入院30日目 月曜日
ちょうど先月の今日、実家の信州から4時間、
従兄弟の運転する車で、京都まで運ばれてきた。
それは、文字通り、飲まず食わずの、荷物状態、
トイレに行きたくならないように、間違っても従兄弟
の自慢の新車に、お漏らしなどしないように、と気を
使っての移動だった。
もしあのまま、ずっと信州の病院にいたら、
風に、年末年始を暮らしていたのやら、と、ふと思う。
同じように手術を受けて、毎日中央アルプス駒ヶ岳
に沈む夕日を眺めては、子供の頃を懐かしんでいた
のかも?かとも思うけど。
日本全国何処の病院も変わらず、感染症予防のための
面会謝絶状態だったろうから、もっともっと孤独を
感じる生活を、送っていたのかもしれない。
月曜日の朝一番、朝食が済んで、すぐなところにに
リハビリごろごろにーさんが、やってきて時間確認
『今朝、僕ヒマなんですけど、これからリハビリ
どうですか?』などと、言ってくる。
日曜は、院内のリハビリもお休みだから、月曜の
朝一番に、何もアタクシのところに来なくたって
もよさそうなものを。。。と思いながらも、松葉の
ツエさんにすがって、トレーニングルームに歩き
始めた。
かなり急ぎ足で?歩いて行こうとしているかの
ように見えたのか、
『そんなに焦って歩かないように、まだ体重50%の
半荷重でお願いします!』と、ほぼ緊急停止命令。
それでも、そのあと、ツエさんに両手ですがって、
ボチボチとスクワットの真似事のように、立ったり
座ったりさせてくれたから、少しは、治療の成果が
出てきた、などと思ってくれたのかもしれない。
ギブスも添え木も外れて、懐かしの素足が、見える
ようになってから、両足の表皮がはがれてきた。
1ヶ月間、ずっと包帯とギブスの中に囲われていた
せいかとも思ったのだけれど、それはまさにイカの
皮がむけるように、ピリピリと見事に、綺麗に?
ペロリと、剥がれてきた。
まず足の裏の皮が、そして今日に至っては、足の甲
の皮まで、ポロポロと、剥がれてきた。
足のマッサージまでしてくれている彼には、申し訳
なく思って、何とかしてその前に、剥いてしまおうと
バリバリ引っ掻いてみたけれど、治療台の下に、
白い粉が振り撒かれただけ。
今日だけは、ボロボロにーさんに申し訳なく思った
怪我事故から1ヶ月経った、月曜日。