「ゴーマニズム宣言 2nd Season 第2巻」小林よしのり(著) | 奇跡の今日一日

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1998年発刊の「戦争論」から20年を経て、あの本が社会をどう変えたかを自ら分析。そして、自らの活動と共に平成を回顧し総括してる。


この国の言論空間は「戦争論」以前と以後とに分けられると本人も言うがまさにその通り。圧倒的な自虐史観が続いた時代から、言論空間はむしろ右に振り切れた。

 

ネトウヨなどの弊害も一部生んでしまったが、戦前の日本を悪玉一辺倒で侮辱し続けた状況よりははるかにマシだと僕は思う。

 

慰安婦問題に関しては、強制連行はなかったと朝日新聞は記事を訂正して謝罪した。そもそも公娼制度があった時代であり、現在とは時代背景がまるで違う。

 

貧しさから慰安婦にならざるを得なかった者も少なくなかったことは想像に難くないが、それを今の時代の感覚で語ることは間違いだと小林氏は主張。

 

そして当時の慰安婦は日本人の娘の方が圧倒的に多かった。軍が無理矢理連れて行って性奴隷のように扱ったみたいなイメージが世界中に広がってしまったことに関して、これに加担した者たち、きちんと否定しなかった政治家たちの責任は重い。

 

70年代以降、朝日新聞の「中国の旅」に始まるキャンペーンで自虐史観は日本に定着化させられていったと小林氏は指摘。

 

この問題にしても、靖国問題にしても、周辺諸国は最初なんら問題にしてこなかった。

 

あたかも事実であるかのように扱われ続けていたこれらの問題に対して、「戦争論」は史料を基に真っ向から反論して、戦後サヨクが支配していた言論空間に大きな風穴を開けた。

 

その功績は大きい。


東京裁判の判事で唯一の国際法専門家だったインドのパール判事は、ただ一人日本の被告人全員無罪の判決を書いた。

 

パール判事が広島で講演した際の言葉が本著で紹介されている。

 

「満州事変から大東亜戦争勃発にいたる真実の歴史を、どうか私の判決文を通して充分研究していただきたい。

 

日本の子弟が歪められた罪悪感を背負って、卑屈・頼廃に流されてゆくのを、私は見過ごして平然たるわけにはゆかない。

 

彼らの戦時宣伝(戦勝国による東京裁判の判決)の欺瞞を払拭せよ。誤られた歴史は書き換えられねばならない。」

 

パール判事は今の日本をどう見るだろうか。