2021年2月22日(月)
日本語教師養成講座で勉強を始めてから、早くも1か月が経過しました。
つい先日勉強した「社会言語学」が、かなり面白かったので、ご紹介しますね
「若者言葉」ご存知ですね☆
これ、社会言語学的には「言語変種」の一種なのです。「言語変種」とは、同一言語の中の異なった言語形式のことで、性別や年齢などの社会的な属性の違いによる「社会方言」と、地域の違いによる「地域方言」があります。
「地域方言」は、東日本方言、西日本方言、九州方言、琉球方言など。
「社会方言」は、男性言葉、女性言葉、若者言葉、幼児語などがあります。
さて、前置きはこのくらいにして、以下の「若者言葉」について分析してみましょう。
① マジ、ヤバくね?
(意味)すごく美味しくないですか?
② 超、うまっ!
(意味)すごく美味しいですね。
③ それな!
(意味)そうですね。
① 「マジ」は程度を表す副詞。「ヤバくね?」は「ヤバい」という形容詞に終助詞の「ね」を付けて同意を求めている。または「マジ、ヤバくないではないですか?」の「くない」が「くね?」に変化している可能性もある。
② 「超」も「マジ」と同じく程度を表す副詞で、「うまっ!」という形容詞を修飾している。このように「マジ、ヤバくね?」と「超、うまっ!」は同じ統語構造を持っている。
※ 「超」は「ずば抜けた性能、能力を持った」という意味を持ち、超能力、超合金、超電導のように、元々は後ろに漢語名詞しか付けられなかったが、若者により規制緩和がなされ、形容詞にも付けることができるようになったと考えられる。
※ 「超」は「程度副詞」の創造であり、元々貧困な程度副詞を増やす試みがなされている。このように「若者言葉」では、言語体系の不備や不足を補う試みも少なくないと言える。
③ 「それ」は前文を受ける文脈指示詞。これに終助詞の「な!」を付けている。
その他、文末につける(笑)、w、ww、が持つ役割なども丁寧に分析していただきました。なかなか興味深い講義でした〜
こんな勉強、なんの役に立つんだ?と思う方もいらっしゃいますよね。でも、いつか、日本語を勉強している外国人から「先生、『マジ、ヤバくね?』とはどういう意味ですか?」と聞かれる日が来るかもしれませんので
普段なかなか考えることのない「日本語」という言語について、分析的に捉える癖をつけておくことは、大事なことだなぁと思いました
(2021年2月22日掲載)