新しく担当になった先生は、
若い男の先生だった。
話す時、ずっと目を見てくれる先生で、
それだけでもこの先生で良かったと思えた。
パソコンから目を逸らさない医師は、
けっこう多いと思う。
医師からしてみたら、わたしなど多くの中の患者のひとり。
小さな質問にいちいち答えるのは面倒くさいのもわかる。
でもこちらからしたら、担当医はひとり。
そういう思いを何回もしてきたので、
目を見て話してくれる先生にあたって嬉しかった。
先生は「手術を検討中ってことで引き継いでますが、気持ちはどうですか?
急いでやらないとっていう症状ではないので、やろう!って思うんだったらやっちゃった方がいいし…どうしますか?」と聞いてくれた。
もうここで流れに乗ろうと思ったので、
「怖いけど、手術受けます。お願いします」と答えた。
コロナが落ち着いたら…なんてずっと言ってきたが、この時期、第5波が来ていて、東京だけでも毎日何千人も感染者が出ている時だったので、
手術日は決めるけれど、コロナの状況によっては、中止や延期になることもあるからと言われた。
ふだんの診察も、マスクは鼻だけ出して口には当ててカメラを入れているし、
先生もマスクにフェイスシールド。
耳鼻科は感染リスクが高いそう。
手術日は、3ヶ月後の夏の終わりに決まった。
怖いけど、ホッとした。
前へ進めると思った。
次の外来で、
術前検査をすることになった。
6週間前になればできるからということだったと思う。
病院の帰りに夫とショッピングモールへ行って、
お茶したり、食料品買ったりした。
なんだかとても楽しかったのを覚えている。