その2.学校教育と貧困問題(後編

※この記事は常に新鮮なネタを提供すべく、随時、更新されています。

 

・コロナ感染から見える沖縄の問題

 2022年1月10日段階で沖縄のコロナ感染率(全人口に占める感染者の割合)は約4%であり、これは全世界の感染率とほぼ等しい。しかし日本全体では約1.4%に過ぎず、日本国内における沖縄の感染率の突出した高さが確認できる。沖縄の感染率の高さの背景にウィルスを持ち込み、感染拡大を招いてきた米軍基地の存在がまず挙げられよう。また2回以上のワクチン接種率が日本全体では78.9%に対して沖縄は63.8%と、全国最下位。特に若者の接種率が低いという。また統計では確認できないが、沖縄の観光ユーチューバーの配信する動画を見る限り、沖縄の若者のマスク着用率が低いことはほぼ確実に推察できる。

 どうやらコロナ禍によって沖縄の基地問題、および若者の問題が一層浮彫りにされてきているようだ。

Q.「なぜ、毎年、沖縄の成人式は荒れるのか?」

 若者の車離れによりかつての集団的暴走行為は鳴りを潜めているが、鉄道網が不備な沖縄は今も車社会であり、若者による暴走行為は多少残存。かつては全国的に見られた式の光景だが、次第に福岡や沖縄など特定地域の名物となりつつある。  

 A.大人社会への最後の抵抗? 目立ちたがり?

Q.「若者をめぐる環境として沖縄全体に共通する問題点とは何だと思う?」

 A.少年犯罪が多い、暴走族が多い、高校生の中退率高い・・・おそらく多くの地域では「荒れた成人式」が少なくなっていく傾向あり。

 ただし沖縄県警の少年事犯発生率データによると実際には粗暴化の傾向無し。

 2019年度の沖縄県警の統計資料によると大方の予想に反してここ数年で少年の不良行為や犯罪行為は激減。しかも不良行為としては飲酒、喫煙が際立って多く、享楽的な傾向が見られるものの、粗暴な傾向はほとんど目立たない。意外にも暴走行為や深夜徘徊は全国平均と大差ない。ただし少年の不良行為等が激減している反面、不登校が激増している点は注目される。

Q.「粗暴化の傾向が見られないのになぜ沖縄の新成人はヤンキーの格好をするの

 か?」

Q.「沖縄での不登校激増の背景に一体なにが有るのか?」

 もしかすると沖縄全体の就職問題、貧困問題、それに学校教育の問題が背景にあるかも・・・

沖縄ヤンキーあるある #short 2021/05/08 沖縄訛りの喜屋武さん 56

コレが沖縄県民だ!Part2 2021/10/05 沖縄訛りの喜屋武さん2:29

【ネタバレあり】『THE FIRST SLAM DUNK』が面白すぎる!これまで観てきた

 沖縄関連映画でNo. 1の理由を語ります!【2 沖縄映画レビュー】

 阿波根あずさの沖縄観光チャンネル 2023/02/27  15:11

 沖縄の人がひそかに内面に抱えてきた様々な劣等感や行動面での気おくれに対するウチナーンチュならではの鋭い考察が非常に興味深い。沖縄に対するヤマト側からの陽気でノンビリとしたウチナーへのありきたりなイメージもある種の偏見に過ぎない事に気づかされる。

【スラムダンク】なぜ宮城が選ばれたのか?【山田玲司/切り抜き】

 山田玲司の原作が10倍おもしろくなる解説 2023/04/06  14:34

 アニメ・漫画の分析を通じて戦後日本の社会史、サブカルチャー史を語らせれば山田氏の右に出るものはいない、と唸らせる内容。阿波根氏の動画と併せて視聴すると「THE FIRST SLAM DUNK」への理解がより深まるだろう。

【幸福度】"年収ビリ"沖縄が1位若新雄純「競争をあえて大事にしていない」お金

 =幸せじゃない?持続的な幸せとは 2022/08/04 ABEMAニュース【公式】

 12:09

 年収が47都道県中最低であっても主観的な幸福度はトップが意味する事とは何だろう?

