母の短歌とホタル鑑賞 | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

母の短歌とホタル鑑賞

 私の母が徐々に、ディズニー映画『リメンバー・ミー』のママココ化しつつある…
 一人にしていると、何時間も椅子に座ったきり、何もしていない…
 私が、「そんなに瞑想して、オモロイこ?」(方言ね)
 と尋ねると、
母:「オモロイよ…」
私:「何、考えてたん?」
母:「小学校の時、短歌で先生に褒められたんや…」
私:「なんや、その短歌、言うてみ!(註:全然期待していない)」

 訪れし
 小学校の
 小さき机
 これに我も
 座りし日あり

私:「おっ!スゲーじゃん!驚。 そりゃ、先生に褒められるワぁ…」
と感嘆!!
 私的解釈なら、「あの世の綺麗な魂が、こんな人間界に、訪れたくもなかったのに、とうとう、小さい机というクダラン社会のシステムに組み込まれてしまったゼ…」という哀愁もあり、スコブル良かったです。笑!!
 あるいは、この視点は「未来からの視点」。 大人になって小学校を訪れた感慨。

 私は歌詠のセンスも趣味も無いのですが……
 母が小学校3〜4年の歌と言うので、才能あるんじゃないでしょうか?
 しかも80年以上経っても覚えているって、スゴイと思いました……
 
 私は、中学生2年頃、自由律俳句を日記に書いて、今も覚えています。

●蝿よ 窓の外は見えてるのに!

 外に出たくて、見えないガラスにぶつかり、ぶつかり、干からび死んでいる蝿を見て、詠いました。
 ある意味正に中二病ですが。笑 私の人生も見えないガラスにぶつかっているのかも。笑!
 母子共々、子供の頃に、全部見通せてるのかも知れません…………

 
 そんな親子は、昨日、蛍鑑賞会!
 ホタルのピークって、たぶん2〜3日くらいしかなく、そのピークの日に当てるのが、かなり難しい……また、沢の水温にも影響があるようで、一方の沢では既にピークは終わっているのに、別の沢では、これから!という経験を今年はしました。

 昨日はピークだったのでしょう…  秘密の場所なので、誰も居ません…
 母の車椅子を押して、一眼レフなど持ち歩きたくないので、バカチョンカメラのストロボ撮影で…
 そもそも、写真なんて納めなくていい………母と私の記憶に残れば充分なのです…

 蛍の飛翔は、ホント、あの世的、美しさ!!!
 老い先短い、母とは極力、美しい光景を見せてあげよう…と思い、薔薇園や、蓮沼、コスモス畑、紅葉など、年間、何度か必ず行きますが、「やっぱり蛍が一番スバラシイ………」
 小さな宇宙や、夏のクリスマスツリーみたいだった…


 (暗闇の中で、みんな光を放ちながら、ペアを見つけるのね…)

 母もご機嫌で、家に帰ってから、お風呂に入れてあげる時、突然、母が、私の知らない歌を歌い出しました……
 後で、調べると、こいう歌です。(1:00頃から)

 
 こういう時代に、母は生きていたのだと思うと、シミジミ………涙が出そうなくらい… 実際、蛍と三日月の対比が美しかった…
 そしてこうした子供の頃の歌が出てくるわけです…

 この歌い出すシーンは先の『リメンバーミー』のママココも思い出す………


 ちなみに、私の母は、こんなママココみたいに、シワシワでもなければ、不細工でもないよ!笑 ご近所からも、キレイなバーさんやと褒められます…笑 人徳は結構あります…
 親バカならぬ子バカですが…
 歳をとっていくと、だんだん子供っぽくなります…
 前世から私は母と縁があり、幸せです……


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