私の伯母が幻覚症になったのは、今から7年前でした。

朝、隣で寝ていた伯母が突然「うーうー!」とうなされているようなうめき声を出しました。

顔がぶるぶるとけいれんし、口から少量の泡を吹きながらうめいていました。

当時高校生だった私は、近くにいた母を呼び母が伯母の名前を何度か呼びました。

数十秒後、何事も無かったように伯母は目を覚ましましたが、自分がけいれんしていたことは全く覚えていませんでした。

その日、自宅近くの脳神経専門の病院へ行き伯母はMRI 検査を受けました。

検査のあと、母は医師に呼ばれ結果を伝えられましたが、伯母はショックを受ける可能性があり朝にけいれんを起こして脳が疲れているので後日結果が伝えられました。

検査結果は「脳腫瘍」が五センチ×五センチの大きさになっており、精密検査と手術が必要との事でした。

伯母は比較的健康で、30代だったので私たち家族はショックでした。
ショックでしたが、これから病気と闘っていく伯母のことを協力して支えていかなければと全員が思いました。


数ヵ月後、手術は無事に成功し、懸念されていた後遺症(左手足が動かせなくなる)なども軽いものらしくこれからリハビリをしていけば手術前に近いレベルまで改善すると言われました。

私たちの住んでいる地域では一番の病院で手術が成功し、あとは入院しながら抗がん剤治療が始まる予定でした。ですから私も、このままいけばまた普通の日常が戻ってくるだろうと、心配しつつもわずかに希望が見えていました。



ある日病室へ見舞いに行くと、伯母が私に「看護師さんからいじめられている」とまだ動かしづらそうな片言の言葉で言われました。
まだ手術の後で手も足も動かしにくいので、悲しくて少し被害妄想的になっているのだと思い
「皆優しい看護師さんたちだよ。どんなふうにいじめられているの?」と否定しつつ聞きました。

すると伯母は「ずっと見張られているし、嫌な言葉でいじめる」「トイレに行く度にアハハと、笑われる」と涙を流しながら言いました。
私は母に相談しましたが母も看護師さんたちは皆親切なのでそんなことをするとは思えないと言い、少し疲れているのだろうと話していました。

それが後で「幻聴」という症状であるとは母も私も知りませんでした。

つづく