本の画一的学校教育であろう。
◎日本人の「働く幸せ実感」、世界最低クラス!管理職だけが「幸福」な理由は?
国際比較調査で判明...「権威主義・責任回避」企業文化が元凶だ
J-CASTニュース の意見 2023.4.19
日本企業の組織文化は「上層部の決定にはとりあえず従う」「物事は事前の根回しによって決定される」といった「権威主義・責任回避」が、ほかの国々に比べて比較的高い傾向にあるのが特徴だという。仮に日本の学校文化が日本企業の文化と極めて親和的であるという仮説を前提とするならば、この調査結果は当然、日本の学校教育の反省材料ともなりうるものだろう。大川小学校の悲劇はそんな組織文化が生み出したものではなかったか。イジメや不登校、若者の自殺率の増加にこれまでの学校教育がどれだけ悪い意味で寄与してきたのか…やはり多方面から見直していくべきではないのか。
◎「校則」は誰のためにあるのか――対立するのはいけないこと?
ダイヤモンド社教育情報 真下麻里子 2022/09/29 06:00
◎金髪の転校生が来た→校則撤廃! 工藤勇一校長の学校改革秘話
毎日新聞 2022.12.6
ブラック校則問題を論理的に理解する上で役立つ。
○いじめ訴えた日記に担任が「花マル」つけ返却 父親が学校側を提訴
毎日新聞 によるストーリー 2024.5.9
教師がイジメに加担してイジメの被害者をさらに追い込んでしまう事件は遡れば1986年の中野区富士見中での「葬式ごっこ」以来、数多くないものの連綿として続いており、後を絶つことは無いように思える。
教師の中には集団内での支配的なムードを忖度することに長けた者こそ社会性に優れた人物とみなす傾向が多かれ少なかれ見られるだろう。グループ内のムードを壊す者を不適格者として排除しようとする気分が児童生徒だけでなく、教師集団を含めた学校全体に蔓延しているのだ。
これもまた個性や多様性を軽視し、画一的で管理主義的、集団主義的な日本の学校教育の体質が生み出してきた弊害だと考えるが、いかがだろう。
◎「いじめ」1割増、過去最多の68万件…重大事態923件・「指導死」は2人
読売新聞 によるストーリー 2023.10.4
いじめも不登校も小中高生の自殺も増え続けている。これらの問題に対して政府の無能ぶりが際立ってきているのだ。子どもや若者に無関心な老害政治家がはびこっている日本の政界が、現実を直視し、未来を見通す力を失っていることはもはや疑いようがない。このままではこの国の行く末がいかに暗く厳しいものになるか、はっきりと明示されていると覚悟すべきだろう。
なぜイジメ、不登校、小中高生の自殺が増えているのか、その原因と対策についてまずはできるだけ数多く、挙げさせてみたい。そしてこの分野の学習の最後でまたまったく同じ質問をしてみたい。
3.体罰、虐待について
◎体罰95%から2%になったスウェーデン、体罰のないしつけに大事な3つ!|
北欧在住ゆるトーク Nord-Labo 北欧研究室 2022/09/17 21:11
子供との粘り強い対話を重視するスウェーデンの子育てと学校教育の在り方が1970年代まではびこってきた体罰の根絶に大きな役割を果たしていたようだ。子供達の意見にしっかりと耳を傾ける大人達の姿勢が子供達の自己肯定感を支え、積極的な社会参加を促してきた側面にも注目したい。こうした大人社会の忍耐強い努力の積み重ねが他者と多様性を重んじる北欧の福祉社会存続の軸とされてきた事に畏敬の念を覚える。さて、日本はいかが…
◎[サイエンスZERO] 体罰や暴言で傷つく子どもの脳 回復させる方法とは? |
“子どもの脳”を守れ 脳科学が子育てを変える | 2021/08/11 NHK 4:47
虐待やネグレクト、体罰や暴言が脳に大きなダメージを与えてしまう事は誰もが知っておかなければなるまい。
◎ニコ生×BLOGOS 体罰・指導死・教師の鬱...どうする日本の教育現場!
