伽耶院(がやいん)の紅葉と石仏 | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫

伽耶院(がやいん)の紅葉と石仏

$『Talking with Angels』西洋墓地の天使像と『笑とる仏』 : 写真家 岩谷薫-がやいん_1 三木市の伽耶院も紅葉の名所として有名です。なるほど、仏陀伽耶が寺の名前の由来なんですね。このお寺も法道仙人開基です。

 今頃は、燃えるような紅葉が美しいでしょうね。
 写真の石仏は、西国三十三箇所巡礼を全て巡った、満願供養塔として、巡礼最後の寺である華厳寺の十一面観音を型どったものだと思われます。
 まるで観音から赤い炎が出てるみたいですよね。

 周りには現代の人が刻んだ、小さなお地蔵さんも並べられています。






$『Talking with Angels』西洋墓地の天使像と『笑とる仏』 : 写真家 岩谷薫-がやいん_2

 この観音様には、鈴木大拙さんのこんな言葉をそえました。

●『東洋においては、無あるいは空あるいは矛盾の同一は、分析や抽象となんの関係もない。それは身をもって透過した純然たる経験である。』

 これは般若心経が『色即是空 空即是色』(註:色とは現象界、つまりこの世)と、理論的には全く矛盾している事と同じですね。

 それは体験として、理論や分析とは違う、別次元で体得する問題ということです。

 キルケゴールは、これを端的に
●『真理は主観である』
と言っています。

 幼少の頃、何で自分が、隣の子供や、友達であり得ないのかを、悩んだことがありました。笑。 これは映画『ベルリン天使の詩』のイントロの詩でも歌われてましたよね。

 究極のところでは、自分はどこまで行っても、自分でしかあり得ず、自分の中で真理を体得したり解釈したりするしか方法はありません。(例えば、同じ写真を見ていても、人それぞれ感じ方は違うので、全く別のものを見ているとも言えますしね。文章では特にそのズレが大きいでしょう。)
 でも、はじめに書いたように理論的に矛盾する事が、同一したりすので、この逆もまた然りなんですが…。「あなたは私」も然りです。 こういうのを禅問答って言うんでしょうが。笑。

$『Talking with Angels』西洋墓地の天使像と『笑とる仏』 : 写真家 岩谷薫-がやいん_3

 前回の良寛さんも上手いこと『散る桜 残る桜も 散る桜』って言ってましたね。
 ここでは『散る紅葉 残る紅葉も 散る紅葉』ですね。

 『笑とる仏』にも紹介した、小笠原長生のこの句もイイですよ。
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