労働は美徳ではない | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

労働は美徳ではない

 自分が忘れない為の本の雑感です。
 最近読んだ本から 
●「忙しいとは、心を亡くすこと」

 と書いてあり、おぉ!!と感心するものがありました。
 労働が美徳ではないこと、漢字はそもそも人間の意思疎通の為に作られたものではないことも『新釈 中国古典怪談』で紹介しました。

 面白いことに、私の好きな『まんが日本昔ばなし』でも「まじめに働け!」「働け!」とのメッセージの話は多い。昔からそうして刷り込まれているわけですね。
 (例えば『寝てて食われる話』これに似た話は今昔物語にもある。「かちん染め」の話とリンクして考えると、興味深い)

 『森と池の物語』の記事ピダハンのリンクを読み直し、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの『森の生活』の引用があったので「あら、これは読んでみるか…」と思い手にとってみましたが…
 前半、おおよそ私が知っていることを、「オレは、他の人と違ってこれだけ偉いんだ…」みたいな文章作りに、4分の1で読む気力が無くなりました。

 その中の引用ですが
 「働きづめの人間は、毎日を心から誠実に生きる暇などもたない」

 「商売というものは、それが扱うすべてのものに呪いをかけることを知ったのだ」

 などの言葉はなかなかいいのですが…。
 図書館の本なので、返却せねばならず、また暇があれば読破するかな…??

 『Talking with Angelsーイタリアの天使達-』や 『Talking with Angelsーコート・ダジュールの天使達-』で紹介したインドの聖人、ラーマクリシュナもこう言っています。

 「いいかい、人生の目的は仕事だなどと言っている人種もあるが、とんでもないことだよ。────人生の目的は、神を体得することだ。仕事は、いちばんはじめの第一章だ。目的などであるものか」

追記:ここのパウロの誤謬にも注目。

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