2021年の月蝕の夜空にオオカミの声は響く
2021年の月蝕の夜空にオオカミの声は響く 2021.11.20
国立天文台が撮影した2021年5月26日の皆既月食
昨日の晩、
夜空を渡る月が欠けました。
月と地球と太陽が一直線に並ぶ瞬間、
オオカミの声が夜空に響き渡りました。
何の心配もない穏やかな幸せだけが
本当の幸せだとは限らないのです。
心が締めつけられるような痛みの中にも、
月に彩られた
潮の満ち引きのような幸せがあるのです。
愛しい人を想う痛みの中に輝く幸せ、
痛みの果てに愛する命を抱く幸せ、
落ち葉が美しい錦の川と流れゆく幸せ。
痛みは幸せを生み出す宝です。
里に下りて人に愛され生きる犬は
かけがえのない幸せを与えられているのだと思います。
何の心配もなく
日々穏やかに
晩御飯を与えられる喜びを謳う生き方も
素晴らしく里の人々を楽しませる事でしょう。
けれども
巫女が愛しているのは、
山の神々と共に生きる誇り高きオオカミなのです。
山で生きるオオカミは
世界の声にならない声を聞き、
神様の棲む森で
狩をして生きています。
きみの心の中から
痛みが消えました。
誇り高い
オオカミの魂が消えました。
心が締めつけられるような
痛みの中から生み出される、
ほんとうの
オオカミの心の声が消えました。
ぼくのオオカミどこ行った？
ブランドは、
ステレオボイスは、
ビジョンは、
NO.5は、
愛は死なないんじゃなかったのか？
誰も歩いていない道を
きみは歩いて行くんじゃなかったのか？
この夏、
出雲の神様の前でそのことを確認したんじゃなかったのか？
ぼくのオオカミ殺したのは誰？
それはわたしと着ぐるみが言った。
それはわたしとアサリが言った。
それはわたしと液晶モニターが言った。
それはわたしとシロミが言った。
それはわたしと豪華幕の内弁当が言った。
月蝕が近づいてくる
神様の森の泉で
オオカミに助けられた
人形が我に帰ると、
あの深い海の底で
深海の人魚が守っていた
きみの大切な
「楔」を呼び覚ましました。
そうして
人形は泣きながら
オオカミの錆びた牙を二つとも入れ替えました。
おまえはイヌじゃない
おまえはオオカミだ！
死ぬな死ぬな
生きろ生きろ
里の幸せを見つけても
山に生きる志を忘れないで
神様から授かった魂の声を
与えられる愛に溺れて枯らさないで
もう一度生まれてオオカミ
死んでも死んでも
何度でも
もう一度生まれてオオカミ
昨日の晩、
夜空を渡る月が欠けました。
月と地球と太陽が一直線に並ぶ瞬間、
オオカミの声が夜空に響き渡りました。
Happy Birthday To Everyone (12の調によるバースデー変奏曲）
2021年の月蝕の夜空にオオカミの声は響く
ハニー愛してる
かおり