不倫は、言うなれば「待つ恋」である。
連絡も、
会いに行くことも、
相手から来ることを待っている。
だからたまに断ることもあるけれど、
私がどんなに寂しくて、
どんなに今すぐ会いたいと思っても、
私からは言うことができない。
「言ってはいけない」
「私には言う資格がない」と、
そう思っているからだ。
私は、不倫関係である彼に、
奥さんと別れてほしいだとか、
私と結婚して欲しいだなんて、考えたことがない。
むしろもし彼がそんなことを言ったら、
私はきっと、彼を嫌いになると思う。
彼のことはもちろん好きだけど、
彼には家庭を大切にして欲しいと思っているのも事実なのだ。
そう思ってるなら、彼とは会わない方が正しいのではないか…
そう思う時もある。
彼には、家庭を大切にして欲しい。
だけどどこかで、
彼にとって1番の存在になりたい。
彼とこのままずっと一緒にいたい。
そう思ってる自分がいる。
そう望む自分と、
自分にはそんな資格なんてないと思う自分。
そんな矛盾している思いが、
行き場のない思いが、苦しい。
だから、彼がワガママを言うと私の心がかき乱されるのは、
どこかで、“私は言いたくても我慢してるのに”っていう、そんな思いがあったからなのだと思う。
不倫は、「待つ恋」である。
自ら、相手の1番になりたいと望んではいけない。
そして、1番に選ばれてもいけない。
だけど会ったときだけは、
2人きりのときだけは、
私は彼の1番になれる。
そんな瞬間を待ちながら、
私は今日も夢を見る。
それはとても、幸せな夢なのだ。