12年前の今日

私はとっくに、病院にいた。

12年前、7/6に、日付けが変わってまもなく、陣痛と思われる痛みが、波のように寄せては引き…

私は、遂に来た！と、ドキドキしながら、井村やのあずきバーを食べ、病院に電話をした。

じゃ、ボチボチきてください～って言われて、夜中に病院に向かった。

最初は余裕で、もしか2、3時間の差だったら、7/7産まれって事にしてくれないかな～なんて考えていたが、待てど暮らせどチビゴは出てこなくて、何度もお風呂に入らされたり、鉄棒みたいなのにぶら下がったり、、、

やっとこさ出てきた時には、とっくに7/7だった

あの日、聖路加国際病院の窓から、見下ろした下界は、今日みたいな、カンカン照りの夏の日で、冷房のきいたなんとも神聖な病室で、チビゴのまだ目の開かない顔を眺め、ちっこい手をいじったり、足の指をさわったり、独特の幸せ感に包まれていたな～

初めてのお産だったから、本を熟読し、いつ、陣痛がきて、家を一週間開けてもいいように、余分なモノは買わず、洗いものなども、ためないようにしていた。

その日は、なんか、予感があったのか、油まみれのガス台を一週間放置するのもなんだな、と、ピカピカにして、準備万端で、井村やのあずきバーよ

そしたらさ、が、撮影が終わったから帰るって、電話があり、私は、多分陣痛が始まったっぽいから、間もなく病院にいくだろうから、食べるもの、なんか買ってきてほしい、と言うと、じゃ、餃子（近所に美味いお店があるもんで）買ってくよ、と快い返事だったので、ま、餃子で一杯やってくれ、と思っていた。

帰宅したは、餃子をテーブルに置き、シャワーにいった。

さすがに、お皿にはのっけてあげよう、と、餃子の袋を持つと、、、

なんと、冷たい…

もしや、生餃子を買ってきたのか… 

予感的中。

お持ち帰りの容器に、白い餃子がキレイに並んでいた。。。

何故、焼いてこない？

…でも、そのままでは食べれないし、仕方なく、ピカピカにお掃除されたガス台で、時々ギューってくるお腹をさすさすしながら、餃子を焼いたよ

シャワーから出てきたは、ご機嫌でビールを飲み、餃子が美味い！と喜んでいた

またガス台をキレイにし、あまりに悪気なく、なんの疑いもなく、生餃子を買ってきたを、半ば呆れた顔で、カウンター越しに見ていたら、視線を感じたのだろう、

「食べる？」

と聞かれ、倒れそうになった

「いい」

と答えて、荷物をまとめて、暫くして病院へと向かったのでした。

毎年、7/6になると、餃子焼いたな…と、必ず思う。

しかし、なぜ、焼いて帰ってこなかったのか？

…と、同じ疑問が、頭をぐるぐるするのでした

フツー焼くだろー

ってね