『Talking with Angels』93歳のおばあさんの感想 | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

『Talking with Angels』93歳のおばあさんの感想

Talking with Angels 昨日、老人ホームにいる親戚の93歳のおばあさんのお見舞いに行ってきました。
 実は、一月前ほども伺ったのですが、その時、おばあさんが「次の作品はどうなの?」って聞くので、「あぁ、持って来てあげるよ!」と言ったので、届けに行ったのです。

 『笑とる仏』の時は、お婆さんなので、理解あるだろうと思いスグ、持って行ったものです。
 『新釈 中国古典怪談』の時は、生まれ変わりの事ども書いているので、正直、いつあちらの世界に行くか解らないお婆さんには、きっと参考になるはず、笑、とマジで思い、あげました。
 ただ、フランスの天使はお婆さんにわかるだろうか??墓場だし…と思い、今まで見せなかったのです。

 でも、そんな心配は全然、杞憂で、ページを開いたなり、「わぁ!すごい!」と感嘆の声!! 「ものすごく奇麗ね!見たことない!」「目の付けどころがスゴイ」とベタ褒め。
「私は、あなたが身内だから褒めてるんじゃないのよ。この作品は純粋に素晴らしいから褒めてるのよ!」「お父さんが居たら、感動したろうねぇ〜」「地元にこんなスゴイ才能の人が居るなんて!」とまで…。
 以下、会話調
婆 「で、この本、売れてるの?」
私 「いや、そんなに…  そもそも、新聞社もヒドいんだよ。これだけ良い作品なのに、献本しても、どこも紹介しない… 神戸新聞なんか取材までしているのに掲載しない失礼さ!! あそこ、これで2度目だよ!! 最悪! 地元の作家を一番バカにしている新聞社だよ! そもそも神戸新聞の記者ってオレの高校の同級生ダゼ!ひどいと思わない!」
婆 「あぁ、それは嫉妬だね…」
(93歳でもボケていません。スルドイです)
私 「そもそも、この本は東京で出版するはずだったのに、カラー印刷が出来ないのに逆ギレするとんでもない出版社に潰されて、こちらに帰ってきたんだから…。その間、7年間も他の出版社にオファーしても出版できなかったんだよ。日本の出版界も腐ってる!」
婆 「あなた、そんな環境に居たら、せっかくの素晴らしい才能が、潰されちゃうよ…」 (スルドイ…)
私 (心の声)((あぁ、潰されてるさ!! もう、正直者がバカを見るこんな世の中、ウンザリさ!! ))
婆 「日本の文化度も低いわね〜(シミジミ) この作品が判んないだから!!」
私 「でしょ…。オレもそう思う!!」

婆 「個展はできないの?」
私 「ボクは個展を東京で過去、2回やったけど、個展って、場所と時間が限られるから、結局自己満足で終わることが多いんだよね。お金もかかるし…」
婆「いくらかかるの?」
私「安く見積もっても40万くらいはするんじゃないの?」
婆「40万かぁ……なんとか考えるよ…」(本気で払うつもり)
私「イヤイヤ、いいよ!!汗。 こんな田舎で個展しても大して意味ないし…」
婆「いや、田舎だからいいのよ…」
私「そうかなぁ……??」
婆「私に何ができるか解らないけど、とりあえず3冊、私にあずけて、なんとか宣伝してみるよ…」

私 (心の声)(( お婆さん、老人ホームの半幽閉生活でムリだよ…もう、歩くのもおぼつかない骨と皮だけの93歳だよ…でも、その心意気に、私は感動したので、とりあえず3冊あずけるよ))
 「わかった。3冊もってくる」

 といって、私は、その日の内に、折り返し3冊お婆さんに持っていったのです。

 なんだかね、こんな感じの会話をしていると、涙目になりそうでしたよ…
 大正生まれのお婆さんの方が、よっぽど、確かな審美眼と、ハートを持っています!!心意気も! 昭和生まれや平成生まれは、ダメなのかね。
 このお婆さん、高校は首席、大学は薬学部3番で卒業しているエリートなので、言葉に信頼がおける。笑 
 ブログ内を探してみると、過去には、こんな発言も
「日本もだめになったわね…」

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