こんにちは。
富山県内でもっとも気軽に相談できる社会保険労務士の堀田です。
「富山県リバイバル補助金」の事務局の運営委託業務が入札にかけられ、
株式会社JTB富山支店が受託者に選定されたそうです。
旅行代理店は、コロナ禍で仕事が激減した業種であり、
全国でJTBの店舗が廃止されるという残念な報道を見聞きしていました。
そうした中で、このような形で存続を図るという行動には、意欲というか執念というか、
「その手があったか!」と膝を打つ思いです。
打つ手は無限、です。
確かに、旅行代理店といえば、
旅行の企画の立案、現地調査、関係各種との調整、行程の組み立て、予算の執行など、
補助金の申請にも通じる業務を、日常的に行っており、適任とも考えられます。
JTBに入社した方たちは、まさか自分が補助金の審査をするなどとは、
つゆほども予期していなかったと思いますが、
雇用調整助成金を受け取って休業を続けるよりも、
よほど意義のある、充実した仕事ができるのではないかと思います。
少なくとも、持続化給付金の事務局を受託して電通に丸投げした、
一般社団法人サービスデザイン推進協議会よりもいい仕事をすると思います。
ある調査によると、会社に籍はあるものの、日々やることがない、
という、いわゆる「社内失業状態」にある人が、日本全国で400万人もいるそうです。
新型コロナウイルスが流行する前は、人手不足のために、
盛んに技能実習生や外国人労働者の受け入れが進められていましたが、
実際のところ、日本国内にも潜在的な、暇を持て余している働き手は、
いくらでもいると思います。
私の知人の建設業を営む方からは、会うたびに、
「体力があって暇をしている若い人がいたら、いつでもうちで働くように勧めてよ」と、
対応に困ってしまうようなお願いをされます。
この記事の題目は、「コボちゃんのお母さんはなぜ働かないのか」とありますが、
コボちゃんの家庭はこのような構図です。
・コボちゃん一家は、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、コボちゃん(小学生)、ミホちゃん(未就学児)の6人が同居
・おじいちゃんとおばあちゃんは、お母さんの実親で、無職で、まったく介護を必要としない
・コボちゃん一家の家計は裕福ではない(家計は赤字続き)
だったらミホちゃんを保育園に預けて、働いて生活費を稼ぐべきだし、
ミホちゃんやコボちゃんが風邪をひいても、おじいちゃんとおばあちゃん(実親)が面倒を見てくれるだろう、
たいへん恵まれた家庭環境にいながら、なぜ働かないのか、
女は家庭に、という時代錯誤なのか……漫画に対して目くじらを立てても意味はありませんが、
ここに一人、機会を生かさない労働力がいる、という目で見てしまいます。
JTB富山支店の人たちは、
生き残りのために売上を稼がないといけないという切迫した事情があったと推察されますが、
何より、仕事に飢えていたのでしょう。
JTBの補助金事務局業務の受託は、
官民を挙げて知恵をしぼり、工夫をすれば、労働力の適正な配置が図れ、
人手不足といわれるような業界は少なくできる、という一つの事例になると思います。
我が国は、海の向こうを見るよりも、まずは足元、手元を見た方が良いのではないでしょうか。