 

参考記事

週7日バイト漬け困窮の高校生が「疲れたと言わない」理由 沖縄県調査

 から 2020年6月9日 12:35 琉球新報DIGITAL

進学の夢、なぜ壁だらけ…「望みは大学無償化」 支援塾に通う高校生

 2020年5月31日 08:50 琉球新報DIGITAL

平均給与が貧困ライン以下…なぜ?どうしたらいい? 「沖縄SDGsプロジェク

 ト」会議 2021年11月6日 05:50 琉球新報DIGITAL

非行少年の背景に貧困と空腹…元警官らが動いた 子どもはタコライスなど軽食無料

 の仕掛け、沖縄で161店舗に拡大 沖縄タイムス社 によるストーリー 2023.5.2

 

・沖縄の学校教育問題

資料:沖縄、全国学力テスト「最下位脱出」の光と影 躍進を支えた県の元教育長「序列

 づけやめて」 東洋経済オンライン Frontline Press 2020/06/24 13:20

 この記事によると沖縄では全国学力テストの結果が何と2007年度以降6年連続で小学校、中学校共に全国最下位であったという。ところが教育長の交代を境に小学校での成績は向上し、ついに2019年度には全国6位まで急上昇したらしい。改革を推進した当時の教育長諸見里氏は学校訪問を徹底し、現場のリーダーである校長にデータを示しながら各学校の弱点、授業方法といった細かい点に至るまで直接改善を促していったという。こうした努力はたちまち結実し、翌年には小学校で全国24位に躍進。やがて他県から視察が相次ぐまで浮上は続いていったという。

 しかし全国学力テストに特化した取り組みには慎重な見方を示す研究者もいた。琉球大教育学部の村上呂里教授(教育学)は「さまざまな困難の真っただ中に置かれた子どもの存在に心身を傾け、総合的な発達を支える中で『学び』や『学力』を捉えることが何より大切ではないでしょうか。点数も1つの指標にはなるけれど、総合的な教育実践力の養成を見失ってはいけないと思います。文部科学省は学力テストの目的として『全国的に子どもたちの学力状況を把握する』を掲げていますが、そのためだけなら、テストも現行の『毎年、悉皆』でなくて、『数年に1回、抽出』で済むはずです。毎年、悉皆でやるから各都道府県や学校は自分たちの正答率が何位だったかを意識し、順位向上に追いやられてしまうんです」と指摘している。

 実は沖縄の中学校の成績は未だに最下位であるらしい。沖縄の子供達の相対的貧困率は全国の倍近くあり、全国で最も高い数値となっている。小学校での不登校の急増(全国ワーストレベル)中学校での成績低迷の背景には小学校でのテスト得点の向上策では解決できない、極めて深刻な貧困問題があるのは間違いない。

 成人式での光景にもきっと沖縄の社会問題が影を落としているのだろう。

沖縄県教育庁の資料より

 低学力問題に加えて沖縄県内には大学が少ない点と日本の私大の学費の高さが沖縄の高校生の大学進学を阻む大きな要因となっている。東京の私大に進学すると学費、生活費込みで年間200万円は優に超えてしまう。沖縄県民の半数近くが年収200万円を割り込む沖縄の現実は過酷である。

 さてやや古い統計であるが、沖縄の子供、若者を巡る負のデータをここで整理してみよう。

・小中学校:給食費未納率1位、不登校トップクラス

・高校:中退率トップクラス、不登校トップクラス

・大学進学率最低(約40%で全国平均の55%を大きく下回っている)

・高卒者早期離職率1位(若者に限らないが非正規雇用率も1位)

・新規高卒者無業者率(2018)13.9%で全国一位(全国平均5.1%)

・新規大卒者無業者率(2018)16.3%で全国一位(全国平均6.7%)

・高卒者(男)初任給(2019)147.1万円で最下位(全国平均168.9万円)

 ※高卒者(女)も142.9万円で最下位

・大卒者初任給(2019)男女とも最下位:男は174.7万円(全国202.8万円)

 ※東京の高卒女子の初任給180.2万円にも及ばず

 ⇒大学進学率最低

・十代の出産率、結婚率1位(若者に限らないが離婚率も1位)

