その1.画一的、管理主義的教育の弊害

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

参考動画 

日直や掃除に給食当番…世界中で日本式教育が導入される理由「TOKKATSU」の意

   義とは?イスラム教とも相性がいい?【クロ現】| NHK  2023/12/18 10:18

   日本の学校教育の良さをまず外国との比較から簡単にピックアップしておきたい。そのためにはこの動画が役立つだろう。長所を列挙したら、次はそれぞれの長所がはらむ日本の学校教育の短所を掴ませたい。長所と短所はコインの表と裏の関係と同じく、表裏一体の関係にある。日本の学校の良さがそれぞれどんな短所と裏表の関係にあるのか、あらかじめ理解しておくと今後、議論を進めやすくなるだろう。

【改革】日本は先進国じゃない?資本市場が変わる?なぜ根回し主義?挑戦する起 

 業家どう育てる?夏野剛と考える|アベプラ

 ABEMA Prime #アベプラ【公式】 2023/11/23  17:09

 日本の「失われた30年」を招いた本質的原因はズバリ、公教育の遅れだとする夏野氏の明快な指摘に共感する。公教育の使命を「保守」に絞り込んできたヒズミが日本社会の行き詰まり、低迷を招いている元凶なのだという共通理解が広く成立しなければ、この閉塞状態を打破することは難しいだろう。

参考記事

10年後「生き残る仕事」「なくなる仕事」の境界線 今後においてもAIにできないこと

 は何か? 東洋経済オンライン 川村 秀憲 の意見 2024.4.13

 …仕事は「意思決定」と「作業」に分解され、このうち「作業」に関しては、相当部分がAIに取って代わられる…「自分で何をするか決める仕事」は残り、「人から言われてやる仕事」はAIに取って代わられる…という時代の流れに沿った学校教育とは一体、どういうものだろう。ぜひ生徒たちに考えさせたい。

 …「その人」だから価値があると感じているものは、AIには入り込めない領域…であるならば個性、多様性を尊重する教育がもっと必要となるだろう。

 …AI時代の到来が本当に問うているのは、「あなたならどうするのか」ということだ…ならば自主的、自発的な言動がもっと尊重されなければなるまい。

 …問題は、大企業や組織力の高い会社に入ったことで、仕組化の歯車のひとつとなって、属人化を排除する組織の文化や風土に慣れて…しまう事だとするならば、徹底的な校則の見直しだけでなく、学習自体をもっと個別最適化させ、自由化すべきだろう。押しつけがましい「授業」のあり方は否定されるべきであろう。

 …これまで善とされてきた「標準化」「マニュアル化」はAIが担い、悪とされてきた「属人化」こそが私たちが生き残っていく術…であるならば、これまでの文科省の教育行政のあり方とは真逆に近い体制が再構築されなければなるまい。たとえば学習指導要領の大幅な見直し、画一的で管理主義的な教育の徹底的な刷新が求められるであろう。

小学校にもこんな「謎ルール」が 生活・服装・持ち物 先輩ママたちが驚いたリアル

 な経験談 コクリコ編集部 の意見 2024.4.13

 いきなり高校の校則問題に入るよりも、過去を検証する方が校則問題を検討するポイントがつかみやすく、生々しくないので意見も出やすいだろう。

小学校の「登校班」廃止か継続か 保護者を悩ませる、かつて好まれた「全員一律の

 扱い」AERA dot. 大塚玲子 によるストーリー 2024.4.11

 集団主義的行動を身につけさせる上でもそれなりの役割を果たしてきた集団登下校のあり方がコロナ禍を契機に見直されてきているらしい。生徒たちにとっては身近でとっつきやすいテーマであり、議論させるのに最適の記事だろう。集団登校のメリットとデメリットを挙げさせていきながら、登校班廃止の是非を問いたい。ただし都会と田舎の違いなどを個別に考慮しないと粗雑な議論となってしまうので当該学校の所在地の具体的な状況を踏まえた議論にしていきたい。

