信州読書会さんに参加させていただいて、毎週金曜日に
 課題図書の感想文を提出させていただいていますニコニコ

 

  今回は、スタンダールの『 赤と黒 』の二回目の感想です本

     

     一回目の感想はこちら ↓

  https://ameblo.jp/kaoru8913/entry-12449183972.html

 

  読書は、二回目からが本番ですビックリマーク

  この作品も長いので、一回目はストーリーを追うだけで

  終わりましたあせる

  二回目はどうだったかというと…恥ずかしながら、理解には

  ほど遠いのです。それでも、人物関係や背景が見えてきました。

  いい作品は、何回も読むに堪えうるし、読む年齢や人生経験に

  よって、味わいは変わってきます。

  是非、読書は複数回をオススメします!!

  そして、読書会のように感想をアウトプットできる機会があれば

  強くオススメします!! アウトプットしてからが自分の本当の

  感じ方がわかり、他の人の感想も聴いて、立体的に

  作品を見ることができますウインク

 

 

  

『 お前は臆病者か?武器を取れ!』

 

 タイトルは、ジュリアンがレナール家へ入る際に、自らを鼓舞するための言葉だ。貧しい木挽の息子であり、現実は何も持っていない。私は、ジュリアンが何を自らの「武器」として戦おうとしていたのか探りたかった。何も持っていないのは、私も同じだったからだ。

 

 レナール家を経て、神学校に入り、ラ・モール侯爵の秘書へと辿り着く。その際、恋愛も立身出世の手段とし、レナール夫人や令嬢マチルドと関係を結んでいく。

読み進めると、どうやらジュリアンの持つ「武器」の正体がわかり始める。

司祭から、僧侶になるために必要な節制と現世の幸福に執着を断つことができないと忠告された際に『おれはあの人にちゃあんと心底を見すかされている。あの人がいった「隠れた情熱」、立身出世というおれの野心のことなんだ。』に答えはある。最下層庶民で、親の愛情を受けずに育ったジュリアンには「野心」しかないのだ。野心の為なら、神を信じずに僧侶になることさえ厭わない。自らを向上させる為の野心は必要だが、後ろ向きの暗い野心だ。彼はその野心と恋愛をこじらせて、とうとう処刑される。

ただ、ジュリアンは牢獄に入ってこそ「本来の」人生を手に入れたように思う。出世もステータスも何も関係ない牢屋だからだ。人間は平常時では、とかく大事なものを見失う。でも、あの劣悪な家庭や貧困から、野心ひとつを抱えて走ったジュリアンを否定できない。だからこそ、レナール夫人に語ったこの台詞を読んで、私は安堵した。

( 引用始め )

「ずっと以前に、あのヴェルジーの森を二人で散歩していたとき、わたしはずいぶん幸福になれたものを、あのときは激しい野心がわたしの心を空想の国の方へいつもひっぱっていったのです。 (中略)
わたしはあの頃、えらく出世をするためにやらねばならぬ無数の闘争を心の中でまじえていたのです……まったく、あなたがこの牢屋へ来てくれなかったら、私は幸福というものを知らずに死んでしまっただろう。」

( 引用終わり )

 

ジュリアン、レナール夫人、マチルドは、それぞれ牢屋で鎧を脱いで「ありのまま」になった。自ら亡き後の二人の女性の苦痛の心配までし、息子の処刑前でさえ金の無心をする父親に対応し…とジュリアンはどこまでもジュリアンだった。本当の武器は「野心」ではなく「ありのまま」の自分だったのだ。

作者も、第42章から45章まで副題をつけていない。ジュリアンの心模様に合わせているかのようだ。

 

 

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