簪文化が発展し定着したのは、季節を愛でることと、縁起を担ぐ風習、そして結髪文化があったからでしょう。
そもそも簪の意匠で特に多いのは、四季折々の美しい情景や動植物、また縁起の良い意味合いをもつ存在。
簪の語源ともなった挿頭(かざし)も、季節の花を頭に飾り神事をおこなったとされているため、神聖なものなのですね。
また、かつて簪の祖となるものは、魔除けの意味から用いられていました。
日本ではこのように、簪の祖や語源となったものは、特別な存在なのですよ。
それに加えて日本髪を結う習慣も生まれたため、簪文化は日本独自のものとしても、見事に発展したのです!
簪の意匠に着目すれば、日本人が持つ美意識であったり、植物を愛でる想いが実感できるでしょう。
一人のカンザシストとして、私は日本で今なお、簪文化があることをとても嬉しく思います。
いつの時代になっても、日本人は季節を愛でるし縁起を担ぐもの。
簪は日本人の特性にしっかりと合っていき、時代と共に変化もしているのですね。
せっかくここまで簪文化が続いているのですから、やっぱり廃れることは避けたいもの。
私はより簪文化をこれからも発展させ、人々に愛でてもらえるようにするため、尽力してまいります。