Nスペ「不登校」が大反響 教育現場・不登校経験者たちの〔徹底討論〕で分かっ

 学校に足りないもの・必要なもの コクリコ編集部 によるストーリー 2024.1.27

 総論的な捉え方をさせたいときには役立つだろう。討論後のまとめ、として読ませてみても良いと思う。

「学びの多様化学校」が子どもの成長をそっと支えていた…記者が見た「東京・高

   尾山学園」の取り組み 東京新聞 2024.1.28

 こうした取り組みがはらむ危険性は「学びの多様化」をあくまで例外的な特例として狭く位置づけてしまうことで、他の圧倒的多数派に属する学校へは多様性を尊重する精神が十分には行き渡らなくなってしまう可能性が出てきてしまうことではあるまいか。学習指導要領や教科書検定制の持つ画一的で管理主義的性格を見直すことは今や教育行政機関だけではなく、すべての公立学校の急務となっている重要課題だと考えるが、いかがだろう。

「よい教育が、押しつけられてできるのか」…自由でのびのびした小学校は、外部

 通報を機に管理教育へ舵を切った 学習指導要領に少しでも沿わない独自授業は「不

 適切」なのか 47NEWS によるストーリー 2024.5.20

 教科書を読み、解説するだけの授業にはたして児童生徒たちはトキメキを感じてくれるだろうか。教師がときおり発するギャグの面白さだけが、授業の面白さだろうか。生徒たちにどんな授業を面白いと感じるのか、授業のどの部分に面白さを感じるのか、ぜひアンケートをとって確認してみたい。

 

 学校教育の問題点に関しては動画や記事も含めて膨大な資料が存在する。ここではYouTubeのオススメ動画やネット記事を紹介することをメインにした。教師によっては授業で扱いたくない、扱うべきではない、と考える方もおられるだろう。しかし日本社会の閉塞状況を生み出した張本人の一人、いや主犯格こそ、日本の学校教育であるとカッパは考えている。

 不登校や非行問題に数多く直面してきた身ならば猶更、学校そのものを政治的、経済的、社会的テーマとして授業で扱うべきであろう。教育困難校の生徒が授業に真剣に取り組むきっかけを作る上でも避けては通れないテーマの一つである。

 

1.大川小学校の悲劇

 日本の学校教育の不具合を考える授業の導入としてうってつけの事件であろう。生徒たちの積極的な発言を待ちたい。

参考動画

【なぜ子どもたちは避難できなかったのか】津波に襲われた大川小学校が“遺したも

 の”【東日本大震災から12年】 ABCテレビニュース  2023/02/24  16:24

大川小事故説明会「言うなよ」というサインを送る教育課長

 kl cc  2017/01/06 1:37

 教育委員会による悪質な隠蔽、責任逃れの決定的瞬間が映像で明確に捉えられている。山に逃げるべきだといった小学6年生の意見を無視して最も危険な川に向かうルートを選んだ教頭以下、教職員の判断ミスは致命的。亡くなった教職員を責め立てることはもはや無意味としても、現場の判断ミスを招いた指導責任、管理責任は校長や教育委員会に問えるはず。この教育課長が体を張って保護者・遺族の追求から部下を庇った…と教育村の住人は思うかもしれないが、最優先されるべきは部下の立場などではなく、児童・生徒の命であり、教育課長の行動は卑劣というほかあるまい。

VOICES:東日本大震災8年 「あの日」に向き合い続ける元教諭

 毎日新聞  2019/03/08 5:46

【東日本大震災】防災センターの悲劇を知っていますか?まさかの原因

 人が死なない防災 2022/03/11 8:45

 「なぜ子どもたちは避難できなかったのか」と合わせて視聴させたい。何か問題が生じたときには殊更、隠蔽と責任逃れが目立つ学校を含めた行政。その防災に関する指導・措置への信頼度はできるだけ低くしておいた方が今は無難だと考えておくべきだろう。学校はもはや信じるに足らぬ「伏魔殿」程度に思っておいた方が賢明だとすら思えてくるのが大川小学校の悲劇。

 緊急時においてもただ唯々諾々と学校や教師たちの指導に従うのではなく、三陸海岸での「津波、てんでんこ」の言い伝え通り、生徒各自があくまで自分の身は自分で守る他に無い、という痛切な認識を持つよう、少なくとも保護者、児童生徒たちには周知徹底させておきたい。現在の学校はもはや、その程度でしかないのだ。

小学生136人を救った“父の教え”【#あれから私は】

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2021/03/08 3:59

 この小学校児童を津波から守ったのはここでも教師ではなかった。この一点に、マニュアルに縛られた教師たちの悲劇を感じる。教師養成教育を含め、日本はこのままで良いのか、厳しく問い直すべきだろう。さらなる大地震が予想される現在、学校の防災体制、危機管理の在り方、教師の意識…検討すべき課題は極めて多い。

