しばらく娘の話題ばかりでしたので、
久しぶりに息子ネタを…。
忘れられないエピソードを…。
小学3年生で、まだ体は小さく体力も無かったあの頃…。
バッターボックスに立つと、
こんな声をかけられていました。
「ボールをよく見ろ~‼️」
「待て!」
その通りにしていると…、
フォアボール~✨
審判のその言葉で息子は塁に出る。
だいたいその年頃の子供は待てと言われても
打つ!
バットを、振る!
そして即効でアウト!
ほとんど相手は上級生(おおよそ五年生)の大柄バッテリーです。
小さな息子の狭いストライクゾーンに
苦労してしまいます。
だから、「打つな、待て!」の声がかかります。
こんな試合を何度か繰り返すと、
息子の技量がある意味上がりました。
明かなストライクボールが来たら、
バットにチョコンと当ててファールにするのです。
そして、ファールとボールの判定を繰り返し、
ボール4つでフォアボール!
で、塁に出る。
上級生の重いボールを力の無い自分が打ち返しても、ボテボテのゴロ。
たまにまともに当たっても、外野止まりです。
相手がエラーでもしてくれなければ、すぐに取られてアウトになる確率が高い。
そこで自分の背の低さを利用して、
ひたすら相手のピッチャーがミス(ボール)を
投げてくれることを待つ作戦に出る。
情けない戦法ですが、体の小さな息子なりに考えて、結果的にはチームにも貢献(?)できるのならば…、まっ、いいか
と、考えていたのですが、主人は不満だったようです。
毎試合、朝早く起きて息子と庭でバッティング練習をしてから野球場へ出発していました。
そんなある日、息子の意識を変える出来事が起きました。
なかなか点が入らなかった時に息子の打順が来ました。
待って待って、粘って粘って、
2ストライク、3ボール。
あと一つのボール判定でフォアボールで出塁できます。
ピッチャーが投げる。
息子は見送りました。
しかしその瞬間、主審は
ストライク! バッターアウト!
驚いた顔で主審を見る息子。
ベンチに戻ってガックリしています。
その晩の息子は珍しく言い訳をしていました。
あれは絶対にボールだった!
審判のせいでぼくはアウトになった!
あのとき塁に出ていれば、次のヒットで点が入ったのに!
その時、主人は息子に言いました。
「お前は審判と野球をやってるのか?」
「バッターは打たなきゃ意味がない、本来の野球は、投手が投げたボールをいかに打つかってことで始まるスポーツだ、お前のやってることは作戦としてはいいけども、それを本来の目的にしてはダメなんだ。」
「フォアボールばっかりの試合を見てお前は楽しいか?」
でも!僕が打ってもゴロにしかならないから、それなら待ってフォアボールで出塁した方がチームの為になると思って…」
「わかるよ。でもね、監督の指示はよく見て打て!だったな?
ボテボテのゴロになろうが、フライになろうが、打っても良かったんだ。」
「審判の判定なんてあてにするな。
自分のバッティングを信じろ!
ストライクかボールかなんてどうでもいいんだよ、キャッチャーミットに入る前にお前が打てばいいだけだ!」
息子は黙っていました。
子供達が寝静まった後、主人が話しました。
「勝つために、フォアボールも使いようだ。
でも、どんなに強い投手が投げる球にも、
バッターボックスの中で立ち向かう気持ちが大事なんだ。誰よりも練習している自分を信じる気持ちが大事なんだ。
フォアボールは確かにチームの勝利には貢献できるかもしれない…。
だけど、将来のアイツのためにはならない。」
「マウンドに立つピッチャーは味方が打ってくれることを願ってる。点が入らなくてつらい時のピッチャーの気持ちを上げるのは、味方の攻撃しかない。チームを盛り上げ、信頼される選手っていうのは、苦しい時に打てる選手なんだ。」
「アイツには信頼される選手になって欲しい」
「★は打てるようになるのかな…?」
打てる!すでに打ってる。
アイツはストライクボールにもうバットを当てているからな。
振り抜いていないだけだ。
完全にボールが見えていて、ストライクになるかボールになるかを瞬時に判断して、
どこに当てればフォアボールになるか分かってるんだ。
ところで、
今日のあの一球はストライクだったの?
…
もちろん、ストライクだ。