主演の柚香光さん、星風まどかさんの退団公演です。
#感想、長ーいです🌀
舞台は第二次世界大戦下、ナチス・ドイツが間際に迫るパリ。中堅レビュー劇場アルカンシェルのスターダンサー・マルセルはユダヤ系の人々が亡命する中、歌姫・カトリーヌと共に劇場の舵取りを任される立場となってしまう。ドイツ軍によってレビューには色々な制限が課されるが、レビューに理解のあるドイツ軍文化統制副官・フリードリッヒと密かに連携しながら新しいレビューを模索する。やがて、時が経ち戦況が変化。ヒットラーは撤退前にパリ爆破命令を出し・・・というお話。パリ解放までの約4年間が描かれます。
以前に観た「凱旋門-エリッヒ・マリア・レマルクの小説による-」(これは名作だと思ってます)とほぼ同じ時期、場所のお話ですが、随分雰囲気が異なりました。凱旋門は亡命者の視点からのパリでしたが、こちらは市民から視たパリ。パリ市の紋章に記された「たゆたえども沈まず= どんなに強い風が吹いても、揺れるだけで沈みはしない」が物語のテーマの一つとなっており、今はドイツ統治下にあるけれども全てを明け渡すわけではない、パリは滅びるわけではない、機会を待つのだ、という1940年代のパリに住む人々の想いを感じられる舞台でした。
↑パリ市の紋章
作・演出は小池修一郎さん。アルカンシェルゆかりの現代の登場人物が過去を語る、という形で物語が進行し、第三者目線でお芝居を俯瞰するような感じ。面白かったです。
レビュー劇場がお芝居の舞台なので、初っ端からレビューがたくさん出てくる!ウィンナワルツ、ジャズ、ラテンなど。レビュー場面が華やかで楽しい。
そして、後からこんな意味があったのか、と気づかされるパリ市紋章、転換する舞台や地下水道などの舞台美術が好みだなぁと思ったら松井るみさんでした。松井さんの舞台美術、好きです✨
主人公マルセル役の柚香さんは、最初は一ダンサーであったのが、ドイツ軍占領下では自分の芸術的表現よりレビュー劇場の存続を一番に考え、結果的に皆の精神的支柱になる役どころ。
今までに「ザ・スター✨」なフランツ・リストや王子様系の集大成のうたかたの恋・ルドルフを見てきてとても素敵だったのですが、このリアルな等身大の役もとても合っていました。歌もお芝居も、すごくしっくりきてじーん、としました。
歌姫役の星風さん。これもぴったりですね✨美しい歌声にうっとり。
面白いなと思ったのは、今回、「待つ」のはヒーローで、ヒロインは「待たれる」方なのです。タカラヅカにしては珍しいのでは。カッコいい女性で、素敵でした。
ドイツ軍文化統制副官役の永久輝せあさん。敵国ながら清廉潔白、理想を諦めないダーク成分ゼロの役どころ。いや、そんな人いないよね?と思いつつ、いたら素敵だなぁと思う。熱くなりすぎず演じていて、爽やかでした。この人物が主人公でも面白い話になりそう。
この人は誰⁉️と後からHPで名前をチェックしたのは狂言まわしの役の聖乃あすかさん。お芝居も歌も上手い!タイム・トラベラーのようにあちこちの場面に入り込み、人々のやり取りを眺め、時には場面を進めるという役なのだけど、出過ぎず埋没し過ぎず存在感が絶妙。今後注目して観たいです👀
今回はミュージカル一本立て。でも、最後に少しだけ大階段を使ったショーがあります。その柚香さんの素敵なことといったら・・・!この方は手の所作が本当に美しい。顎クイや娘役の頬に手を当てる仕草に悶絶しておりました😆 デュエットダンスも柚香さんならでは。少女マンガの王子様がいたら、きっとこんな感じ💓見れて良かった。
と、めちゃ長くなってしまった💦 こういったお話は好きなのでつい。
今回も夢の世界を堪能しました😌