信州読書会さんに参加させていただいて、毎週金曜日に
課題図書の感想文を提出させていただいています![]()
今回は、チョ・セヒ氏の『 こびとが打ち上げた小さなボール 』の
感想です![]()
実は、初めての韓国文学でした![]()
今回、信州読書会さんの読書会で課題図書になり、読ませて
いただくことになりました。とても圧倒される内容で、
韓国文学の文庫化がまだまだ少ないことが残念です![]()
1970年代、軍事政権下の韓国。
資本家によって労働者が搾取される一方だった頃の民衆の
生活があますことなく表現されています。
労働者の立場だけではなく、搾取する方の立場からも描いた
連作になっており、大変読み応えがあります![]()
韓国では大ベストセラーの本著を是非、最初の韓国文学として
手に取ってみてください。
『 蹴散らされた人々 』
「初めて食べたけど、うまいなぁ!」
これは、ガーナのカカオ農場の従業員が、日本からの取材で初めてチョコレートを食べた時の台詞だ。カカオの収穫作業に何十年も従事しているのに、製品となったチョコレートを食べたのは初めてだったのだ。この映像で、胸がざわざわした。「カカオの産地なんだから、じゃぶじゃぶ食べているに違いない」と思い込んでいたからだ。製品となったチョコが安価なのは、カカオ産地での労働力の搾取だったとは想像外だった。カカオは製品になるまでに手間と時間がかるのに「質が良くて安価な物」を当たり前のように求めていた。「搾取」に苦しむ人々の思いは世界中にある。キョンエの無知の「罪」と同じだと気がついて、愕然とする。
1970年代、経済発展を遂げるソウルで進む再開発計画の陰で、異形と貧困の差別にあえぐ「こびと」の家族。何代にもわたって搾取され続け、唯一貧困から抜け出すための教育もまともに受けられない。「生きるより、死ぬ方が易しい」は本当はそう思いたくない心の叫びで、死んでしまうと墓もなく存在が消えるように、こびとの小さな声でさえも消えてしまう。どのような思いで、煙突の上にたったのかを思うとやりきれない。
労働者階級だけではなく、中産階級の主婦シネや特権階級の受験生ユノの目線も加わり、物語が立体的になればなるほど、私の胸に突き刺さる。表も裏もない「クラインのびん」の例えも切ない。
韓国の経済発展だけではなく、イギリスの産業革命の闇までもあぶり出し、日本も全く同じ構図だろう。いまだ、この小説がベストセラーを続けているということは、負の連鎖は断ち切れていないのだ。「この悲しみの物語がいつか読まれなくなることを願う」という作者の願いはまだ果たされていないのだろう。
最近は、「搾取」する側の罪悪感からか、フェアトレード流行りだ。ほんの一歩は前に進んでいると思うが、搾取側の免罪符となって、自己満足に終わらなければと思う。まさにメビウスの輪にならないように。
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