読んでなかったので借りてみた。

 

 

映画監督の香と脚本家の真尋、二人の女性の物語でした。

幼稚園の頃、母親からベランダに締め出されていた香。隣家のベランダにも締め出されている誰かがいると気づき、板を叩いて意思疎通をしていた。両親が離婚して笹塚町を離れ、色々あって映画を撮ったら賞をとって一躍有名になった。

真尋は笹塚町出身の脚本家。一度2時間ドラマの脚本を任されたことがあるが有名脚本家の助手でしかない。真尋の姉と香が同級生で同じ幼稚園に通っていたと分かった。香は「笹塚町一家殺害事件」についての情報を欲しがっていたが、同じ町内の出来事でも真尋はさほど興味もなかったので、提供できるものがない。

香が「笹塚町一家殺害事件」をテーマにした映画を撮りたいと考えていて、真尋は自分がその映画の脚本を書きたいと思い、過去の事件を調べることに。

 

「笹塚町一家殺害事件」は、引きこもりの兄が妹を殺して両親ともども家に火をつけて殺害、兄は罪を認めている。妹であるサラはアイドルオーディションに合格した直後だった、て話があった。

香は隣家のベランダにいたのはサラだと思ってましたが、真尋の調査でサラの兄だと判明。これはそうだろうな、と思ってました。サラは可愛らしい風貌で両親に愛されていたけど、性格は最悪。大会前の友人を高いところから落として障害を負わせたり、色々な男に粉かけて捨てたり、オーディションに受かったと言っていたけど実は落ちていたのは内面の性格の悪さがバレたからだろう、て書いてあったけど、ほんとソレだわって思ったわ。

 

そして真尋にはピアノの才能がある姉がいたけど、交通事故で死亡してました。それもサラのせいだと判明。真尋の姉とサラの兄が付き合っていて、それを知ったサラが兄を驚かせようと姉に悪質な嘘をついたことが原因でした。それを知った兄がサラを殺して妹が買ってきたケーキの蝋燭に火をつけて外出。泥酔した両親が家にいることに気づいていなく、姉と会っていた公園にいるところを任意同行されたそうです。

いやー、このサラって女、最悪ですよ。どれだの人を不幸にするんだか。

 

真尋が真相を脚本にして香に渡しました。更に自殺だと思われていた香の父が事故死だったことも判明。受賞した香の映画が自分の過去を描いていたってことも分かりましたが、なんと言っていいのやら。なんにせよイジメが発端なので、いじめ、よくない。

 

割と分厚くて、最初は香と真尋の話が交互に描かれているんで「???」となりましたが、一気読みです。テーマが暗くてどんよりしましたけど、真尋の脚本で香が撮った映画はどんな話になるのか気になりました。