歪な中国不動産再バブル?それでも重要な中国・・・ | ビジネス中国語 漢和塾の窓

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漢和塾の代表、小川善久が綴る中国ビジネス関連ブログ

  以前にも書きましたが、崩壊崩壊と日本ではよく叫ばれている中国経済ですが、こと上海や深圳など一部の大都市では不動産バブルが再燃しています。こちらでは1平米何元と言う表記がされますが、下手したら一昨年くらいなら1平米4万元くらいの物件が今や8万元に。100平米の物件は実質共有部分が含まれているので80平米強だったりしますが、800万元≒1億2,000万円する計算になります。到底、普通に大学を出て会社勤めをしていても買える代物ではなく、持つものと持たざるの差がさらに拡大したと言えます。

 

  政府も高騰を防ぐために、1世帯に限定したり規制をかけようとするのですが、こちらの中国人の考え方によると、政府が規制をかけなければいけないものは逆に必ず上がる証拠だと更に投資が加速、二世帯になれば大丈夫と離婚までして抜け道考えて投資を続けます。日本人駐在員にとってやっかいなのは、家主が賃貸物件にして下手に人が住むより転売を考えるので、どんどん追い出されることになりますし、日系企業のオフィスビルも2割、3割当たり前で値上げ交渉があったりします。もちろん農村部ではすでに上がり目がなく、逆に地方の金持ちが更に都市部に投資する・・・実に偏った経済成長?をコントロールしきれるのか?一党独裁でしかあり得ない共産党のスピード感と独断に期待するしかありません。

 

  よく日本ではコンプライアンス重視と言いますが、ここ中国に限らず、低次元なグローバルビジネスにおいては、そのことで現地の日本人責任者が本社の会議室との間で板挟みになることもよく見かけます。諸々の手当ても本社の予想を超えて高騰していたり、市場も伸びているとは言え、熾烈な競争に加えて、歪な市場構造では、どこの誰と商売するかで勝ち負けがはっきりしてきています。最近こそ赴任期間が3年ではなく5年、7年と長くなってきていますが、それはそれでその人しかできない状況になったり、本社側の中国ビジネス(=グローバルビジネス)の人材の層はまだまだお粗末に感じます。

 

  私が中国に関わってるのでよく目で見ているように思われがちですが、中国単体の市場に限らず、中国人、中国企業の影響力は世界の至る所で脅威でさえあり、まずはこの中国市場で戦い分析した経験がないことにはグローバル人材育成など絵空事ではないかと本気で思います。かく言う私もすっかり最近はたまの出張族になり下がり、書き込むネタも二番煎じどころか四番煎じになってきていますが、少しでも現場に出て情報感度だけは鈍らないようにしたいと思います。