「壮絶な体験をした子どもたち」~経験を未来につなぐ

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2021/03/12 14:17

 すっかり美談として定着していた「釜石の奇跡」の裏側に恐ろしい事実が隠されていた。実は小学生は最初、避難していなかったが、逃げる中学生の後を追うようにして小学生たちが勝手に逃げ始めたらしい。つまり仮に中学生が逃げなければ小学生はまともな指示すらできない教師たちとともに校内にとどまり、石巻の大川小学校と同じ悲劇を迎えていた可能性があるのだ。

 自分でしっかりと判断できない児童が多い小学生を唯一守れる立場にあったのは教師たちであったはず。しかしここでも小学校の教師たちは管理職を含めて自らの判断で逃げることをしていなかったという事実が判明したわけだ。結局は釜石の件も石巻の件も、二つの小学校では判断すべき立場の教師たちがまともな判断をできなかったという点で共通していたのだ。これは大川小学校の悲劇が全国どこの小学校でも生じうる可能性を示しているということだ。果たして私たちはこんな状態の小学校にかけがえのないわが子の命を託すことができるのだろうか…今、国民すべてがそれぞれ自問自答を迫られているはずである。

【なぜ息子は命を失ったのか】津波に流され亡くなる・・・命を守る大切さを伝え続け

 る両親の思い東日本大震災から12年【newsおかえり特集】

 ABCテレビニュース  2023/03/10  16:34

 これも自分で考え、判断する練習を蔑ろにしてきた日本の学校教育が招いた悲劇で

はないのか。その弊害は今の教師たちの指示待ち姿勢にも表れてしまっていると考えるべきだろう。罪深い教育である。

参考記事

大川小・津波訴訟、2人だけの弁護団でも勝てた理由 吉岡和弘弁護士インタビュー

 弁護士ドットコムニュース 2023年05月25日

大川小・津波訴訟、行政の「組織的過失」にたどり着いた意義 吉岡和弘弁護士イン

 タビュー 弁護士ドットコムニュース 2023.5.25

 防災の在り方だけではなく、日本の教育行政の隠蔽体質や事なかれ主義、上意下達の弊害など、様々なテーマがこの事件には横たわっている。とはいえ「行政の組織的過失」がようやくにして最高裁で認められた事は画期的であり、今後、教育行政側に対しても様々な局面において「組織的過失」を厳しく問う動きが加速してくるかもしれない。

 

2.ブラック校則

「学生が髪を染めてはいけない訳」フェルミ研究所 2020.7.3 5:09

 ブラック校則問題の導入として最適の動画。この動画は高校生の多くが知っているので親しみが持てるだろう。以下、授業で扱う際のポイントを整理してみた。

地毛登録証明書:都立高校のおよそ6割が利用 ←40年前は制服すら存在せず

  つまり近年、学校では校則が人権侵害を疑われるほどに強化されてきた

  ⇒「ブラック校則」問題表面化(ツーブロ、下着の色指定・・・)

・りんと先生の言い分を整理

      りん                先生

人は見た目で判断してはいけない  vs.  人は見た目で判断される

(倫理的判断)               (現実的判断)

髪の毛を染めてはいけない理由が       校則に書いてあるからダメ

校則規定以外に見当たらない         社会通念上、仕方ないこと

=思考停止                 大人と子どもでは適用される

斉一性を強制するのは間違い         ルールが違う・・・年齢差別?

多様性や個性を尊重せよ           立場上、指導するほか無い

化粧禁止は年齢差別             ・・・学校のブラック化

                     (教師間のイジメ、過労など)

論点

・人は見た目をなぜ重視してしまうのか?・・・ルッキズムとの絡み

 人はとりあえず、見た目で相手を評価してしまいがち。これは「ヒューリスティック」とよばれる手早く判断する際の手抜き思考に基づく。この手抜き思考は無意識的に働き、実践的で役立つこともあるため、人々の思考や判断に大きく作用する(⇒心理学1.錯視現象)。このため、偏見や差別の原因にもなりうる。また就職面接や合コンの際でも「見た目」は無視できない要素であるため、学校教育上でも「見た目」を軽視できない現実がある。

