幻のラブレターズ
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2019-01-22 01:11:33

100%巫女ジュース、海へ

テーマ:海と人魚とボーダーライン
100%巫女ジュース、海へ 2019.01.21



もう、

いつの間にか
時の流れるスピードが変わってしまって、

いつの間にか
心の箱の中の標準仕様が変わってしまって、

あの
白いワンピースの女の子は、

いったい
どこに行ってしまったのでしょう?





気が付くと、

誰かに酷いことを言われても
女の子の心はちっとも痛くなかったり、

気が付くと、

いつも何かを感じて震えていた
女の子の透明な心は、




冷凍庫の中に眠る
ガラスの動物園みたいに、

誰の目にも触れない遠い世界に、

美しい輝きは
隠されてしまったのかもしれません。




たぶん、



ずっと
女の子は幸せを探して

何度も何度も
愛をやり直そうとしたけれど、

その度に
あまりにも深く傷つき過ぎて



いつしか



もう、
女の子は、

冷凍庫の中のガラスの動物園の
物言わぬ動物たちと一緒に、

誰の目にも見えない
遠い世界に隠されてしまいました。




昔、
女の子が、

大切な大切な
大好きな男の子に

毎日のように書いていた
美しいラブレターは、

透き通るような心を震わせながら
透明な糸を紡いでいた日々の、

失われた
尊い宝物のようです。



その海の底に眠る美しい物語は、
いつまでも輝きを失うことなく、

これからも
ずっと、

生き続けていきます。





けれども、




あの頃と、
世界は、
あまりにも変わってしまいました。




空の星は
とても力強く輝く、

まばゆいほどに美しく輝く
眩しい星になりました。




誰もがその
美しさに溜め息をつき、

誰もが
その眩しさに心動かされる、

夜空の星は、
青空に輝く太陽になりました。




それは
女の子の願った幸せでした。

星の幸せを
心から願っていた女の子は




太陽の輝きに包まれて
とても幸せです。





たとえ、
女の子がひとりぼっちになっても、

それは
ずっと昔からそうで、

いまも
これからも
べつだん変わらないことだから、

とくべつに
悲しい事なんて何もないからです。




だから、

触れるとすぐ壊れてしまうような、
ガラスのような女の子の心は、

冷凍庫の中の
ガラスの動物園送りになってしまって、




いまは

100%オレンジの
100%巫女ジュースが、

毎日毎日
神様農場から出荷されて、

女の子が涙を流すようなことがあろうものなら、
その隙を与えることなく、

100%巫女ジュースは人を助けるために走り、
100%巫女ジュースは祈りを捧げるために歌い、
100%巫女ジュースは神様を喜ばせるために舞うだけです。



もう、



女の子の
声は失われてしまったのです。





だけど、




時々、

潮騒の音が聞こえると、

懐かしい
胸の痛みが蘇ってきます。




ずっと、
ひとりぼっちだった女の子が、

ずっと、
ひとりぼっちだった男の子に出会ってからの、




優しい海の物語を、

海は、

忘れることはないのです。





海が帰って来る時、

冷凍庫の中のガラスの動物たちは、
息を吹き返します。




ザザー ザザー
ザザー ザザー




神様ときみの前以外で、
ぼくは決して泣きません。

神様ときみが居るから、
ぼくはとても幸せです。





ザザー ザザー
ザザー ザザー





迎えに来て
迎えに来て






ザザー ザザー
ザザー ザザー








Alexandre Desplat - The Shape Of Water (Audio)
https://www.youtube.com/watch?v=HA8dDFFvOUw&list=RDbgqcG-vrU6k&index=18





ハニー愛してる

100%巫女ジュース、海へ

かおり
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