昨年「エリザベート」を観てから是非とも観たかったミュージカル。最後の最後に運良くチケットが取れました🎫
エリザベートを手がけたミヒャエル・クンツェさんとシルヴェスター・リーヴァイさんコンビの最新作です。
脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲 シルヴェスター・リーヴァイ
演出 ギル・メーメルト
出演
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 井上芳雄
アントニー・ブレンターノ 花總まり
カスパール・ヴァン・ベートーヴェン 小野田龍之介
ベッティーナ・ブレンターノ 木下晴香
バプティスト・フィッツオーク 渡辺大輔
ヨハンナ・ベートーヴェン 実咲凛音
フェルディナント・キンスキー公 吉野圭吾
フランツ・ブレンターノ 佐藤隆紀
ベートーヴェンの音楽に捧げた人生を「叶わぬ恋」を中心に描くミュージカル。ベートーヴェンには「不滅の愛」を捧げた恋人がいたとされ、投函されることのなかった彼女宛ての手紙が残されているそうです。相手が誰だったのか特定はされていないようですが、今作では銀行家フランツ・ブレンターノの妻アントニー・ブレンターノとして描かれています。
オリジナル曲が中心ですが、ベートーヴェンの名曲も出てきて耳にも楽しい。不遜・孤独・天才・歓喜・情熱・絶望・不屈。そんなキーワードが散りばめられた舞台でした。
ベートーヴェンといえば、さえない風貌のイメージがありますが、井上さんがその雰囲気を見事に再現。猫背でぼさっとした服装、もじゃもじゃの髪、せっかちな動き。だけど、いったんタクトを振るとめちゃくちゃカッコいい。恋への歓喜と聴力を失う絶望が伝わってくるお芝居で、歌はさすがの迫力。特に後半の歌が美しかったです。
花總さんのアントニーは可憐なのだけど、だんだん覚悟を決めていって夫のフランツに対峙する場面がカッコよかったです。フランツとの緊迫した合唱、最高でした。
フランツ役の佐藤さんはずっと聴いていたい美声。このフランツが最初から最後まで嫌なヤツなのですが、存在感があり説得力がありました。テーマのように歌っていたナンバーがとても良かったです。
弟カスパールは暗い話の中で救いとなる清涼剤のような存在。天使みたいな描かれ方のように感じましたが(史実はどうだったのか気になる)、小野田さんの穏やかな甘い声がぴったりでした。
芸術文化センターの大ホールは木の質感が素敵で4階まである造り。終演後の挨拶にもありましたが、このミュージカルの雰囲気にぴったりで気分が上がりました✨