 むしろ「人は他人を見た目でまずは判断している」という自覚が問題解決の出発点となるだろう。差別、偏見の分野で学んだように、人は差別や偏見を完全に無くすことはできない。ただし改善していくために人の認知、認識についてできるだけ自覚的であるよう、努力はすべきである。

 ただし袋小路に入ってしまったかのような日本の学校教育を日本人の立場のままで客観的な視点から俯瞰して冷静に評価するのは極めて難しいだろう。これは欧米との比較がどうしても必要となるテーマである。

 下記の「子どもの権利を考える…」動画も視聴させて、さらに意見を募りたい。

子どもの権利を考える| 🇸🇪と🇯🇵の現場の違いや具体例 | 専門家へのインタビューも |  北欧在住ゆるトーク Nord-Labo 北欧研究室  2022/11/19 19:27 

海外の人が驚く日本の学校が特別だと思う理由が衝撃的だったwww

   MrFuji from Japan《目指せトリリンガル》 2023/06/24  30:05

   特に部活動における違いは非常に参考となる。生徒による掃除など、日本の学校の良さにも注目できる。

【アニメ】日本教育の闇!個性を伸ばさない義務教育に未来はない!?

 テイコウペンギン 2019/11/10

歴史的偉人が現代人を論破するアニメ【第2弾】「規制は破滅を生む 老子」 

 ピヨピーヨ速報 2019/01/31 3:39

 規制の現実的必要性と規制を強化することの弊害との関係性をどう考えるのか、討論の材料にうってつけの動画。特に中国の習近平政権やロシアのプーチン政権が持つ危険性を踏まえるとこの話題は学校教育の枠外にまで広げられるだろう。まずはこの動画を切り口にして日本の学校教育が抱えている負の要素を抉り出していきたい。

【番外編①】いまなぜ、教育現場でルールメイキングが必要なのか

 みんなのルールメイキング 2022/04/01 1:02:08

 多数決やアンケート結果で意見の集約を図る安易さ、危険性についてはあらかじめしっかりと理解しておくべきだろう。

【番外編②】ルールメイキングQ&A 先生のお悩み相談室

 みんなのルールメイキング  2022/04/01 26:23

 校則の見直しに関する疑問や不安にどう向き合っていくのか、大きなヒントになるだろう。特に姉崎高校の山村先生による取り組みが興味深い。まず手始めに世界史授業で学校教育の歴史や校則についての内容を取り込んだ事は校則見直しを進めていく上で極めて有効で重要なポイントだったと考える。

