こんにちは。
ことりです。
残暑見舞い申し上げます。
この夏、ひょんなことから毎週末近くの湿原に通っています。
うちから車で30分、ぐんぐん登っていった標高1630mにある高層湿原。
元々ひとりでもよく行っていて、友人を連れて湿原をお散歩したり、周辺の山に登ったりもしていました。
夏には貴重な高山植物が次々と花開き、蝶々や虫たちが花に引き寄せられ飛び交っています。
まさに命の楽園。
湿原の虫や蝶たちはどこかのんびりしているような気がして、近くに寄っても逃げないことが多くまじまじと観察してしまいます。
以前書いたことがありますが、わたしは虫が人一倍苦手。そんなわたしが湿原の虫や生き物を見るとなんだか愛おしく思えてきて、その変化に心底驚いています。
高いところにあるので季節の移り変わりが平地よりも早く、2週間前には、あ、秋の空気に変わったなと感じました。
もうススキが咲き、赤とんぼも飛んでいます。
夏の終わり、秋の始まり。
これから緑はどんどん枯れていき、黄金色になっていきます。
先日夕暮れ時に湿原を歩いていると爽やかな風が吹いてきて、夕日に輝く湿原、お花、生き物たちの姿を見て、圧倒的な幸福感に包まれました。
こんなに美しい瞬間ってあるだろうか、と。
そしてとても不思議な気持ちになりました。
小さなことから大きなことまで、さまざまな分岐点を経て、今わたしはなぜだかここにこうして立っている。
花の種のように、ふわふわと飛んで、あちこち巡り、今はここ。
これからどこへ運ばれていくのだろう。
なんの脈絡もなく、なんの意図もなく、ただ風に吹かれ、なすがままのようでありながら、全てが起こるべくして起こったような、偶然と運命を縦糸と横糸として織りなす人生。
そういうことを考えるというより感じる時間。
豊かなひととき。
最近、夜更けの静かな時に、鹿の鳴き声が聞こえてくることがあります。
甲高い鳴き声。
これまでは、孤独を感じる時、その反対にあるものは人の温もりだと思っていたけれど、今は、それだけではないんだなと感じます。
わたしたちの周りには命が溢れている。植物や小さな生き物たちから、大きなものたちまで。
わたしはこの地球上のその多くの命のひとつなんだと。
夜の暗闇の中、庭の草の陰には虫たちが、森では鳥が羽を休め、近くに鹿の群れがいて、その先には熊たちだっている。
同じ時間を過ごしている。
わたしはひとりじゃない。多くの命に囲まれているんだ。
日々いかに狭い視野の中で生きているかに気づきます。
ある人が、今地球に生きているわたしたちは「地球が喜ぶことをする」役割があると言われていました。
「自分を喜ばせる」というフェーズはもう終わった、とも。自分を喜ばせるというのは、土台であり、かつ地球を喜ばせる中のひとつの要素。
今それがとてもしっくりきます。
裏を返せば、「自分が今やっていることは、地球を喜ばせることになっているだろうか」と考えることが必要だ、と。
地球を喜ばせるというとなんだか大袈裟で、環境に配慮するとか、自然を守るとか、大きなことをしないといけないようですが、もっと身近にできることはありますよね。
道端に咲く花を見て笑顔になることや、隣にいる人を喜ばせることだって、引いては地球を喜ばせることになる。
ただ、地球を喜ばせることをするという意識を持つことは自分の行動基準になるので、心に留めておきたい。
特にわたしはここ数年でどんどん自然の中にいる時間が増えてきて、日々地球の美しさ、厳しさ、恐ろしさを肌で感じ、地球のためにできること、地球に生きるものたちのためにできること、という視点を自然と持つようになってきています。
これからもっと自分なりに行動したり、発信したりしていきたい。
時代が変わっていること体で感じます。
これからは、当たり前に良いことをしようとする人が日の目を見る時代です。
自分だけが良ければいいという人が栄える時代は終わったように感じます。
私利私欲のために人を騙したり貶めたり蔑んだりして生きてきた人たちは、淘汰されていく。
どんな世界でも、人に親切な人、裏表がない人、誠実な人、純粋な人、素直な人、優しい人、そういう人しか生き残ってはいけないし、人に受け入れてもらえない。
そんなの当たり前のことでしょ?と思う人もいるでしょうがそうではない時代もあった。
正直ものは馬鹿を見る、要領の良い人がうまくいく、そんな風潮があり、良い人というのが、褒め言葉として使われていなかった。
損しないように、貧乏くじを引かないように、負け組にならないように、うまく立ち回り、小賢しく、格好つけて、露悪的に、時には人を蹴落として生きることを学ばされてきた。
でもこれからは違います。
安心して、正直に、素直にいていい。
変な言い方ですが、良い人でいていいんです。
自然の中に身を置くとそういうことが当たり前のことだと感じられます。
素直に、まっすぐに、背伸びせず、のびのび、わたしらしくいる。
それもまた地球を喜ばせることです。
ヤナギラン
芋虫が2匹います
ワレモコウに赤とんぼ
穂が開く前の赤いススキ
ここから穂が開いて、黄金色になっていきます。
ボタンズル
アサマフウロ
マツムシソウ
ヒョウモンチョウ、まだ夏の初めで生まれたてで羽が綺麗で色も濃い
こちらはひと夏を終えて羽がボロボロ
ちなみに止まっているお花は似ていますが、上はノアザミ、下はノハラアザミ
シジミチョウ
最長2000kmも移動すると言われている渡り蝶、アサギマダラ
小さな岩にアオサギ
秋の湿原も楽しみです。
ことり