私は、29歳まで正真正銘の処女だった。

キスはもちろん、男性とのお付き合い経験もなし。


誰かに片想いしたことや、男性から誘われて2人きりで食事に行ったことは何度かあるが、


それより先の関係になることを、その頃の私は何故だかすごく怖く感じたていたと思う。


もちろん、経験がなこいことは自分にとって、ものすごくコンプレックスでもあり、

周りが当たり前に経験していくなかで、それが出来ない私はどこかおかしいのではないかと悩んだこともあった。


だけどその理由は、自分自身でよくわかっていた。


私は私のことが嫌いで、許せなくて、そんな自分を誰かに全てさらけ出し、甘えることが怖かったのだ。


自分のことを好きじゃないのに、誰かが好きになってくれるわけがない。

そう思ってた。


何故そんな風に自分を卑下してしまうのかは、それまでの経験などが関係しているのかもしれないけど、


今となってはどれも全て言い訳なのだと思う。


私は恋愛が出来ないことを、過去を理由にしたかっただけなのだと思う。


そんなしがらみも、徐々に年を重ね、いろんな人との出会いや別れ経験していくうちに、少しずつ和らいでいった。


私は私を少しずつ許し、受け止めていくことができた。



今の不倫関係である彼と出会う、ほんの数週間前に、


私は処女ではなくなった。


初めての相手は、初めて会った時からお互いに惹かれ「この人なら」と思えた3つ年下の男性だった。




初めてのセックスのあと、その彼は、





「実は自分には子どもがいる」と告白した。



これから始まる彼との関係に胸を躍らせていた私にとって、崖から突き落とされたような衝撃たった。




私は、自分を責めた。


自分を好きだと言ってくれた相手を、簡単に信じてしまった自分を。

男を見る目のない自分を。


これは、自業自得だと思った。


同時に、絶望した。


男は、やるためだったらどんな嘘も付くんだと。







今となってはそんなものだと思えるけれど、その時の私にとってはショッキングな出来事だった。



初体験の相手とはそれっきり。

私はもう会わないときっぱり伝え、

彼は「ごめん」と謝った。

謝られると、余計に惨めな気分だった。






今の彼は、出会った最初から既婚者とわかっていた。


拒んでいたけど、相手の熱心さに心が動いてしまった。

そして、ダメだと分かっていながらどんどん惹かれていった。



私は結局、何も成長していないのかもしれない。