 ※参考記事

  「どうせ無理」とつぶやく生徒たちを変えたブラック校則改正プロセス

    Forbes JAPAN 太田美由紀 2022/11/04 08:30

   これも姉崎高校の取り組みを紹介したもの。同校はかつて県内でもトップクラスの荒れた状況が

   続き、退学者が毎年100人以上出ていた。そんな学校を立て直すために20年近く前、ある校長

   が先頭に立って「ゼロトレランス」方針を打ち出し、妥協無しの厳しい生徒指導を行う事で一躍

   有名になっていた。確かにこれ以後、暴力的な事件は少なくなり、おいおい就職指導にも力を入

   れたことで生徒の荒れはほぼ収まり、同校は地域からの信頼を取り戻しつつあった。しかし学園

   に平和を取り戻すことは出来たものの、学校から心なしか活気が消えてしまった感は否めなかっ

   た。おそらくさらなる取り組みが必要な段階に至っていたのだろう。若い山村先生を中心とした

   校則改正の取り組みは再び学校に活気をもたらし、生徒達を活性化させていくに違いあるまい。

   ブラック校則を見直していくための一つの方策を具体的に示している点でも貴重な資料である。

      ◎日本人の「ダサさ」に影響を与えたのは「学校」だった…アメリカの教育との決定的な違い 

   現代ビジネス 中川 淳一郎 によるストーリー 2024.1.13

   日本の学校教育の欠点が欧米の学校との比較で分かりやすく記されている。日本の校則・横並び

   教育が「他人の目恐怖症」を作る…といった指摘は強い同調圧力を発揮する忖度社会を学校教育

   が作り出している側面に注目させてくれる。

    最も能力が低い者に合わせる「全員平等」のいびつ…もまた足並みをそろえることへの日本人

   の異常なこだわりが生み出したものだろう。日本の経済的低迷を横目に、いろいろな問題を抱え

   ながらもアメリカの経済的競争力は世界トップクラスを今も維持している。まさにイーロン・マ

   スクのような「変人を認め、レールを外れても後ろ指をさされない社会」アメリカならではの実

   績なのだろう。日本の学校教育の罪深さに思いを深く致さなければなるまい。

なぜ感想文がうまく書けないのか?正解に悩まされる日本人たち【ディスカバリー

 レイジチャンネル】山田玲司のヤングサンデー  2023.4.17  10:31

 読書感想文という国語科の課題がはらむ深刻な問題点として「自分を消されていく」危険性が挙げられている。この指摘に日本の学校教育の画一性がもたらす本質的欠陥が集約されているようで、とても説得力を感じる分析だと思うがいかがだろう。校則問題と普段の授業のあり方とは深いところでつながっているのかもしれない。

【学校給食】クラス全員で「いただきます。」のリスクを考える

 ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】 2022.10.19 15:35

 比較的、生徒達から意見が出てきやすいテーマ。画一的で同調圧力の強い日本の学校が抱える個人の事情を無視しがちな傾向を最もよく反映するのが学校給食であろう。学校が集団生活を学び社会性を身につける場であるから給食も全員同じメニューであるべきだとする意見には当然、反論もある。食べ残しの問題や多様な食物アレルギーを持つ児童生徒が増えてきた現在の状況などをしっかりと踏まえさせて議論に持ち込みたい。

歴史的偉人が現代人を論破するアニメ【第19弾】「常識」とか言ってくる奴がなぜ

 クソか、教えてやるよ デカルト ピヨピーヨ速報 2021/02/27 7:31

 これも討論の題材に使える動画。教師が一方的に押しつけてくる大人社会の「常識」を疑ってみることこそが学問そのもの。学問を学ぶ学校であるにもかかわらず学問的な姿勢を失った学校文化やその担い手たちである教師に対しても疑問をぶつけたい。

参考記事

多様性への理解は重要だけれど・・・ 性自認の強要や適性の無視へと暴走する一部

   の人たちも NEWSポストセブン によるストーリー  2024.1.7

  「多様性の尊重」という美辞麗句だけが独り歩きし、暴走してしまうのは当然好ましくはない。ここで大切なのは個々人の選択を尊重する姿勢であり、特定の価値観を強要することではあるまい。こうした暴走が学校を舞台に生じてしまう背景に特定の価値観を押し付けてきた日本の学校の悪しき伝統がきちんと見直されることなく、今も健在である点を考えておく必要があるだろう。そもそも人権にかかわる内容を相変わらず「上意下達」で強制的に教え込んでいこうとする政治家や官僚たちの、人権を踏みにじるような姿勢自体がまさに老害問題そのものなのである。

教員の3割が「子どもの権利」の内容知らず、誤って理解している回答も 教員調査、約

 半数が「子どもの権利教育」せず 2022/7/22 東洋経済education × ICT編集部

 子どもの権利に対する教師の認知度の低さがブラック校則やイジメの隠蔽、体罰を日本の学校にはびこらせている背景にありそうだ。また画一的で管理主義的な教育行政に起因する学校社会の強い同調圧力、根強い一斉講義形式の授業の残存もまたブラック校則等を生み出す土壌となっているように思える。つまり教師や生徒の個性を軽視して多様性を圧殺する日本の伝統的学校体質がその根幹から見直されていかなければなるまい。そもそも教師の人権が十分な保障を受けられていない状況で生徒の人権だけが尊重される事など期待する方もおかしい。日本の教師の労働者としての人権保障がこれまであまりにも不十分であり、そのことに教師自体が鈍感になってきている…そしてこの時代遅れな教師たちの労働環境が子供たちの人権保障に対する鈍感な教育風土を醸成してきたと思えるが、いかがか。

 「『中学生らしさ』なんて後出しで何とでも言える」元中学生教師がTwitterで“校

 則へのモヤモヤ”を代弁する理由 文春オンライン 

 渋井 哲也 によるストーリー 2023.4.18

「男女交際を禁止する校則は違法」自主退学した元生徒の訴え 東京地裁、

 「堀越学園」に97万円の賠償命令 ABEMA TIMES 2022.11.30

 ここでは校則違反に退学処分を下した学校側の非を問うのではなく、むしろ「男女交際を禁じた校則は合理生の範囲内」と認定した東京地裁の判断の是非の方を問いたい。そもそも学校は生徒の学校外における行動をも制約できるのか、見直すべきではあるまいか。学校側はどこまで生徒達のプライバシー領域に立ち入ることが許されるのか、ぜひ討論させてみたい。

