環優舎の暫定的な夏休みの外出予定を決めました。夏休みは各地で催しものがあるので毎週2-3日子供たちと外出します。音楽や映画、バレエなどのパフォーミング・アートの鑑賞、美術展、博物館、じゃぶじゃぶ池、農園での野菜の収穫など。でも週の大半は環優舎とその周辺で過ごします。


環優舎の夏休みの特徴は...なんといっても空いていること! いつも誰かがお休みでなんとなく閑散としています。通常の学童保育室は夏休みの時期は朝から利用者が多くてテンヤワンヤだそうですが、環優舎はその逆です。以前、新聞社の方から夏の様子の取材依頼が来たのですが「暑いし、夏休みらしくのんびりしていますよ」とお伝えしたら結局記事にはなりませんでした。


Outliers by Malcom Gladwell(邦訳:天才! 成功する人々の法則)には、夏休みの功罪として夏を有意義に過ごすか、無駄に過ごすかで子供たちの学力の差が開いてしまうという興味深い記述があります。受験生ならひと夏ぐらいは勉強漬となるのも仕方がないかもしれません。スポーツの才能があればずっと強化合宿ということもあるかもしれません。何を持って"良い夏休み"とするのかはとても難しい課題ですね。


朝から子供たちをお預かりするのは大変だけれど、それでも私は夏休みが一番好きです。日頃から子供たちに見せたい、伝えたい、やらせたいと思っていることに触れさせるための時間がたっぷりあるからです。ついつい、あれもこれもやらせたくなってしまうのですが、環優舎では栄養過多で根腐れしないよう、水不足で枯らせてしまわないよう、夏休みの日常の時間配分にはとても、とても神経を使っています。どう表現したらよいのかな。いろいろやりつつ、消化する時間というか、退屈する時間、日頃できないことをやる時間や間をしっかり確保してあげることに腐心しています。


子供たちを預かっていると、次から次へとイベントを与えて子供たちを面白がらせて退屈させないことが一番楽チンです。保育時間が長い場合はなお更です。一番安普請なのはビデオを見せることですが、ビデオを見せない場合はビデオに変わる子供の興味をひくものを与え続けます。保育時間が長いと何かしない間がもたないのです。


保育者としては子供に"することない->退屈->つまらない->行きたくない"といわれるのが一番怖いのです。私など子供に「退屈~!」と言われると、毎回ドキドキしてしまいます。そうしてすぐにでもストックから新しいおもちゃを出してきて一緒に遊んでやりたい衝動にかられます。でも、それを一度やってしまうと子供は次から退屈したときに自分で楽しみを見つけられなくなってしまいます。なので、そこはぐっと我慢して放置。やがて観念して本を読んだり、奇妙な遊びを見つけて没頭しはじめます。その間、5分から10分。たった10分ですが、退屈している子供にも、見守っている(!)私にも長い時間です。子供は遊んでくれないと怒っているでしょうが、小心者の私は環優舎はつまらないって言われたらどうしようと子供が何か始めるまでずっとドキドキ待っているのです。毎回。このようなとき、多く子供は、大人には何が楽しいのかさっぱりわからない妙な遊びを無理やり発明します。大人の介入の余地なしです。


子供は遊びの天才といいますが、退屈が苦手な子もいます。退屈しないように...といろいろ与えられてきた子は魔の10分間が持ちません。退屈したときのために持ち歩いているゲームをすぐに始めることもあれば、20分でも30分でも周囲で何かおもしろいことが始まるまでずーっと何も出来ずにいる場合もあります。誰かが手を差し伸べてくれるまでいつまでもボーッとしているのですからそれは退屈でしょう。


夏休みには各地で楽しいイベントが盛りだくさんです。旅行やキャンプはハイライトだと思います。何もない地味な夏休みでは子供もがっかりでしょう。でも子供の夏休みの毎日をイベントで埋め尽くすようなのはどうかなぁと疑問に思っています。環優舎は毎日子供たちが来て一日を過ごす場所なので、あえて大人から働きかけない時間をしっかり確保してあげることは楽しい予定を立てることと同じぐらい重要なことだと思っています。


娘の学校の校長先生からも、夏休みの間、大人から管理されない自分の時間を持つことの大切さを説かれたお便りをいただきました。夏休みは時間に追われる毎日から逃れて、楽しくもつまらなくも自分で時間を自由に使える期間です。「面白そうな仕事がない」「自分のやりたいことがわからない」と大人になっても、"退屈な"日常から抜け出せない人が沢山います。そんな大人にならないように、夏休みは子供が退屈な日常から自力で抜け出す時間を大切にしてあげたいと思っています。


夏休みは子供が沢山集まるよう沢山のイベントを組んでいるところが沢山ある中、バランスをみながら切り捨てるのもなかなか大変です。