・t検定とは、2つの母集団の平均値を検定するための方法
・ある共通の目的のために実施した複数の取り組みにおいて、それぞれの結果の平均値に差が出た場合、統計的に意味のある差なのかを知るためにt検定を用いる
・統計的に意味のある差ではなく誤差の範囲であった、という事実を検証するためにも有用
・t検定は少ないサンプルで大きな母集団の分散を算出できるのもメリット、母集団に対して少ないサンプルしか集められない場合にも、t検定が利用される
・帰無仮説は、知りたい事実と反対の事実を仮説として設定すること。知りたい事象の確率を直接計算するのが困難なため、その背反する事象の確率を計算することによって、仮説の検証を行う。棄却することを目的とするため、「無に帰する仮説」=帰無仮説。
・対立仮説とは、帰無仮説に対する仮説
・有意水準とは、何かを判断する基準のこと。有意水準は5%に設定される場合が多く、5%以下の確率で生じる現象は、滅多に発生しないと判定
・2標本t検定は、「対応のある2標本t検定」と「対応のない2標本t検定」にわかれる、対応のある2標本t検定とは、同じ人やもので2回計測した平均の差を評価すること
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240624/06/kaoru-gurumaki/a1/54/p/o0572025115455261097.png?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240624/06/kaoru-gurumaki/df/13/p/o0566024815455261101.png?caw=800)
◆t検定の方法・手順例
“内容量50gの缶詰を生産している。10個の缶詰をサンプルに、「平均50g」とみなしてよいのか確認したい。”
1.「帰無仮説」を立てる
帰無仮説に対する「対立仮説:H1」はこの場合、「平均≠50g」
2.「有意水準」を設定する
帰無仮説を棄却する判断基準となる確率として「有意水準」5%を設定
3.t値を算出
「比較するデータに意味がある差があるかどうか」を示す値「t値」を算出
缶詰内容量の平均値と50gとの差で考える
t値=((サンプルとして測定した缶詰内容量の平均値)-50)/(標準誤差)
4.p値を算出
t値が算出されると、「得られたデータの希少性」を示す「p値」が定まる、統計ソフトHADを使用
5.p値と有意水準を比較
算出されたp値と事前に決めておいた有意水準5%を比較
有意水準はデータの希少性を判断する基準のため、有意水準よりp値が小さければそのデータは極めて起こりづらいと言える
6.帰無仮説を棄却
以上の手順により、「平均=50g」という帰無仮説を棄却できる
帰無仮説は「示した事象と反対の事実」なので、帰無仮説が棄却できれば示したい結果が示せたことを意味する