ライブリポートin NY: Ernestine Anderson | 音温(ネオン)ビーム☆

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Jazzyな未知の世界に挑む波瀾万丈ライフ♪ 

さあ~前回の続きである。 タイトルでもお分かりの通り私が絶叫してしまった大好きなスィングヴォーカルの神様的存在の人、Ernestine Anderson。
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私の憧れのジャズシンガーはJulie Londonで、どちらかというと白人系の低音で崩さない歌い方をするスタイルが好きなのだが、私がまだジャズを聴き始めて間もない頃、Ernestineの歌を聴いて電流が走った感覚を思い出した。 黒人シンガー特有の太めの声でスキャットしまくりブルースブルースしている歌では全くなく、メロディをとても大切に素直に歌いあげ、スィング感が素晴らしく、そして何よりも声が温かいのだ。 これまでにホント数多くの歌ものCD、ライブを聴いてきて、もちろん素晴らしすぎる人はいっぱいいて感動はするのだが、ジワジワそしてググっとものすごい温かみが込み上げてくる歌声の人、私の琴線に触れたのは今までで3人しかいない。 一人は以前、ブログでも紹介した私の師匠「Lisa Thorson」、ブラジリアンシンガーの「Ana Caram」そしてもう一人は「Ernestine Anderson」だ。 憧れのJulie LondonやSTINGがこの中に入っていない様に、「上手くて声もスタイルも大好きで独特の世界観があるシンガー=温かい歌声」でもないのだ。 彼等の歌に温かみがないわけでは決して決してないのだ。 うまく説明出来なくてはがゆいが意外や意外、この「温かい歌声」を持つシンガーと巡り会うのはそれだけ稀なのである。 これは持って生まれた声質と、その人の人生から滲み出るもののほかない。

さてさて、話の続きに戻るが、彼女のライブ会場「Dizzy's Club」という夜景も素晴らしくとてもモダンで素敵なジャズクラブに向かって予約を試みる。 当然の如く、全公演予約でいっぱいだと言われ、キャンセル待ちしかないと言われた。 そこで私達「滑り込みシスターズ」は諦める訳もなく、頑張って食い下がり、なんとか11:30pm~スタートの3ステージ目のバー席の予約に漕ぎ着ける事が出来たのだ!! スタートまで相当時間があったので、チャイナタウンを探索して時間をつぶし、11時前に戻ってくると、ものすごい長蛇の列が出来ていた。 予約のある人のラインも長いが、キャンセル待ちや立ち見待ちの列も凄かった。 いや~本当に信じられないくらいラッキーであった。 しかももっと
ラッキーなことに、3ステージ目は、学割が使えて半額のチャージになった。 Ernestine様の生歌ライブがなんと$15ぽっきりで観れるのだ! バー席といってもブルーノートのようにステージが全く見にくく小狭い席ではなく、ステージ真正面でめちゃ近く、ハイチェアなので、むしろテーブル席よりも視界が良い♪ 

この日はジュリアードジャズオーケストラといって、選抜された学生のビッグバンドがバックだった。上手いが学生ならではの音のバランスの悪さや危なっかしさ、良い感じの勢いがあって新鮮ではあった。 2曲程ビッグバンドのみの演奏があり、そしていよいよErnestineが紹介され登場☆ もう相当の御歳なので、足が弱いようで指揮者に手を引かれてステージに。。。! おぉ~~~!!! 金髪のいかにも!というカツラをかぶっているが、似合っている。 そしてゴールドのパンツもこれまためちゃくちゃかっこいい!!! なぜだろう、、ステージに上がったとたん、別人のように姿勢も良くなりオーラというか、後光が射しているかのように輝いている☆ そして話しだすかのようにめちゃくちゃ自然に歌に入っていき、ゆっくりとA trainを歌いだす。 いや~~やばい!!!
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CDで聴くよりもはるかにずっとずっと温かい声!!! ちょっとハスキーでダイナミックの使い方が絶妙で消えてしまいそうなウィスパーヴォイス、ガツンと響き渡るロングトーン、歌のときはスキャットを決して入れず、MCの時に鼻歌のようにしかし美しくささやくようなスキャットを交えてのトーク、そのトークから歌に入って行くタイミング、絶妙である。 ピアニストがErnestineの存在の大きさにビビりながら弱々しくイントロを弾くのだが、それをさりげなくリードするように優しく体を動かし鼻歌を歌い歌に入って行く。 学生ビッグバンドの不安定さと彼女の確固たる安定感、そしてビッグバンドの若さ溢れる勢いと彼女の引き方。 Ernestineはそのものすごい存在感をアピールするどころかまるでビッグバンドの彼等に溶け込むような感じでひっそり歌う。 我を決して表す事なく、しかしステージを去ってもとにかく強烈な彼女の匂いを残す。 まるでマジックでも見ているようだ。 彼女はどんな環境で育ち、恋に落ち、今の彼女がいるのだろう。。。とふと思うが、酸いも甘いも知り尽くしている彼女だからこそ温かく響く歌声であり、残り香をこんなにも強力に放つのであろう。 

以前「Sunny」についてブログで熱く語ったが、彼女のSunnyは極上中の極上である。 私が「Sunnyを歌いたい!!!ジャズを歌いたい!!!」と猛烈に思わせた人でもある。 

そういえば、ここ半年程歌ものライブといえば、ブラジリアンばかり聴きに行っていた。 しかもボストンに初めて来た「Joyce」、CDで聴くよりもはるかにずっとずっと素晴らしく鳥肌が立ち「よし!もっともっと練習しよう!!」という強烈なエネルギーをくれた「Luciana Souza」、そして今回のGal Costaというなかなか生では聴けないbig 3 Brazilian singers だ。ますますブラジル音楽にハマっていく今日このごろ、そんな中偶然にもErnestineのライブを聴け、消えかけていたジャズへの情熱を奮い立たすことが出来た。 これは偶然ではなく、そんなきっかけが今の私にすごく必要だったのだろう。 そうそう、彼女のMCですごく印象に残った言葉があった。 

「I am what I am」

なんか、ジ~んときた。 いつも凹む時はこの「あるがままの自分」でいることを忘れている時だ。
あるがままの自分を受け入れ、愛し、自分の中に眠る無限の宝を知る人。 強いなぁ~。。。  
そういえば、Lisaにも以前、そのことの大切さを教えられ、ジ~んときたことがあった。 今回NYに来れて本当に良かった。

これが最後のNY!と思っていたのだが、部屋の引き継ぎの人の都合で西海岸への引越しが少し伸びた。 ということで、来月もういちどNYに行くことにした。 なぜなら6月中旬にNYでジャズフェスが行われており、私の大好きなハーモニカのToots ThielemansとピアノのKenny Wernerのデュオがあるし、そして素晴らしい天才若手ベーシストのAvishai Cohen Trioも来る。 こんな夢のような欧州系ミュージシャンがNYに一斉に来るのにこれを聴かずにカリフォルニアには行けんのだ。 というわけで、ライブレポートin NY第二弾、お楽しみに☆