どうにかしてエナクトメント(enactment)について書いてみたくて。
エナクトメントは現代精神分析の最先端かつ最も重要な概念のひとつ。
だけど、ふつーの人はもとより、臨床家にとっても最も難しい概念だし。
エナクトメントとは、セラピスト・クライアント双方に「無意識的に行動や言葉(しぐさ・雰囲気・空想・沈黙なども含む)に現れること・表現されてしまうこと」を言います。え、それって行動化(アクティングアウト)じゃん、て?
でも、アクティングアウトよりもっと微妙な、空気感とか体感覚とかも含むの。
そんで、それは意識できないところで自然に立ち現われてくるのもの。
解離などの難しいクライエントさんには、この関係性を使わないと良くならないんです。
解離によってスパーンと切り離された何かは、関係性の中で、セラピストの体感覚や物想いや映像に何となく感じられると言えば少しはわかるかなあ?
これって、二人心理学、つまりセラピスト-クライエントという関係性があって初めて使えるのだ。