他に証拠はないか。

アプリを確認してみるが、もう出てこない。

と言っても、これで十分か。

 

目の前の世界が急にモノクロになった気がした。

息ってどうやって吸うんだっけ。

重い塊が胸につかえる。

こんな気持ちは何度目だろう・・・

もう2度と無いと信じていたのに。

 

家にいる気になれず、ジムへ行く。

力が入らない・・・。考えたくなくても、頭の中で見たものが

ぐるぐると動き出してしまう。

 

これからどうしよう。

 

絶対にこの家から離れたくない。

土地・建物・住宅ローンは主人名義。当時の年収からは不相応なローンを組んだ。

まだ、残は〇千万円もある。

最大のネックだ。

しかも、間の悪いことに、私は今月で仕事を退職する。

(今は有給消化中)

次の仕事は決まっているが、まずは3か月契約社員で、3か月後双方があえば

正社員採用されることになっている。

この状況では、ローンの名義変更はまず無理だろう。

 

貯金も旦那名義の財形と、数年前に始めた年金財形が僅か。

私も数年前に始めたNISAくらいしかない。

あとは、娘の学費(あと半期分)くらい。

繰り上げ返済をせっせとしていたから、貯金が乏しい。

 

子供たちに、このことを伝えたら傷つくだろうな。

娘は、こころの病気を抱えており、症状が悪化しかねない。

息子は、傷つきながらも受け止めてくれるとは思う。

とはいえ、ショックは同じように大きいだろう。

姓はどうしよう・・・

社会人の息子の名字が変わるのは、本人も抵抗があるのではないか。

娘は大学4年だから今がチャンスなのかも・・

 

最愛の子供たちを傷つける結果となることで

さらに胸が苦しくなる。

馬鹿なお母さんでごめんなさい。

あなた達を振り回してしまっている。

 

問題の大きさに頭を抱える。

考えているだけでは、何もならない。

一旦家に戻り、図書館にいくことにした。

 

離婚関連の本を幾つかピックアップし、館内の席につく。

 

離婚マニュアル、後悔しない離婚準備等々

書かれている内容はほぼ大差ない。

 

ノートに、これからやらなくてはいけないことをメモする。

 

前に座って勉強中の若い女性が、こちらチラリと見た。

目の前のおばさんが、離婚と書かれた本を積み上げ

一心不乱に読みふけっていれば、気にもなるだろう。

 

彼女にとって、私は「哀れなおばさん」なのだろうか。

人がどう思うとどうでもいい。

 

これからやらなくてはいけないことを

ある程度理解すると、益々気が重くなった。

一体、どの位の時間がかかるのだろう。奴は私の提案をすんなり飲むだろうか。

 

まあ、離婚についてはあっさり承諾するだろう。

私への愛情などとっくにないはずだ。

元々自由が大好きな人間だし。

離れることができれば、女とも遊び放題だ。

 

やはり、高額な残債がある家が最大のネックになってくる。

さあ、どうやって進めていこう・・・・