強度実験による人工乾燥材はかなり弱い | カンザキのWeb住まい塾

 

 


今の時代、高温人工乾燥材が出回っています。住宅メーカーの構造材をはじめ、材木屋でも、檜の柱は人工乾燥されたものです。自然乾燥材はなかなか手に入りません。そこで、人工乾燥材と自然乾燥材材で、写真(A)のような曲げ強度実験をしました。 

 

   

 

写真(B)は檜の高温人工乾燥された柱を、中心から半分に割ったものです。芯(中心)が割れています。
写真(C)は杉の高温人工乾燥された柱を、同じように、中心で割りました。やはり、芯(中心)が割れています。

 

  


これらを、実験用の寸法に合わせ、5.5 センチ角にします。自然に乾燥した檜とすぎを用意します。最後にパイン(欧米松)の集成材を測定します。 試験体に番号をふります。

 

  

 

  

 

 

が檜自然乾燥材、が檜人工乾燥材。は杉自然乾燥材、は杉人工乾燥材。がパインの集成材です。パインの集成材は、接着剤が良く着くように、松の油や水分を抜きます。130 度という高温で 10 日以上蒸します。これは、高温乾燥です。 実験結果が 表 です。

縦方向が強度で、横方向は曲がりの寸法です。 横にした木に上から力を加えると、曲げ強度が強い木は強く反発するので、垂直方向に立ち上がっていきます。人工乾燥材はの檜や杉、パインの集成材は、立ち上がり角度は小さくなります。の杉の自然乾燥材はの杉の自然乾燥材より約 20パーセント弱くなっています ここで驚くことに、芯がボロボロになっても、杉の人工乾燥材がより多く曲がっても大丈夫なのです。杉はねばり強く、地震にも、横にタワンでも、復元力があることがわかります。 もう一つ。パインの集成材は、建築家や構造を専門とする人にも強いと信頼され、構造計算用に用いられていますが、私が何回も実験しても、強い数値は出ませんでした。