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神﨑隆洋の免振装置

 

大地震が起きても地球の揺れを上の建物へほとんど伝えない装置。私が独自に考えた免振装置は、アメリカ合衆国での特許を取得しました。

 

アメリカで特許の申請をすると、同じような考え方が世界中の国々で特許になっていないか、研究機関で公式の論文が出ていないかを調べてくれます。

 

その中で私の考えに非常に近いというものを参考資料(reference)として送ってきてくれます。

その資料と似ていても、私のものはそれとは全く異なることを理論的に書いて返信、するとまた、「似ている」という他の論文を送ってくる。

何度もやり取りを重ねました(このやり取りは非常にエキサイティングで、大変楽しかった思い出深いものです)。

 

そして、ついに世界中のどこにもないことが認められ、正式に特許になりました。下記が認められた書類の一部です。

(2010.9.28  US 7.802.369.B2 アメリカ合衆国特許証)

この特許の「免振装置」を分かりやすく説明すると、大地震の時、基礎が人工地盤から浮き上がり、地震の揺れが上の建物に伝わらない。という方法です。

 

ポイントは、平時、建物の重さで摩擦が働き台風の風でも動かない、ということ。

ステンレスシートを上に敷き、ステンレスの湾曲盤を上下に置き、その上にステンレスの鋼球を置き、その上にさらにステンレスの湾曲盤を置きます。

次に、上から基礎コンクリートを打ちます。

ⓐ・ⓑのコンクリートを打つのは、そのまま順次打てばよい。

ⓐ・ⓑの間にステンレス板が入るのでⓐ・ⓑは密着しますが、接着にはなりません。

ステンレスコンクリートの摩擦の関係で、大地震の時に滑って左右にずれます。

大地震の時、左右の力で鋼球が移動し、ⓐ・ⓑは上下隙間を作り浮き、地震の揺れを建物に伝えません。

 

 

現在も、私的なものではありますが、「建築科学研究所」と銘打って、建築に関する種々様々な素朴な疑問を科学的に解明しようと日々研究しております。