子供たちの勉強を見ていると、子供たちに課される課題は凡そ暗記・思考力・調査に分類できるということがわかります。でも、実態はみな容易な暗記モノになっています。

漢字は暗記です。これはもう仕方がない。判らなかったら何度でも調べて暗記。漢字学習の際に子供が国語辞典や漢字辞典を使っていなかったら何かがおかしいです。辞書の使い方は小3まで習わないので、低学年のお子さんには保護者の方が教えてあげてください。

算数のほとんどは思考力。...のはずですが自力で解くことはあまり推奨されておらず、定型の解き方を暗記して適用する訓練がされます。解き方に合わせて出題されるのですからあべこべです。

理科は調査科目だと思うのですが、調査に費やす時間はないので膨大な暗記科目になっています。有袋類と言われたら例に挙がっているカンガルーとコアラは絶対に覚えねばなりませんが、有袋類について調べてフクロアリクイやフクロモモンガなどにたどり着いて「へぇ~、奇妙な動物もいるんだなぁ」と驚くことは期待されていません。問題集の回答例にも書かれていないエキゾチックな新種を回答することは禁止されないまでも挑発的な危険人物とみなされるでしょう。

社会は調査と思考力だと思うけれど、これも暗記科目です。経済状況に応じて名産地はすぐに変わってしまうし、地名ですら永遠ではありません。史実とその評価も虚ろいゆくものです。聞かれる都度最新のデータを効率よく調べ、データに基づいて評価する能力が大切だと思います。評論風の答案は先進的な試験では問われることもあるようになってきたそうですが、採点に手間がかかるのであまり普及していません。

今は昔よりもずっと簡単に調べられるのだから必要に応じて調べる習慣をつけることがとても大切だと多くの大人が気が付いているのに、子供たちがきちんとものを調べものをする姿をほとんど見かけません。判らないことは調べればいいと思うのですが、どう調べたらいいか教わっていないので、答え合わせをして間違っていたらそこだけを調べ直してもう一度覚える...というサイクルで学習します。調べると言っても薄っぺらい教科書や、参考書から答えを見つけるのは、膨大な情報の中から正しそうなことを調べていくのとは大きく異なります。判らないことは丸付けをする前に調べればいいと思うのですが、面倒に感じたり、先に答えを盗み見するようでいけないことのように感じるようで抵抗されます。

調べさせ、それを消化しながらよく考えて、自分なりの結論に辿りつくには時間がかかるから学校ではやらないのでしょうか。巷では、子供に調べさせたり考えさせたりさせるワークショップや習い事が増えていますが、半日のワークショップや週1の習い事ではなかなか十分に取り組めません。実験室や図書室など設備が充実した学校で毎日コツコツ取り組めると一番いいのにねぇ...などと思う今日この頃です。

習っていることがいずれ古くなることも知らされず、情報をアップデートするための調べ方も教わらないまま一生懸命に暗記した事柄が、情報はどんどん更新されるので、子供たちが大人になったときに役に立つのかなぁと少々心配です。

これからの時代は...
× 調べものをする時間があったらこのまとめをサッサと暗記しなさい。
○ 知ってることを暗記するぐらいなら、知らないことを調べなさい。
...です。