神との握手
南フランスの墓地に行くと、写真のような神様と手を繋いだ造形をよく目にします。ロンドンやイタリアではなかった彫刻です。右が神の手、左が人の手でしょう。この写真には版画家の長谷川潔さんの以下の文を添えた。（長谷川さんの版画は大好き。 完璧なモノクロ写真を見ている静謐さ）
● その朝も、遠くの雲を眺めたりしながら、いつも通る道を歩いて
いったのだったが、不意に、一本のある樹木が、燦然たる
光を放って私に語りかけてきた。「ボン・ジュール！」と。
私も「ボン・ジュール！」と答えた。するとその樹が、
じつに素晴らしいものに見えてきたのである……
いつも通る道の、いつも見る樹が、ある日ある時間、そのように
語りかけてきたのだ。立ちどまって、私はその樹をじっと見つめた。
そして、よく見るとその樹が人間の目鼻だちと同じように意味を
もっていることに気づいた。 ーーー中略ーーー
要するに万物は同じだと、気づかされたのであった。
ラジオの受信機にしても、出来の良し悪しはあろうとも、
ともかく調節すれば音が聞こえてくる。それと同じように、
波長を合わせることによって聞こえてくる万物の声
というものがあるのだ。
そのとき以来、私の絵は変わった。 長谷川潔『白昼に神を視る』
『白昼に神を視る』なんて、最高に写真的で、カッコイイ題名です。
人間社会では、ラジオの受信機を、万物や天使に向けてしまうと、人間の電波が聞こえなくなるともありますが…笑
とは言え、この感覚は、アーティストやシャーマンなら、必ず持っている（必要な）感覚。 音楽ではゾーンと呼ばれるものでしょう。
今、読んでいる物理学者が書いている本には、
● 瞑想状態では、周囲と一体になる体験は珍しいことではなく、ばらばらに分裂していたものすべてが統合され、ひとつに融合する。 『タオ自然学』
と書いてあります。『コート・ダジュールの天使達』で語っていることと同じで、華厳経が述べることと同じです。物理学者が語っているので、なおさら興味深い。
そして、この感覚を習得するのが「思考の停止」であるといいます。
禅も思考を嫌います。
思考停止するメソッドとして、ヨーガや太極拳、マントラ、真言、座禅、スポーツ等を作者は挙げていました。無我の境地ですね。
勿論、アートは正にその部類です。長谷川氏はその境地に達しておられます。
そしてこれを読んでいると、釣りも、一つの無我になるメソッドであることが解ってきます。古の賢人や、文学者などが釣りにのめり込む理由も、解ってきた。
座禅と同じです。
水に揺られ、森や池と一体になる感覚、鳥や虫の声を聞きながら、ルアーや浮きに集中するメソッドは、安谷白雲禅師の
「只管打坐（しかたんざ、座禅）とは、緊張したり、せきたてられたり、弛緩したりもせずに、意識を高度に集中した状態におくことである。」
という言葉と同じ。
音楽でいうゾーンでしょうし、その時、万物（自然）と一体になれるのです。
水面で、こんな景色に出会うと、私は幸せになれる。舟で未踏の対岸を眺めるのは、一種の彼岸感覚かもと近頃思う。おそらく水も重要な意味を持っていることでしょう。松枯れ病が現代的ですが…。ただし、『コート・ダジュールの天使達』でも指摘しましたが、「未来も過去もこの枯れた木も、全て自分自身なのです」枯れ木で思い出すのは『サクリファイス』「初めに言葉ありき。なぜなのパパ」。実は言葉じゃないんですね…。（厳密には、言葉ありきで言葉ではないですが。）だから写真を撮る。版画を刷る。
天使と出会う時もそうです。あのトリップ感、一体感は比べるものが無い。 意外と、自分のブログは、釣りとは異質。と 自分自身が感じていましたが、「集中、一体」というカテゴリーで、実は繋がっていることが最近になって解りましたよ。笑 勿論、写真も集中、一体です。釣りも写真も、shootという言葉を使います。
集中、一体したとき、神や自然と握手ができる。
● 私のFBページ、3年ぶりに復活すると、数十人居た読者が勝手に削除されているみたい!!!??? おかげで再開した通知も読者のニュースフィードに届いていないみたい。 決して、私自身が削除した訳ではないので、よかったらまた「いいね」押してください。ｍ(_ _)ｍ 。少し調べると、あんまり更新しないとFBからペナルティーがあるとか!!!?? もしそうなら、このやり方はかなり陰湿では……????
さまざまな事情でページを一時期非公開にする人もいるわけで…
再開早々、FBには、なんだかテンション下がり気味ですが、哀れだと思う方はお力になってください。特に3年前、いいね押してくれた人は、そうした事情ですので… ｍ(_ _)ｍ 私が削除したわけではありませんので。
前回、「復活！？」と？を書いていた直感は当たっていましたね…
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