・子供の相対的貧困率1位

 沖縄の産業は観光業と小売業・飲食業に偏っている。しかもそれらの業界は一般的な傾向として長時間、低賃金の「ブラック」職場が多いと言われている。特に飲食業やホテル・旅館業界は労働条件が厳しく、早期離職率が高い。沖縄の高卒者の早期離職率が高い原因はこうした産業構造の偏りにも大きな原因があるだろう。

 次に沖縄の子供達の貧困に関するデータを見てみよう。

 

 沖縄の子供達の相対的貧困率は全国平均の約2.2倍にもなるにも関わらず、生活保護率は全国3位である。これは生活保護を必要とする母子家庭などがかなりの割合で生活保護を受給できていない事を意味していよう。非正規雇用が4割を超え、その多くはシングルマザーである。男女の賃金格差が露骨な日本においても沖縄の過酷さは際立っている。

中村先生に聞いてみた!沖縄の子どもたちのキャリア選択観とは?

 2021/11/17 Ryukyufrogs 10:20

「子どもの貧困世帯」前回より悪化 沖縄県が調査結果を発表

 2022/05/31 【琉球放送】RBC NEWS 1:05

参考記事

 教職員の休職割合が全国最悪の沖縄 働き方改革なるか… 県が新体制

 沖縄タイムス社 によるストーリー 2023.4.12 

 

②沖縄の貧困問題

高齢者の「年金ゼロ」率、全国の2倍 復帰52年の沖縄、実態調査へ

   朝日新聞社 によるストーリー  2024.5.15

県の高校生・保護者 困窮世帯 約6ポイント増の26.3%(沖縄テレビ)2023/6/9

 OTV沖縄テレビ  2023/06/12 6:39

50歳復帰っ子が見つめる沖縄 子どもの貧困・人手不足・基地問題 本土復帰

 50年後の現実 「沖縄が良くなれば全国が良くなる」

 TBS NEWS DIG Powered by JNN  2022/07/06 6:39

「学びたい…好きな道に進みたい…」貧困の中にいる子どもたち 教育支援の現場

 とは 【琉球放送】RBC NEWS  2022/06/02 5:46

コロナ禍の生活困窮世帯に食糧支援(沖縄テレビ)2021/07/15 

 OYV 2021/07/23 ・・・5分なので視聴させやすい

【ウチナー】「沖縄の人は無意識に現状維持を選んでいる」貧困の背景になんくる

 ないさ?画一的な見解ばかり?本土復帰50年で考える沖縄の今|#アベプラ《アベ

 マで放送中》 2022/02/03 ABEMA  15:26

2020年上半期No.1のオススメ本!『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』

 【#18 琉球・沖縄本レビュー】2020/07/22 阿波根あずさの沖縄観光チャンネ

 ル 7:23

2018.11.25 樋口耕太郎 2020/12/30 Kotaro Higuchi 24:47

ヤングケアラーの実情と支援の在り方(沖縄テレビ)2022/2/24

 2022/02/26 OTV沖縄テレビ

RBC NEWS「つなごう沖縄 シングルマザーの就業支援へ連携」2021/06/17 

 【琉球放送】RBC NEWS 8:20

あっちゃんさんに聞いてみた!沖縄の貧困問題はなぜなくならない?

 2021/11/17 Ryukyufrogs 8:47

 

 沖縄社会の貧困に関するデータを整理して見てみよう。

1人当り県民所得全国で最低(2016年:約235万円⇔全国約350万円)

勤労者の18%が年収100万円未満

就労者の47%が年収200万円未満

失業率・離職率1位

非正規雇用率1位

 沖縄は高齢化率が最も低い(発問「2位はどこ?」A.東京都:社会増と自然減)し、人口減(最新のデータでは全人口約146万人)も深刻ではない(人口増加率は東京に次いで2位)。合計特殊出生率は1.82(2019)。1975年度以来連続で全国1位を維持している。つまり高齢化と過疎に直面しているわけではない。出生率が高い理由として、他の都道府県と比較して親族や地域同士とのコミュニティの結び付きが強く、相互扶助の精神(方言で「ユイマール」)が残っている。男系子孫を重んじるため、男児を産むまで出産を制限せず、結果的に多産する・・・という2つの説が挙げられている。

Q.沖縄の貧困問題の原因は何だろう?

