13冊目。

 

 

全寮制の女子校の温室が物語の舞台。海外かと思いきや、舞台は日本でした。

学校の温室は「秘密クラブ」の部室。心に重い秘密を持っている人しか入れない。

そこには銀色の髪の少女がいる。

 

第一話

千里は温室にいる少女に自分の秘密を話す。幼馴染でもある彼氏が「母も自分も吸血鬼だ」と言う。信じてはいなかったが、首に噛みつかれて「化け物」と言って逃げ出してしまった。謝ろうと思っていたが、彼氏は交通事故で亡くなってしまう。彼氏の母親が襲ってくる夢を見るので怖くて遠いこの学校にやってきた。少女は銀のナイフを手の届くところに置いて眠れば良い、とアドバイス。ナイフのおかげでやってきた母親の目に入らなくなった千里。母親を刺そうと思ったものの、彼氏に申し訳なくてできなかった。そんな千里の姿を見て、母親はもう現れることはなかった。

 

第二話

匠子は希望校に入学して友達もできた。体調不良で休んでいたクラスメイトがイメチェンして登校してきた。なんでも、あまりに可愛すぎて中学の時に友達の彼氏に告られてクラスがピリついて体調不良になったことがあって、あえて短髪+ズボンで過ごすことにしたらしい。なんでそんな卑屈になるの? と強く言ったら泣かれちゃった。そんな彼女は夏休み中に病気で亡くなっていた。その後匠子の前に彼女の幽霊が現れ始めた。周りの人には見えなくて、孤立する匠子。少女に秘密を打ち明けると、匠子の前に彼女が現れた。匠子に付き纏っていたのはお礼を言いたかったからで、決して恨んでいたわけではなかったそうだ。

 

第三話

真奈美の前に現れた一人の少女。「私とあなたは取り違えられた子供だ」と言う。もうすぐ真奈美を産んだ母が亡くなるから、顔を見せて欲しい。とのこと。彼女は今更元の両親の元に帰りたいわけではないというが、両親が大好きな真奈美はいつか立場を奪われてしまうのでは? と精神的に参ってしまい転校してきた。温室の少女が見せてくれた両親の姿を見て帰宅して事情を聞くと、確かに血は繋がっていないが、取り違えではありませんでした。母の産んだ子供は死産で、双子を産んだ女性から真奈美を引き取ったそうです。騙された〜! と怒る真奈美でした。

 

最終話

小学生の時にじめられっ子だった洋子。クラスが変わって安心したが、別の子がターゲットにされていた。中三になったとき、その子が同じクラスにいて声をかけて仲良くなった。自分は親友だと思っていたけど、彼女からは嫌われていたと知って大ショック。彼女が信号無視した車の前に飛び出て跳ねられて死亡してしまった。クラスメイトからは人殺しと呼ばれて虐められ自殺未遂をして、卒業まで登校せず、この学校に転入してきたそうだ。転校ではなくて?

しかし少女は何を隠しているのか? と洋子に問う。

実は大嫌いだったと言われてショックを受けた洋子は彼女を突き飛ばして殺してしまってました。

少女によると嘘をついた洋子には女神の加護が与えられないらしい。

なるほど。確かに前の三人は秘密を打ち明けた後に心安らかになってますね。これが女神の加護ですか。洋子はちょっと見栄を張って嘘をついたせいでずっと孤独と共に過ごさなくてはいけなくなったらしい。それを知った洋子は屋上から飛び降りてしまいました。

 

温室にいる少女は、巫子として目も見えずきちも聞けない状態で人々の秘密を聞いていたんだそうだ。千の秘密を聞いたあと生贄として女神にささげられるとか。なんてひどい話。

そんな少女に甘い言葉を投げかけてくる一人の男性。障子をの知った秘密を聞き出すために近づいてきたスパイだったけど、知った上で秘密を話してしまう。そのせいで女神の怒りを買い、七千年の間人々の秘密を聞かなくてはいけなくなったんだそうだ。

悲劇ですね。七千年は長すぎるよ女神様。