悉皆屋の悉皆とはことごとく.すべてという意味だそうです着物に対するすべてを受け持ち相談できます


呉服屋さんが小売り業なら悉皆屋は

サービス業ですね


そうしたお着物を請け負って大阪から京都へ江戸時代から和服全盛の太平洋戦争前までなくてはならない仕事でした


悉皆屋のこちらは染物をしたはった

あるところに昔昔ぃの兵庫県のお話です


放蕩息子の飲んだくれの極道もんまあ仕事もせんと遊びほうけたはりました


ある時お城のお侍さんが白絹を持ってきて10日程したらお殿様が江戸へ上らっしゃるそれまでにこれを紋服に染め上げくれというた


ここ私は京都だから言いたいこちらが上だから京都は上洛するゆうて上がりまするが


お江戸東国ごときには上がるなんて言葉は使われとおないそちら側は上がるんやなくて下がるんや話が進まんからここでやめとくけど


染めもんやの主人は有り難くもかしこまって引き受けた主人がその白絹に下地を練り込み乾かしていたら


息子が帰ってきてまあ酔っ払っていっちょ前な口を叩き言いたい放題殴ってええよ


「へんこんなもん染めていったいなんぼになるんでい。川んなか這いつくばって、冷てえ思いして洗って干していまだに貧乏じゃねえか。俺みたくバクチでもすりゃ銭なんて面白おかしくできんのによ」そう言うて

その絹地に泥を塗りつけた