A.産業構造の偏り(観光業・小売業・飲食業中心)・・・製造業と農業、漁業が貧弱

Q.なぜ沖縄の製造業と農業や漁業が貧弱なのだろう?

A.米軍基地問題が根底にある。

 沖縄の産品で県外や海外でも売れるものが少ない。

 観光業が必ずしも沖縄の利益に結びついていない。

 古いデータになるが、2018年における沖縄県の製造業の製造品出荷額等は前年比3.9%増の4,985.6億円。2年連続の増加。しかし2018年の出荷額は全国のわずか0.2%を占めているだけで47都道府県中のランキングは第47位。2018年において最も出荷額等が多い業種は食料品製造業の1,916億円(製造業全体の38.4%)。次いで多いのは、飲料・たばこ・飼料製造業(749.3億円・15.0%)、窯業・土石製品(琉球石灰岩を原料とするセメント等)製造業(672.4億円・13.5%)、金属製品製造業(537.8億円・10.8%)、鉄鋼業(268.8億円・5.4%)、印刷・同関連業(195.6億円、3.9%)。漁獲量は47都道府県中32位で農業産出額も32位(2018年)に過ぎない。海のない内陸県ではなく、海に囲まれた島々からなる県としては異様に漁獲量が少ない。サトウキビや紅芋、パイナップルなど著名な作物がある割に農業出荷額も少ない。また県外に移出できるものは黒糖、パイナップル、モズク、紅芋など品数が限られているし、出荷額もそう多くはない。そもそも輸送費が高くつく沖縄では生鮮食料品の自給率を高める必要がある。にも関わらず・・・米軍が平野部のかなりの領域を占拠し、多くの海岸から沖合まで占有しているため、農業用地が狭く、工場の立地も限られてしまう。しかも基地への経済依存度は10%にも満たないので「基地が沖縄を潤している」は的外れ。むしろ米軍基地による大幅な土地利用の制約が沖縄の諸産業を圧迫し、経済発展の大きな妨げとなっている。さらには日米地位協定により基地内日本人職員(9000人余り)の地位には時間外労働に関する三六協定、安全委員会、就業規則などに関する6つの労働基準法関連規定が適用されていない。これが全国最下位と言われる沖縄の劣悪な労働環境の一因にもなっているのでは?

・貧困の心理的罠:「貧すれば鈍する」「鈍すれば貧する」の悪循環

時間的非整合性の罠と心理的埋没費用の罠:生き延びるために必要な判断やお金の悩みに直面したり、何かを我慢することは、大きなストレスと疲れを感じる。それが続くと、例えば、将来の目標や健康の重要性について(いくら頭でわかっていても)現状との乖離が激しくて無理だと感じてしまうと、人は期待値を下げて手近な快楽を選んでしまう傾向がある。これを「時間的非整合性の罠」という。また、限られたお金で目の前のやりくりを続けているが故に、価値判断が目の前の金額の大小そのものに引き摺られてしまい、保険や積立、予防といった、将来のリスク回避のための少額投資の価値を(いくら頭で分かっていても)低く見積もってしまう傾向がある。これを「心理的埋没費用の罠」という。参照:「貧乏人の経済学」(著者アビジット・V・バナジ ー・エステル・デュフロ みすず書房)

 確かに沖縄の勤労者世帯(2人以上)における生命保険等の貯蓄は2019年で110万円ほどに過ぎず、全国の約300万円に遠く及ばない。年金型貯蓄も同様で沖縄は約37万円、全国は84万円となっている。

 貧困に直面している人々に道徳や道理を説いても意味は無い。まずは金銭面を中心に公的支援が必要不可欠!金銭的余裕が心理的余裕を生み出し、みずから適切な自助努力をとることを可能とする。政府が公的支援をケチリ、行政サービスをサボっておきながら、国民に対しては「自己責任」ばかりを問う。こんな無能で無責任な政府を持つ日本だからこそ、自殺がはびこるのでは?

