そんな日曜日の午後、正月気分が抜けないようなムード歌謡特集番組を観ていたら、ロマンチカの三条正人さんの晩年の歌唱シーンが、出てきて目が釘付けになってしまった。
病魔に負けず、しっかりと踏ん張ってこえをはっているその姿に打たれて涙ぐんでしまった。
小樽の人よ、をはじめ、ムード歌謡好きだった父が買い集めたソノシートがたくさんあった。マヒナスターズ、ロスプリモス、ロスインディオス、東京ロマンチカ、
古い電蓄から流れてくる彼らの歌には、遙か遠い都会の雰囲気があった。
その曲のイメージそのままに、何の疑いもなく三条さんは、きっと都会のご出身と思い込んでいたのに、実は滋賀県大津の膳所高のご出身で、東京の法政大学に入られてから歌の道に入られたのと知って、ちょっとびっくり、そして改めて親近感が湧いてくる。
若くはつらつと美しかった三条正人さんは今はもうなく、そして今日は、宍戸錠さんの訃報。日活アクションスターも、悪役も、すっかりいなくなってしまった。