天才の傑作に浸る日
~A day immersed in his masterpieces~


12月1日は想定外のことが重なり予定ねしていたよりも遥かに忙しい一日でした。一日の終わりにはクラシック・コンサートの予定もあります。あ~、もう行くのをよほど諦めようと思ったのですが師走の初日にクラシック音楽を聞いてからその後の慌ただしい日々に突入したいと思っていたので無謀にも行くことに。会場に到着したのは開演時間ギリギリ。演奏前に到着出来ただけよしとしよう。

今日のコンサートはヴィオラ奏者・編曲者の小早川麻実子女史のコンサート。小早川さんのコンサートには過去3回行っている。前回は東京カテドラル関口教会のコンサートだったのだけれどこのときはブログを書いていません。ビオラ、チェロ、ピアノ、パイプオルガンがあの大聖堂の中に響き渡る素晴らしい演奏会だったのに、子連れだったため音楽を聴くことに没頭できずやや消化不良。今回は迷わず子供を置いて行きましたw

音楽をきちんと勉強したわけではない私のミーハー目線での鑑賞備忘録。

天才はベートーベンやモーツァルトに使われることが多いのでメンデルスゾーンはちよっと意外でした。楽譜を読み込むと天才なのかな。ボキャブラリーに乏しい私がメンデルスゾーンを一言で表現するなら「つるつる・なめらか」

メンデルスゾーンには私でも知っている代表作がたくさんあるけれど、今回のコンサートで私がオリジナルの楽曲を知っているものは1つもありませんでした。でも、メンデルスゾーンの「つるつる・なめらか」感は共通していて、モーツァルトの流れを感じさせるけれどモーツァルトのような派手さがなく、流れるようななめらかさがメンデルスゾーンの持ち味と感じました。

サントリーホールのブルーローズは初めてでしたが、室内楽のコンサートはこれぐらいの大きさのホールがいいなぁと実感しました。ぎりぎりだったので後方中央からやや左寄りの席でしたが、それぞれの楽器ごとの音がきれいに重なってよい響きでした。シンメトリのホールのようでいて、壁の吸音材や天井のマイクはアシンメトリに設置されていたので音の流れが研究されつくした部屋なのでしょうか。どこに座っても当たりはずれがない良い響きなのか興味がわきました。昔の貴族もこのホールか、これよりやや小さい広間で室内楽を楽しんだのでしょうか。BlueNoteでの試みでは余計な音が聞こえず素の音が出て面白いと感じたのですが、室内楽用のホールで聞いてしまうと断然よいですね。楽器に合わせてホールが出来たのか、ホールに合わせて楽器ができたのかわかりませんが、室内楽はもう大きなコンサートホールでは聞く気がしません。客席数を考えたら大変贅沢なことですね。

小早川氏のコンサートが面白いのは編曲者自らが演奏をしていることであり、演奏者自らがが編曲をしていることだと思います。

1.Concert Piece in D minor, Op.114 (arr. for Viola, Cello and Piano)
最後のほうのヴィオラとチェロの息があった二重奏がとても楽しい一曲でした。もともとはクラリネット・ホルン・ピアノのの三重奏だったそう。娘がクラリネットを習い始めたのでクラリネット初心者とヴィオラの8小節ぐらいの小さな作品作ってくださ~い。編曲が出来るのが本当に羨ましいです。

2.Albumblatt in E minor, Op.117
メンデルスゾーンらしい、つるつる、なめらか感いっぱいの作品でした。

3.Cello Sonata No.2 in D major, Op.58
この楽曲はチェロの演奏が玄人はだしのロシア大使館事務次官だったロシア人伯爵のために作曲した曲とのこと。この曲をもらってに弾きこなせる外交官カッコよすぎます。ロシアの華やかな外交時代を彷彿とさせる、きらびやかな一曲でした。ハープのようなピアノ。ハープでも聞いてみたい気がします。

休憩時間にバーでワインを頼んだら、主催者の方からのサービスですとのこと。
I様、カッコよすぎます。ごちそうさまでした。

4.String Quartet No.4 in E minor, Op.44, No2. (arr For Viola and Piano)
休憩のあとはいよいよ弦楽四重奏と弦楽八重奏の編曲。休憩中に帰ってしまった人、分かっていないなぁ。最初の頃に開催されていたプライベート・コンサートでは小早川氏による解説があったのだけれど、今日はそういったものが何もなかったので初めての人には見どころが分かりづらかったのかも。筋金入りのクラシックファンを集めたコンサートではなく、気軽に音楽を楽しんで欲しいというコンサートではプログラムの解説を配布してもトークはあったほうが楽しい気がします。第二楽章: ボレロのような練習曲のようなクリアで端正な音が心地よかったです。後でyou tubeで四重奏を聴いてみたら働き蜂が飛び回っているようなにぎやかな曲で驚きました。思い切ってバッサリとシンプルに編曲されたのですね。小早川版機会があればまた聞きたいです。第三楽章: 今風にいうならDisneyの映画音楽のような美しさ。ドラマがあって好きです。第四楽章: 編曲とわからず、こういう曲なんだとそのまま聴き入ってしまいそう。完成度が高いという表現が正しいのかもしれませんが、きれいにまとまりすぎていてちょっと退屈にも感じました。4年前、初めてプライベート・コンサートに行ったときの感想に「譜面を分析した知的な演奏」と書いたのですが、そのときからとても進化しているように感じました。

5.Octet in E-flat major, Op.20 (arr.For Viola, Cello and Piano)
メンデルスゾーン16歳のときの、お友達への誕生日プレゼントの作品だそうです。直球の出だしが若々しい清く正しいクラシック。メンデルスゾーン、モーツァルト、ピカソ...早熟な天才たちに思いを馳せたひと時でした。メンデルスゾーンも天才、その楽譜を紐解いて編曲する小早川さんも天才ですね。

アンコールは結婚行進曲でした。さすがプロ。これを聞いてしまうと結婚式でのトリオやカルテットの演出が霞んでしまう。全然別物です。また一つ贅沢を覚えてしまいました。

ホリデー・シーズンを華やか気分でスタートできました。
いつも意欲的なコンサートがこれからも楽しみです。