弁護士会からの23条照会を無視しても照会先にペナルティはなし | 福岡の弁護士|菅藤浩三のブログ

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http://mainichi.jp/articles/20161019/ddq/041/040/004000c

最高裁2016/10/18が、愛知県弁護士会を勝たせた名古屋高裁判決をくつがえしてしもうたプンプン

 
 「弁護士会には、23条照会に対し、照会先から確実に回答をもらえるという、法律上の保護

される利益は存在しない。照会先には、正当な理由がない限り報告すべき法的義務はあるんだけどね」

 

 ペナルティを伴わない法律上の義務で、ピンと来るのは憲法27条の勤労の義務かな。あくまで名宛人の善意に期待するスタンスなわけだ。
 ただ上記最高裁は、回答拒絶に正当な理由があるか否かをのちに議論することなく、照会先の賠償責任を一切免じてしまう法律構成になっている。そこが大問題なのだよガーン

 愛知県弁護士会も金が欲しくてこんな訴訟を起こしたわけではない、このポケットを空けたままだと23条照会の実効性が著しく後退すると危惧して起こした訴訟だったのに、裁判官がそろいもそろって形式論で切りやがったポーン

 

 23条照会は、他士業と異なり、弁護士が証拠による事実立証を生業とする仕事であることを踏まえ、そのための証拠収集にとって有用な手段の1つである、料金は非常に高いが。
 上記最高裁がある限り、照会先はとりあえず「回答拒絶に正当な理由があると考えております」とだけ答えれば、今後一切回答せずとも弁護士会も当該弁護士も争う手段がなくなってしまったのである。

 

 これを改めるには、最高裁が逆転するか、あるいは、コペルニクス的転回びっくりとして、正当な理由なき回答拒絶にはペナルティを課す立法に改善する他ない。
 が、いまのダメダメ日弁連にはその立法活動には期待できないなあ、困った困った。高い会費を支払って強制加入団体に所属する魅力がまた一つ減退したわけだよ
  

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