 

 かつては日本で一番の長寿県と言われ、ストレスネスでヘルシーなイメージを持たれていた沖縄県だが、男女とも肥満度は47都道府県中、ダントツのトップ。自殺率も5位と高く、平均寿命は36位と下位に低迷している。

 過去を遡ると平均寿命に関しては沖縄県の男性は1980年、1985年は1位となっていたが、1995年の全国4位から、2000年には26位、そして2010年は30位、2015年には36位と順位の下落は止まらない。かつて全国1位を長くキープしてきた女性もまた2010年に3位、2015年には7位と下落してきている。

 沖縄県によると青年・中年男女ともに生活習慣病を原因とする死亡率が全国平均より高い点が指摘されている。厚生労働省によると、女性の順位が下がった要因として挙げられるのは、他の都道府県と比較して、脳血管疾患やがん、または自殺による死亡率の改善が目立っていないと指摘されている。沖縄県内の医療分野専門の大学教授らは、アルコールの過剰摂取と喫煙による影響、また中年者の食の欧米化による肥満やそれに伴う糖尿病患者が増加しているとのこと。寿命自体が下がったわけではないが、生活習慣自体見直すべき点は多いだろう。

参考記事

【速報】沖縄の平均寿命、順位また下がる 男性3643位、女性716位  

 厚労省調査 琉球新報DIGITAL 2022年12月23日 14:43

健診結果に異常、沖縄が全国最悪 11年連続 21年は初の70%台 労働局「由々

 しき事態」 琉球新報DIGITAL 2022年9月20日 05:15

 新規の出店が相次いでいるせいか、沖縄在住の観光youtubeの多くがここ最近はグルメ情報、食レポに偏る傾向が目立ってきた。10年以上前までは修学旅行で体験した沖縄料理に対して教師、生徒共に味に関してはイマイチという感想が多かった。しかし僅か数年で沖縄の食事情は見違えるほど急速な進化を遂げてきている。

 観光客が激増する中で飲食店同士の競争が激化したせいか、店舗の見た目も含めてリゾート地にふさわしいハイレベルの質を持つサービスが続々と登場してきているのだ。とりわけ観光地として人気のある那覇市、豊見城市、糸満市、南城市、沖縄市、金武町、うるま市、北谷町、読谷村、宜野湾市、恩納村、名護市、本部町、今帰仁村などでは洒落たカラフルな外観の喫茶店やパーラー、ドライブインなど、多彩な店が展開している。サンゴ礁の広がる海辺や見晴らしの良い丘の上に店を構え、インスタ映えするスイーツや各種肉料理を売りにする店の急増ぶりには驚かされる。さらに米軍基地の影響もあってのことだろう。ステーキやハンバーガー、焼き肉、タコス、アイスクリーム、ピザ、パンケーキ、パスタといった高カロリーの洋食を扱う店が圧倒的に多くなっている。また沖縄の大衆料理にもトンカツや唐揚げ、天ぷらなどの揚げ物や肉料理が目立つようになり、しかもその多くが基本的にデカ盛りである。その一方でビーガンの店も少しずつ出現してきてはいるが、概ね沖縄の食は、大食らいが多く、脂質と糖分、塩分の取り過ぎで糖尿病や高血圧、肥満に悩むアメリカ人の食生活へ急速に接近しつつあると言って良いだろう。加えてアメリカ同様の車社会による慢性的な運動不足・・・

 観光地化が進むと共にウチナーの健康面での心配が増えつつある点は確かに見逃せない現象である。加えて沖縄の年間の一人あたりの書籍・雑誌販売額は最下位、教育関係費割合は45位であり、前述の「貧困の心理」が急速に沖縄県民の間に浸透しているようである。一刻も早い公的支援が望まれるのではあるまいか。

子どもの割合16.5%  前年比減も沖縄県が割合で全国最高

 2022/05/05 【琉球放送】RBC NEWS 0:45

・・・とは言え、日本全体が少子高齢化への道をまっしぐらに進んでいるのに対して沖縄はまだ若い力を有している数少ない地域である。この「若さ」こそ、沖縄の誇れる資源であり、成長可能性そのものであろう。沖縄の「若さ」を今後、どのように活かしていけるか、若者の県外流出を減らし、若者の進学先、就職先をどのように拡大していくか、などが問われている。