なんとも言えない虚脱感。
 
勅使川原三郎さん
佐東利穂子さん
公演後は
いつものことなのだが
今日は、いつものそれとは少し違う。
 
公演中にも、雷が落ちる音が使われていたが、実際に雷に打たれたかのような感覚。
 
すぐに電車には乗らず(正確には、乗れず)近くのカフェで頭と気持ちを整理している。
 
公演は
日常ではほとんど包まれることのなくなった
暗闇の中始まる(舞台のこの瞬間が好きだ)
 
会場が一瞬の静けさに包まれた後
ぼんやりとした光に
勅使川原三郎さんの顔だけが照らされ
公演ははじまった
 
強弱変化する風の音
リズミカルな時計の針音
雷の音
荘厳な楽曲
ダンスミュージック
様々な楽曲が色を変え音を変え会場を包み込む
(楽曲の説明が下手で申し訳ない)
 
それぞれによって
変化する
勅使川原三郎さん
佐東利穂子さんの
からだ
 
微細な動きからダイナミックな動き
スピーディーな動きから超スロー映像のようなスローな動き
縮むからだ、ひろがるからだ
 
公演を観ていて
いつも思う
こんなにもからだは自由なんだと
意思を持って動けるものだなのだと
 
しかし
ずっとみていると
意思を持って踊っているのか
ただからだが動いているのか
分からなくなる
 
ときには音楽と同一化してみえる
音楽のエネルギーで
踊っているようにみえる
 
からだの動きが繋がっていくようにみえる勅使川原三郎さんの動きをみていると
エネルギーの繋がりと動きをみている感覚に陥る
 
ときに宇宙を感じたりもする
 
踊りの中に
意識と無意識の行き来が
見え隠れする
 
見る度に
凄みを増していかれる
おふたりのダンスに圧倒され
公演は終えた
 
雷に打たれたのは公演後
 
勅使川原三郎さんが語られた一言 
先日のハバナでのこと
以下のことに気づかれ、佐東さんに話されたそうだ
 
ダンスが自分に重要だ
ということ
 
脳内に10人いる勅使川原さんが
顔を合わせて納得したらしい
 
ダンスが勅使川原三郎さんにとって重要だということを
 
今まで好きだとか仕事としてしているという感覚はあったが
この気づきは新鮮だったそうだ。
 
驚きだった。
30年以上に渡って創作活動されている
勅使川原三郎さんの意識にそれがのぼっておらず
そして、それが今のぼってきたことが。
 
その感覚を得られた直後の勅使川原三郎さんの公演を観られたことは本当に運がよく有難いことだ。
 
今回は特別公演と銘打たれていたが
いつもカラスアパラタスで公演されるアップデートダンスでは
毎回その名の通り更新し変化し続けられるお姿をみせていただいている。
 
ご自身にとってダンスが重要だと
意識された勅使川原三郎さんのダンスが身体表現がからだが今後どんなものをみせてくださるのか
楽しみでしょうがない。
 
そうして、それを目の前にしたとき
少しでも目の前で起きていることを感じ、理解できるよう
自分も日々精進したいと思う夜だった。
 
2018.4.15㈰ 18時公演 特別公演