BLOGOSチャンネル 2013/02/01 1:21:16
古い動画だが、体罰が教育的指導の一つとして成立し難くなってきた経緯を含め、現在の学校が直面している種々の問題をこれほど包括的に分かりやすく説明してくれる動画は意外に少なく思える。特に若い教師にとってこの動画は極めて貴重であろう。宮台氏と藤井氏の解説は10年近く経った現在もまったく色褪せない的確さに満ちているように思うがいかがか。イジメの対応に関しても首長の積極的介入などが問われざるを得ないほどに学校教育村の自浄能力がほとんど失われているという指摘は間違いなく現在にも当てはまる。これまで学校が自らの努力でほとんど何一つと言って良いほど変われて来なかった点に情けなさを強く感じないわけにはいかない。当然の事ではあるが、そんな学校に「教育の中立性」を云々する資格は無い、と言われても仕方あるまい。
学校の聖域化が進み、市民社会からかけ離れてすっかり自閉してしまった、まさに村社会としての教員社会における常識はもはや完全な時代遅れの硬直化した因習に過ぎないのだ。しかしそうした異常な事態に教師自体が一刻も早く気付けるような時間的、精神的、身体的ゆとりが今の学校にはそもそも切実に欠損している・・・その事こそ、現代日本における最大の教育問題なのかもしれない。
○私立高校の野球部で監督らが暴言や暴行か…保護者会で謝罪 バドミントン部でも…
長崎市 日テレNEWS 2022.12.16
スポーツ強豪校ではありがちな事件。1970年代に全盛期を迎えたスポ根アニメ、青春ドラマ、ホームドラマなどにつきものの体罰やしごきは今の60歳代の教師、さらにはその教え子の世代である50歳代、40歳代にも連綿として受け継がれている。結果を出さなければならない私立のスポーツ強豪校にとっては極めて克服が難しい問題であろう。中学だけではなく高校でも運動部指導の民間委託を徹底させる方がこの問題をスピード解決するには最適なような気がするが、いかがだろう。
◎【体罰教員】生徒の背骨を折った柔道部顧問が逮捕 過去に3度処分もなぜ現場に?
体罰・指導ではなく暴行事件とすべきの指摘も【教育】|#アベプラ《アベマで放
送中》 2020/10/15 ABEMAニュース【公式】 19:04
内田氏が指摘する体罰を容認する学校の体質とは何だろう。実際、どの学校でも生徒指導部主任に体罰容認派の教師がつくことが多いのは事実である。また生徒指導部の多くは運動部顧問であり、体育教師が多い傾向があるのも否めないだろう。特に剣道や柔道の顧問が生徒指導の中心となる率は極めて高い。敗戦後、GHQによって禁じられた武道が近年、中学校で必修化された歴史的経緯も探る必要がある。確かに夏野氏の体育教師に対する不信感と体育不要論は極論に聞こえるが、果たして公平に見て実際、どうなのだろう。討論の俎上に載せてみたいテーマである。
◎【指導】「チームを強化するために」パワハラ解任の横浜高校元監督の失敗とは?
安藤美姫が明かすコーチとの信頼関係と罵声?スポーツと体罰|2021/11/12
ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 29:36
安藤氏や夏野氏の意見に注目したい。頂点を目指すトップアスリートの世界では厳しい指導と暴言や体罰は紙一重であり、その場の状況や指導者と選手との信頼関係が問われてくる。必ずしも一律に外部から体罰や暴言が適用されるとなれば指導者側だけでなく選手側まで困惑しかねないだろう。しかし学校の部活動においては生徒達に退部の自由があるとは限らず、もはや指導者によるこれまでのような暴言や体罰が許される余地はほぼなくなってきていると見て良いだろう。
参考記事
○体罰処分の教員、大阪市が全国最多 市立学校で8年間798人
毎日新聞 2022.12.22
イジメ事件隠蔽で度々注目を集める大阪だが、教員の体罰処分全国最多を誇るのも同じ大阪市であるという。大阪市教育委員会の闇は深い。
後編に続く