日本はなぜ幸福度が低いのか? キーワードは「寛容さ」

  世界経済フォーラム  ForbesJAPAN 2022/10/20 09:30

 人生における選択の自由度の低さ他者への寛容性の低さが日本人の主観的幸福度を先進国最低のレベルとしている原因・・・だとすればその原因に大きく関わってしまっているのが多様な価値観を認めようとしない日本の画一的学校教育であろう。

日本人の「働く幸せ実感」、世界最低クラス!管理職だけが「幸福」な理由は?

  国際比較調査で判明...「権威主義・責任回避」企業文化が元凶だ

 J-CASTニュース の意見 2023.4.19

 日本企業の組織文化は「上層部の決定にはとりあえず従う」「物事は事前の根回しによって決定される」といった「権威主義・責任回避」が、ほかの国々に比べて比較的高い傾向にあるのが特徴だという。仮に日本の学校文化が日本企業の文化と極めて親和的であるという仮説を前提とするならば、この調査結果は当然、日本の学校教育の反省材料ともなりうるものだろう。大川小学校の悲劇はそんな組織文化が生み出したものではなかったか。イジメや不登校、若者の自殺率の増加にこれまでの学校教育がどれだけ悪い意味で寄与してきたのか…やはり多方面から見直していくべきではないのか。

「校則」は誰のためにあるのか――対立するのはいけないこと?

 ダイヤモンド社教育情報 真下麻里子 2022/09/29 06:00

金髪の転校生が来た→校則撤廃! 工藤勇一校長の学校改革秘話

 毎日新聞 2022.12.6

 ブラック校則問題を論理的に理解する上で役立つ。

いじめ訴えた日記に担任が「花マル」つけ返却 父親が学校側を提訴

 毎日新聞 によるストーリー  2024.5.9

 教師がイジメに加担してイジメの被害者をさらに追い込んでしまう事件は遡れば1986年の中野区富士見中での「葬式ごっこ」以来、数多くないものの連綿として続いており、後を絶つことは無いように思える。

 教師の中には集団内での支配的なムードを忖度することに長けた者こそ社会性に優れた人物とみなす傾向が多かれ少なかれ見られるだろう。グループ内のムードを壊す者を不適格者として排除しようとする気分が児童生徒だけでなく、教師集団を含めた学校全体に蔓延しているのだ。

 これもまた個性や多様性を軽視し、画一的で管理主義的、集団主義的な日本の学校教育の体質が生み出してきた弊害だと考えるが、いかがだろう。

「いじめ」1割増、過去最多の68万件…重大事態923件・「指導死」は2人 

 読売新聞 によるストーリー 2023.10.4

 いじめも不登校も小中高生の自殺も増え続けている。これらの問題に対して政府の無能ぶりが際立ってきているのだ。子どもや若者に無関心な老害政治家がはびこっている日本の政界が、現実を直視し、未来を見通す力を失っていることはもはや疑いようがない。このままではこの国の行く末がいかに暗く厳しいものになるか、はっきりと明示されていると覚悟すべきだろう。

 なぜイジメ、不登校、小中高生の自殺が増えているのか、その原因と対策についてまずはできるだけ数多く、挙げさせてみたい。そしてこの分野の学習の最後でまたまったく同じ質問をしてみたい。

 

3.体罰、虐待について

体罰95%から2%になったスウェーデン、体罰のないしつけに大事な3つ!|

  北欧在住ゆるトーク Nord-Labo 北欧研究室 2022/09/17 21:11

 子供との粘り強い対話を重視するスウェーデンの子育てと学校教育の在り方が1970年代まではびこってきた体罰の根絶に大きな役割を果たしていたようだ。子供達の意見にしっかりと耳を傾ける大人達の姿勢が子供達の自己肯定感を支え、積極的な社会参加を促してきた側面にも注目したい。こうした大人社会の忍耐強い努力の積み重ねが他者と多様性を重んじる北欧の福祉社会存続の軸とされてきた事に畏敬の念を覚える。さて、日本はいかが…

[サイエンスZERO] 体罰や暴言で傷つく子どもの脳 回復させる方法とは? | 

 “子どもの脳を守れ 脳科学が子育てを変える | 2021/08/11 NHK 4:47

 虐待やネグレクト、体罰や暴言が脳に大きなダメージを与えてしまう事は誰もが知っておかなければなるまい。

ニコ生×BLOGOS 体罰・指導死・教師の鬱...どうする日本の教育現場!

