今回のテーマは、柚木 麻子著「ナイルパーチの女子会」の感想です。

 

女性同士の関係を描いた、かなり厚みのある本なのですが、

 

登場人物の辿り着くところが気になって、

 

どんどん読み進めてしまいます。

 

しかし、女性が読むとグサグサと共感や思い当たるところが多すぎて、

 

かなり血を流しながら(笑)、読むことになるかもしれません。

 

私も、展開が意外すぎて、何回か本を閉じてしまいました(笑)

 

それだけ、女性描写に関しては、真に迫った作品なので、

 

女性はもちろん、女性に疎い男性諸氏にも

 

是非読んでもらいたいと思います。

 

 

『 ナイルパーチの女子会 』感想 ~世間を泳ぐナイルパーチ~

 

 友達って、望んでつくるもんだったっけ?と友達の作り方を忘れている自分に、この小説を読んではたと気が付いた。

一緒にいる時間が多くなり、たくさん話して、お互いのことが少しずつ理解でき初めて・・と「自然」に友達になっていくものだと思っていた私に、栄利子の友達に対する「不自然さ」は奇異に思えた。最初は・・。

 

同性の方が、お互いをわかり過ぎるために、相手に厳しくなる。だから、女性は男性と会うよりも、女性と会う際の方が気を遣う。異性だと最初から分かり合えないので、逆に誤魔化せるのだ。だからこそ、女性は女性に認めてほしいのだ。厳しい基準を乗り越えて、自らを「承認」してほしいのだ。栄利子も、生きている実感としての承認欲求を止められず、「努力」して女友達をつくろうとする。圭子の「頑張ってもどうにか出来るもんじゃないんだよ。友達だけはさ。」という忠告も栄利子の心には届かない。

自然体で生きている(ように見える)翔子をターゲットに、栄利子の中のナイルパーチが牙をむく。「三回しか会っていないのに」メール攻撃、「五回しか会っていないのに」親友として温泉旅行・・と歯止めがきかない。それはやがて、翔子の中のナイルパーチまで覚醒させてしまう。栄利子の言動は、ナイルパーチであることを隠していた真織でさえ、獰猛にしてしまった。

でも、ここに登場する女性たちだけが、凶暴で生態系さえ壊してしまうナイルパーチなのだろうか?答えは、否だ。自分の欠けている部分のバランスが崩れたときに、ナイルパーチは目を覚ます。それが栄利子と翔子は女友達が欲しいのにいないこと、真織は屈折した男性観だった。私自身でさえ、何がスイッチかわからない。ビクトリア湖に放たれるまで、自分が凶暴なことに気がつかなかったナイルパーチと同じで、みんな内なるナイルパーチに気が付かない。

だから、読み進めていくうちに、徐々に栄利子の友達に対する「不自然さ」が理解できるようになって、まさか私自身のナイルパーチが目覚めたかとぞっとしてしまう。

 

今日も、何事もない顔をして、ナイルパーチを秘めた女性たちが世間を泳いでいる。

・・・気をつけて。

 

 

 

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