仏蘭西浪漫探偵譚 水晶と天鵞絨 (YOU漫画文庫)/木原 敏江
¥670
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これもオススメされたので購入。

シリーズ物の4作
クラシックなサファリ
過去5年間に
回結婚して離婚していて5人の元妻は全員行方不明。現代の青ヒゲと呼ばれるカミーユの取材にこぎつけた雑誌記者のベル。実はカミーユの最初の妻はベルの姉だった。先に進入していた姉の元恋人と共に、姉の所在を探るベルだったが…

お姉さんのエミリは可哀想だったけど、その他4人の行方知らずの妻たちのオチが見事ですね。けどさ、最初に出てきた余計なチョッカイ出した金髪美人とは何もなかったんですかねぇ? 性格的に手を触れていなかったような気もするけど、そうでもないのかしら? 後半何の出番もなく消えてしまいましたが。

ちょっと性格に難ありなカミーユを理解してるのはベルだけ…つー展開はいいんだけど、ワタクシとしてはどこでカミーユがベルに惚れたのかがイマイチ。例えば、ベルが「信じるわ」と言ったあとにエッチするなら、カミーユ的プロポーズにもなると思うんだけど、なぁ?

思い詰めたあなた
結婚してもラブラブのカミーユとベルだったが、最近ベルが冷たい。そして「離婚して欲しい」と言い残して出て行ってしまった。放心するカミーユ。

いや、これはただただ、ベルがバカだったとしか言えないオチでした。素直にカミーユに言えば良かっただけなのに、裏から手を回してアレコレ画策したおかげで、大事件になっちゃった。カミーユはベルにゾッコンLOVEなのに、ねぇ。
カミーユの狂気っぷりが良いですね。本気かポーズか分かりにくいけど、案外分かりやすくて自分に素直な男性じゃないですか。エミリの元恋人・クロードにも兄であり親友として懐いているしさ。

水晶と天鵞絨
夏のバカンスシーズンにアランポー家に招待されたカミーユとベル。その屋敷の周囲には沼地があり、亡霊が現れていた。

耽美を愛するアランポー兄妹が、カミーユとベルを麻薬漬けにして腐ったジャンキーな連中たちと乱交しようと画策していたんですね。麻薬と気づかないまでも匂いが嫌で、危うく麻薬漬けにはならなかったものの、クロードの手助けで難を逃れることが出来ました。良かった。
この耽美兄妹が馬鹿すぎる。特にボートが沈んでからの様は美しくないですね。笑いましたわ。切れたカミーユは恐ろしいですなぁ。シノンは、姉とは結ばれない…鳥だったら…と思い悩んでいたのにねぇ、この兄妹は道徳が無かったようです。

ハードボイルドでお祈り
休暇を取ってスペイン旅行中のカミーユとベル。ベルの学生時代の友人ホアナと再会し、セビーリャへ行くことにした。そこには天才占い師・ラファエルが居て、ベルは彼の罠にはまってしまった。助けに来たカミーユだったが、ご先祖様が現れて…

昔の友だちが自分よりも格上の男と結婚してラブラブなのが気にいらないからちょっと意地悪してやろう、ていうホアナの根性がくだらない。すぐに改心したし、さほどすれていなかったようですが。
ラファエルが超マザコンだったっていうオチには笑いましたね。ベルに何もなくて良かったけど、マザコンにもほどがあるわ。

カミーユとベルはベストカップルだと思います。カミーユもカワイイわ。
ジャンル的にはラブコメになるのかしら?
この作品も面白かったわ!
ちょっと絵柄が古くなったな…と思ったら、1988年の作品でした。調べたら最初に読んだ杖と翼が2000年。2000年でもつい最近だと思っちゃうなぁ。ワタクシ、段々と遡って読んでるようです。


他に収録されている作品がこちら。
リーズ作の2本。残りの3本は別の文庫に入ってるのかしらん。
木原版[西鶴・好色五人女]いと麗しき花の底
〈PART1〉お七
家族は忙しく昔からひとりで居ることが多かった、超箱入り娘の七保。婚約者の吉人はコペンハーゲンで働いている。遠距離恋愛に失敗した友人の話を聞き、、吉人の側を離れたくないと思うようになる。

何も知らないおぜうさまですから、考えも浅はかですね。「吉人とは離れたくないけどコペンハーゲンに行くのは怖いから、おじさんに頼んで吉人を日本勤務にしてもらおう」って短絡的。しかももう一度吉人に会うためだけに建物を爆発しようだなんて、はぁぁぁ~?!ですわ。お嬢様の考えることは分かりませんね(笑)。
あ、もちろん八百屋お七の現代版だってことは理解していますわよ。
その七保の間抜けっぷりに吉人は惚れたんですかね。七保が改心してくれて良かったです。そのまま私は日本で暮らすわ…とか言い出しかねないですよね~お嬢様って(偏見)。

吉人の同僚の悟が良いスパイス。純金の童話の時にも思ったけど、なんで×××っていう伏せ字なんだろう…。男のままで男が好きなのだから、オカマじゃないしなぁ…。3文字ってところで悩みます。
あと、ラストの3人並びで座っているシーンなんですけど…飛行機内じゃないですよね? 待合室ですよね? 飛行機だったら何人掛けのシートよ? ってツッコミいれちゃいますヨ(笑)。けど待合室にしては…な椅子よね。

〈PART2〉お夏
お夏清十郎の現代版。
妾の娘だが代議士である父の代役も務めるなつみ。幼なじみの英樹と政略結婚をする予定だが、父の事務所に来た秘書見習いの清方と恋に落ちる。英樹の策略で3億円横領の犯人に仕立て上げられた清方は、無実を証明しようとして事故死してしまう。

いや~、簡単に騙されちゃったよ清方…もうちょっと考えようよ…。
なつみの復讐方法が直接的でビックリしました。
今時の病院の窓は高層ホテルの窓と同じで、飛び降りられないようになってるんですけどね。昔の病院は普通の窓なんですね。衝動的に飛び降りたくなる人も居そうだ。