”絵なんか描かせないからね”と言われた過去 | kaori-doodleのブログ

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対人恐怖症、一人暮らしオバサンのお絵描き記録

以前、とある個人経営の小さなお店で、

働いていたことがあります。

 

当時私は30歳。

社員は私と社長兼オーナーの二人だけ。

 

その女社長は当時50歳。(日本人です)

 

今から考えると、超ブラックでした。

・休みは月1日だけ

・唯一の月1の休みでも社長の買い物やご飯の付き添い

・勤務時間朝10時から21時まで

・毎日その女社長(かな〜り巨体、体型・雰囲気共にマツコデラックスに激似)の全身マッサージ1時間

・大人数のお客さん相手の毎月の食事会(オヤジだらけ)で、ビールや醤油を注いで回れ、女なら当たり前だと言われる

・社長のアパートの合鍵を渡され、家事洗濯をやらされる

・給料手取り7万円

 

もちろん良いところもありましたが、

思い返すとネガティブなことの方が多いです。

 

そこですぐに辞めればいいものを、3年も働いていました。

その女社長が怖く、何も言い出せず、言われるがままでした。

 

休みをくださいと言った時も、

”なんで?仕事楽しいでしょ?のびのびやってんだから、休みなんかいらないわよ。”

って返されて、何も言い返すことができませんでした。

 

1年経った頃、一度だけ、辞めさせてください、とお願いしたことがあります。

あまりにも休みが少なすぎて、当時結婚していた夫やその家族からも心配されていました。

 

ところが辞めたいと言う言葉を言った途端、そのデブ女は、

『なんでそんなこと言うのぉ!』と泣き出したのです。

これにはびっくりしました。

 

何も言わない、言うことをなんでも聞く従順な私の口から

そんな言葉が出るとは思っていなかったようです(笑)

 

”かおりんと私は家族なのよ!あなたの本当の家族より繋がりは深いの!

休みが欲しいなら言えばいいじゃない。

これからはなんでも言って”

と、いつものごとくすごい勢いで捲し立てられ、

私もいつものごとく何も言い返せませんでした。

 

その結果、週一で休みがもらえるようになり、

給料は3倍に増えました。

 

そして、休みの日に絵画教室に通ってみたのです。

それが楽しくて楽しくて、デブ社長に話したことがありました。

明らかに、私が外で楽しみを見つけたことが気に入らないようでした。

 

ある日、私にこう言いました。

『これから仕事がどんどん入って、かおりんもっと忙しくなるわよ。もう絵なんか描かせないからね。』と。

 

そして、共通の知り合いたちに、私が絵を描くと言い出したことが

さも変なことかのように言いふらし、

デブ女取り巻きの奥様方も、なんで絵を描くの?なんて言い出す始末。

 

私も、絵を描くことは良くないことなんだと思うようになり、

3回ほど絵画教室に通った後、ぱったりと描かなくなりました。

 

そのあたりから、仕事を辞めることばかり考えていました。

 

その後色々あり、3年後に当時の夫と離婚することになり、同時にドイツへ行くことに決め、

そのおかげでそのデブ女とは離れることができました。

 

ドイツへ来てからも最初の半年は、メールが頻繁に来てました。

『ドイツと日本を繋げるような何かを一緒にやりましょう』と、意気込んでいらっしゃいました。

最初のうちはメールでやり取りをしていましたが、

そのうち私も徐々に返信しなくなり、ある時デブ女との全ての繋がりをブロックしました。

 

そして、2年半前、コロナの真っ最中、

再び絵を描き始めました。

 

それからは、誰にも絵を描くことを咎められたことはありません。

逆に応援してくれる方ばかりで、本当にありがたいです。

 

今の会社の同僚たち、上司も応援してくれています。

今日はアートのワークショップがあるから、少し早く帰らせてほしいというと、

快く承諾してくれます。

 

 

好きなことができると、人生が変わります。

楽しいと思える瞬間が増えます。

次はどんな絵を描こうかなとか、描きたい写真、物、景色を見ると

ワクワクします。

 

世の中には、親や周りに言われるがままで、

やりたいことができない人いっぱいいるんじゃないかなと思います。

そういうのを聞くと心が痛みます。

やりたいことやって欲しい。

 

今後もし、デブ女に会うようなことがあったら(絶対にないですが)

毎日楽しんで絵を描いてますよ、フルタイムで仕事もしながらね。

と笑顔で伝えたいです。