残念ながら、眠りにつく事はできず

そのまま朝を迎えた。

 

私達は、クイーンサイズのベッドに二人で寝ている。

 

切りだした後も、同じベッドで寝なくてはいけない。

それがとても苦痛だ。

重度の睡眠障害の原因は、主にこれにあると推察している。

 

単身赴任から家に戻ってきて暫くの間

奴は、1階のソファーで寝る事が多かった。

 

検索履歴の確認で、せっせと出会い系サイトでの新規開拓や

知り合った女達とのトークに勤しんでいたことは

分かっている。

ゆっくりとその時間を楽しんでいたのだろう。

 

なんで今更ベッドで寝だしたのか。

奴の考えが計り知れない。

 

私は、夕飯を終え風呂に入り終わると

ソワソワしだす。

 

奴の帰るコールがスマホにくると

さらに落ち着かなくなる。

 

帰ってきた際は、布団を被り、寝たふりを決め込むが

目はギンギンに冴えている。

 

夕飯を食べ、風呂に入り終えた奴がベッドに入ってくる。

私はできるだけ、近づかないよう

ベッドの端ギリギリに身を寄せる。

 

朝、奴が起きて部屋を出ていく。

身支度を整え、家を出る。

バタン。

家のドアが閉まる。

 

やっと。

やっと、息苦しさから解放されるのだ。

 

奴は、私に安心を与えるべき存在から

究極の「ストレッサー」に変貌していた。

 

夜が怖い。

後、何回これを繰り返せば良いのだろう。