 BLOGOSチャンネル  2013/02/01 1:21:16

 古い動画だが、体罰が教育的指導の一つとして成立し難くなってきた経緯を含め、現在の学校が直面している種々の問題をこれほど包括的に分かりやすく説明してくれる動画は意外に少なく思える。特に若い教師にとってこの動画は極めて貴重であろう。宮台氏と藤井氏の解説は10年近く経った現在もまったく色褪せない的確さに満ちているように思うがいかがか。イジメの対応に関しても首長の積極的介入などが問われざるを得ないほどに学校教育村の自浄能力がほとんど失われているという指摘は間違いなく現在にも当てはまる。これまで学校が自らの努力でほとんど何一つと言って良いほど変われて来なかった点に情けなさを強く感じないわけにはいかない。当然の事ではあるが、そんな学校に「教育の中立性」を云々する資格は無い、と言われても仕方あるまい。

 学校の聖域化が進み、市民社会からかけ離れてすっかり自閉してしまった、まさに村社会としての教員社会における常識はもはや完全な時代遅れの硬直化した因習に過ぎないのだ。しかしそうした異常な事態に教師自体が一刻も早く気付けるような時間的、精神的、身体的ゆとりが今の学校にはそもそも切実に欠損している・・・その事こそ、現代日本における最大の教育問題なのかもしれない。

私立高校の野球部で監督らが暴言や暴行か…保護者会で謝罪 バドミントン部でも

 長崎市 日テレNEWS 2022.12.16

 スポーツ強豪校ではありがちな事件。1970年代に全盛期を迎えたスポ根アニメ、青春ドラマ、ホームドラマなどにつきものの体罰やしごきは今の60歳代の教師、さらにはその教え子の世代である50歳代、40歳代にも連綿として受け継がれている。結果を出さなければならない私立のスポーツ強豪校にとっては極めて克服が難しい問題であろう。中学だけではなく高校でも運動部指導の民間委託を徹底させる方がこの問題をスピード解決するには最適なような気がするが、いかがだろう。

【体罰教員】生徒の背骨を折った柔道部顧問が逮捕 過去に3度処分もなぜ現場に?

 体罰・指導ではなく暴行事件とすべきの指摘も【教育】|#アベプラ《アベマで放

 送中》 2020/10/15 ABEMAニュース【公式】 19:04

 内田氏が指摘する体罰を容認する学校の体質とは何だろう。実際、どの学校でも生徒指導部主任に体罰容認派の教師がつくことが多いのは事実である。また生徒指導部の多くは運動部顧問であり、体育教師が多い傾向があるのも否めないだろう。特に剣道や柔道の顧問が生徒指導の中心となる率は極めて高い。敗戦後、GHQによって禁じられた武道が近年、中学校で必修化された歴史的経緯も探る必要がある。確かに夏野氏の体育教師に対する不信感と体育不要論は極論に聞こえるが、果たして公平に見て実際、どうなのだろう。討論の俎上に載せてみたいテーマである。

【指導】「チームを強化するために」パワハラ解任の横浜高校元監督の失敗とは?

 安藤美姫が明かすコーチとの信頼関係と罵声?スポーツと体罰|2021/11/12 

 ABEMA 変わる報道番組#アベプラ【公式】 29:36

 安藤氏や夏野氏の意見に注目したい。頂点を目指すトップアスリートの世界では厳しい指導と暴言や体罰は紙一重であり、その場の状況や指導者と選手との信頼関係が問われてくる。必ずしも一律に外部から体罰や暴言が適用されるとなれば指導者側だけでなく選手側まで困惑しかねないだろう。しかし学校の部活動においては生徒達に退部の自由があるとは限らず、もはや指導者によるこれまでのような暴言や体罰が許される余地はほぼなくなってきていると見て良いだろう。

参考記事

体罰処分の教員、大阪市が全国最多 市立学校で8年間798人

 毎日新聞 2022.12.22

 イジメ事件隠蔽で度々注目を集める大阪だが、教員の体罰処分全国最多を誇るのも同じ大阪市であるという。大阪市教育委員会の闇は深い。

 

 後編に続く