ニーチェ、音楽、映像、梅毒 | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

ニーチェ、音楽、映像、梅毒

 前回の記事で、ニーチェを思い出したので、久々、ちょっと調べてみました。
 ニーチェは、私が高校の頃、とても夢中になり何冊も読みました。彼の文章、思想は特に十代の若い心に、とても刺激的で巻き込むようなものがありました。おかげで大学の頃の私のあだ名は、ニーチェでした。笑
 でも、もう何十年も前のことで随分忘れましたね。今は東洋の思想の方が好きですし(実際、晩年、ニーチェも仏教に興味を持っていた)。ただ、このブログのどこかの記事にも書きましたが、十代、二十代の頃に読むには、『悲劇の誕生』は良かったと思います。 昔、ロッカーのマリリン・マンソンがMTVのインタビューで「ニーチェを読め〜!」と答えているシーンを見て、「あぁ、この人本気だ…」と感心したものです。
 まさにニーチェは思想界のハードロッカーなのです。

 そんな音楽と縁のある?ニーチェは、実のところ、本当に音楽家になろうと思っていた時期もあるらしく、現在は便利なもので、ニーチェが作った楽曲をネット上で数多く聞くことができます。
 私の好みでは、正直あまりいいものがなくて、ニーチェさん、音楽家にならなくてよかったね…と思ってしまいますが、これなどはまだましな方かな?最後まで聞いていません。笑


 驚くのは、アンチクリストで有名なニーチェが、ミゼレーレ「神よ、我をあわれみたまえ」なんて曲も作っているところ。まだアンチクリストの思想に到達する以前のものなのでしょう。

 モーガンフリーマンの『時空を超えて』では、確か、「楽譜は、その人の魂の永遠の記録」みたいな言い方をしていた記憶がありますが、ニーチェの曲を聞くと、そんな感慨がひとしおです。

 さらにメチャクチャ驚いたのは、ニーチェの動画が残っていること!!!
 ニーチェは1900年に亡くなっており、映画の歴史は、1895年にリュミエール兄弟が、汽車の映像を残したぐらいからはじまっています。
 そんな貴重な時代の動画が残っているなんて、カナリのオドロキ!!!!!
 そもそも、晩年のニーチェはあまり理解者も居なかったのに。
 御覧下さい、梅毒が頭にまで回り生ける屍のように、ボロボロになったニーチェです…。

 生を謳歌せよ!と言っていたニーチェが、こんなボロボロの末路というのも、皮肉というか悲しいものです。でも、抜け殻とは言え、生きて動いているシーンにはなんだか感動。動画なんて絶対無い時代の人だと思っていた。
ニーチェ ハンス・オルデという人のこのニーチェのスケッチ、好きだったなぁ。正にこの病床の時ですね。高校生の頃これを模写したことも。ニーチェの顔は多分にビジュアル的。
 おそらく、映像カメラを手配した人もこのハンス・オルデでしょう。

 高校でニーチェを初めて読んだ頃は、死因を「進行性麻痺症」なんて難しい言葉で書いてあり、私はてっきり、哲学のし過ぎで頭がオーバーロードしたんだと思っていましたが、なんのことはない、梅毒です。 なんだかちょっとカッチョ悪い。笑

 とは言え、少々調べてみると、梅毒で亡くなった、芸術家や有名人の多いこと!!ごろごろ出てくる! あの芥川龍之介も梅毒だったという説が…。
 梅毒になると創作意欲も湧くという珍説も。
 たしかにニーチェも感染してから、多作になったような気配も?
 結核になると性欲が増すとかも言いますし、病気と創作意欲、動機など、案外調べるとおもしろそうです。

 ところで、そもそも、性病がどうして「梅の毒」なんだ???と疑問に思いました。調べてみると、発病した時の全身に現れる赤い発疹が、楊梅という山桃に似ているからだそうです。なるほど。こわいねぇ〜。

 関係ないけど、同じ塩梅で、「泥棒」は何で「泥の棒」なんだぁ??と調べると、なんかシックリこない諸説が沢山あるので、興味ある人は調べてね。笑
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 哲学・思想ブログ スピリチュアル・精神世界へ
にほんブログ村
にほんブログ村 美術ブログ 宗教美術へ
にほんブログ村
岩谷薫(Kaoru Iwatani)『Talking with Angels』ー天使と仏の写真家ー | Facebookページも宣伝