江戸川乱歩パノラマ朗読劇 五人の明智小五郎【何者】 /ヘロヘロQカムパニー | ゆるりとしましょ

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気を張らずにいきましょ。それがイチバン♪

出演:佐藤拓也 光部樹 岩崎諒太 岡田雄樹 稲垣祐希絵 
飯田誠規 松本和子 置鮎龍太郎 関智一 

 

ヘロQ的には初の朗読劇。それも、演目が江戸川乱歩の明智小五郎シリーズ。
同じ作品をキャスト替えしてやるのではなく「作品自体」も変えて明智役を
日替わりゲストに据えて
公演するという変わった形式でした。


私が行ったのは、さとたく回の昼夜。明智シリーズ的に少年探偵団などが
出てくるよりも前の作品で、さとたくがタイトル的には「明智小五郎」だと

分かっていたけど、この話の中では主に「赤井」という青年として彼はいました。

 

会場入りしてまずびっくりしたのは、しっかりとしたセットが組まれていたこと。
本棚や積み重なった本の山、怪しげな絵や調度品が所せましと置かれてて、

一見すれば朗読劇が行われるとは思えないくらい、世界がしっかり作られてた。

やがて始まった本公演は、朗読とストレートプレイのちょうど真ん中にあるような

作品でした。

 

ちぃちは、物語中の「私」役。作中の地の文も読み上げるストーリーテラーでもあり

キャラクターでもある役どころ。会話だけ進む感じじゃないのがまた珍しいかも。

薄くもなく濃くもない聴きよいテンポと口調で物語に誘ってくれるので

お話の世界に入りやすい感じ。
 

赤井のさとたく

基本、真意の見えない笑顔を湛えた人。奇妙な雰囲気で癖が強い。
もじゃもじゃの頭によれたシャツ姿。
劇中、一人だけ衣装替えが3度程あり、金箔まみれになった時と

最後の人が同じとは思えないくらいw
衣装替えで彼の風貌に変化があるのでから、視覚的情報から

状況が理解しやすく有難い。

ちなみに最後に来ていたベスト姿がまたお似合いでございました。

 

犯人たる弘一を追い詰める姿が圧巻で、弘一役の光部くんは

この時、とても敵わない相手を前にしている気分だったとか。

(のちのアフタートークで語ってました。)

 

 

そして夜の部で、さとたくの「赤井」がまた違うアプローチを加えたものを

見せてきてびっくりした。

 

芯は同じだけど湿度が違う赤井になってる。

本人曰く昼の部はからっとした変態で、夜の部は皮を一枚一枚はぐような

湿った感じの変態だったと。

確かに推理への執着性というか、変態性が濃くなってる感じがした。

推理への、人間の深部への興味が増してる感じでそこにいて、追い詰め方も

何ともいやらしい。

そして、最後の明智としてのさようならの言い方よ!

とても憎らしい「さようなら」が聴けた気がする。

 

光部くんの演技も観てて(聞いてて)私的にとても好きで、自身の推理を

語るシーンで、陶酔してる様が弘一のキャラをよく表していたかと。
自分で仕掛けたトリックを詳しく推理して聞かせていくんだけど、だんだんと

気持ちよくなっていく感じというか・・・。
そんな彼のあり様を目にして、明智が感じていたのは「浅はかな思考を持つ

彼への軽蔑」だった気がする。
夜の部での追い込み方にその感情が見え隠れしてる様に感じて、

ちょっと震えたです。
ちなみに、夜の部の方が恐怖感が強かったらしいですよ、光部くん。

なんだったら、やられるとすら思ったとか。確かにその感じわかるw

 

公演後のアフタートークは、あまり間を置かずにスタート。
というか、さとたくやちぃち、光部くんは舞台上から一度もはけないまま、

アフタートークって流れだったので、キャラの顔から自我が下りてくるような

トコロもちらっと見えて有難き。
有難いと言えば、舞台の演じたキャラについて話す機会って、そう多くある

訳じゃないから、どんな気持ちで役を作ってたとかいう話が聴けたのは、

貴重だったかと。
さとたくってそこまで深くキャラ作りについて語ってる印象が無くてレアな

機会だなぁと思って聞いておりました。

ちぃち、さとたくのことホントに気に入ってる模様。

サトタクの明智は変態だ(褒めてる) と口にしてて、昼夜で演技の色を

変えてきたことにもご満悦だった様子。


昼の部では「もし、またうちでやるならどんなのやりたい?」とさとたくに尋ねたちぃち。

「ここでそんなこと言ったら、ホントになっちゃうじゃないですか」とドキドキのさとたく。
舞台上で事実上のオファーを受けるw 外堀から埋める手口、さすが座長です。
ちなみに、出たい気持ちはあれど、これまでのへロQ作品をおっきーからDVDを借りて見た

あとでは、簡単には言えないとw さとたくは言っておりました。
確かに活劇系もやるヘロQだから、フル参戦するとなれば覚悟も必要でしょうね。

体力的にも(笑)


とか言いながら、20年に公演予定だった「マジンガーZ」も気になると漏らせば、

ちぃちはニヤッとして「11月にやる予定だから、じゃあさとたくも出る?」と聞くしw

次回公演の演目がちぃちの中で決まってたことを知らなかったさとたくは

驚くばかりでありました。
 

まぁ、11月公演は無理でもヘロQの客演自体は今後ありそうな予感もするし、

それを願う一人でもあります。
舞台芝居にハマっていく彼を今後も観ていられたら、それは何より嬉しいことですわ。