「前と同じ症状で、診察券も持っているのに。どうしてまた『初診料』がかかるの?」
医療機関の窓口で、もっとも多くいただくご質問のひとつです。
この「モヤモヤ」の裏側にあるルールの根拠と、そこに込められた医療側の想いをお話しします。
1. 国が定めた共通の「ルール」
私たちが勝手に決めているわけではありません。実は、厚生労働省が決めた「診療報酬点数表」という、日本全国どの医療機関でも守らなければならないルールに基づいています。
そこには、このような趣旨の内容が記されています。
「患者さんが自分の判断で診療を中断し、1ヶ月以上経過した後に再び受診した場合は、たとえ同じ病気や症状であっても、初診として扱う」
(※厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」より要約)
つまり、お薬を飲みきってから、あるいは「治ったかな」と自己判断で通院を終えてから、暦月で1ヶ月以上経ってしまうと、医学的には「新しい診察が始まった」とみなされる仕組みなのです。
2. なぜ「リセット」が必要なのでしょうか?
「前と同じなんだから、続きでいいじゃない」と思う方もいると思います。
でも、医療の視点から見ると、「続き」で済ませるには長すぎる期間だったのかもしれません。
• 別の原因が隠れていないか?
• 他のお薬を飲み始めていないか?
• 前回とは違う、新しいリスクが出てきていないか?
医師は、過去のカルテを確認した上で、あえて「今のあなた」を診察し直します。この「空白の時間を埋め、今の状態を正しく評価し直す作業」こそが、初診料に含まれる大切な役割なのです。
3. 「初診料」は、あなたを大切に想う「準備」の証
医療は、魔法ではありません。
限られた資源とルールの中で、私たちは「今のあなたに、一番安全で正しい判断」を届ける義務があります。
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おわりに
「なんでもできるわけじゃない」けれど、そのルールの中で、精一杯の誠実さを尽くしたい。
正しく知り、優しく繋ぐ。
この小さな納得が、あなたと医療機関の信頼の架け橋になれば幸いです。


